こんにちは!「19番ホール研究所」のthe19thです。
世界最高峰の舞台で戦い続ける松山英樹選手。彼の強さの源泉である、あの正確無比なボールストライキングに憧れますよね。そして、多くのゴルファーが一度は「松山英樹選手のグリップや握り方を真似してみたい!」と思ったことがあるんじゃないでしょうか。私もその一人です。彼のパターのグリップはどんな特徴があるのか、クロスハンドを試していた時期もあったけど今はどうなんだろう?ドライバーの時はストロンググリップに見えるけど、左手や右手の使い方は?握る強さやグリップの太さ、愛用しているイオミックのグリップについても気になりますよね。彼のグリップには長いキャリアの中での変遷もあり、ただ形を真似するだけでは、その本質を見逃してしまうかもしれません。
テレビ中継や雑誌だけでは分からない、あの力強くも繊細なタッチを生み出すグリップの秘密。その核心に迫る情報を、私なりに徹底的に分析し、分かりやすくまとめてみました。この記事を読めば、松山選手のグリップに対する理解が深まり、あなた自身のゴルフ上達のヒントがきっと見つかるはずです。
- 松山選手が実践するパターグリップの基本と応用
- ドライバーショットにおけるパワーと精度を両立する握り方
- 彼が愛用する「イオミック」グリップの性能と秘密
- アマチュアが「松山流」を取り入れる際の具体的なポイント
松山英樹のグリップ、その握り方をパターから徹底解剖
まずは、スコアメイクの要であるパッティングから。松山選手のグリップには、PGAツアーの高速グリーンを攻略するための知恵と技術が詰まっています。彼のパッティングは、まさに「静」のゴルフ。その静けさを生み出す、一見オーソドックスに見える握り方には、どんな秘密が隠されているのか、じっくり見ていきましょう。
松山英樹のパターは逆オーバーラッピング
松山選手のパッティンググリップの基本形は、ゴルフの歴史の中でも多くの名手が採用してきた「逆オーバーラッピング」ですね。これはもう、王道中の王道と言っていいスタイルだと思います。
具体的には、ショットのグリップと同じように左手が上で右手が下になる「順手」を基本としながら、左手の人差し指を右手の小指から中指あたりの上にそっと乗せる握り方です。このスタイルの最大の目的は、両手の一体感を極限まで高め、手先の余計な動きを物理的に封じることにあります。
ゴルフのグリップには他に、指を絡める「インターロッキング」や野球のバットのように握る「テンフィンガー(ベースボールグリップ)」などがありますが、パッティングにおいて逆オーバーラッピングが選ばれるのには明確な理由があります。
なぜ逆オーバーラッピングなのか?
ショットでは手首のコック&リリースが飛距離を生む重要な要素ですが、パッティングでは手首の動きは再現性を損なう最大の敵になります。特に、インパクトで手首が甲側に折れる「フリップ」という動きは、ロフト角を変化させ、ボールの転がりを悪くする原因です。
逆オーバーラッピングは、左手の人差し指が右手を上から押さえつける構造になるため、このフリップ動作を物理的に抑制しやすいんです。左手首が支点、右手が振り子というイメージが作りやすく、肩の回転を主体としたスムーズなストロークを導き出してくれます。
このグリップは、タイガー・ウッズをはじめとする伝説的な選手たちが採用してきたことからも、その完成度の高さが伺えます。フィーリングを重視し、ショットの感覚とパットの感覚をシームレスに繋げたいと考えるプレーヤーにとっては、最も合理的な選択肢の一つと言えるでしょう。
左手と右手を「絞る」グリップの秘密
松山選手のパッティンググリップを語る上で、外見の形以上に本質的で、そして多くのゴルファーが見逃しているであろうポイントが、グリップ内部で生じている「内圧」、つまり「絞る」という動作です。
これは、ただ闇雲に力を入れて握りしめるのとは全く次元が違います。プロゴルファーの小平智選手が指摘しているように、松山選手やタイガー・ウッズは、両方の手のひらを、グリップを介して内側に向かって互いに押し合うように、キュッと絞り込んでいるそうです。この一見地味な動作が、パッティングの精度に驚くべき効果をもたらします。
この「絞る」動きは、バイオメカニクスの観点から見ると「等尺性収縮(アイソメトリック収縮)」という現象を引き起こします。筋肉の長さ自体は変えずに、内部の張力だけを高める運動のことです。例えば、壁を全力で押している時、腕の筋肉は長さを変えずに力を発揮していますよね。あれと同じ状態をグリップ内部で作り出しているわけです。
「絞る」ことで得られる3つの物理的メリット
- 完全な手首のロック:前腕の屈筋群と伸筋群に同時に適度な緊張が生まれることで、手首の関節は極めて安定した状態になります。これにより、ストローク中のフェース面の開閉がミリ単位で抑制され、打ち出し方向のズレを根本から断ち切ることができます。
- グリップとの一体化:「絞る」ことで、手のひらとグリップの間に存在するミクロ単位の隙間(遊び)が完全に排除されます。これにより、パターヘッドの重さやフェースの向きといった情報が、より鮮明に、ダイレクトに指先へと伝わってきます。
- プレッシャー下での安定性:これが最も重要かもしれません。「絶対に入れたい」という緊張した場面では、誰でも無意識に手に力が入ります。この急激な力の変化が、インパクトの緩みやパンチといったミスを誘発します。しかし、最初から「絞る」ことで一定の筋緊張を保っておけば、メンタル的なプレッシャーによる急激な筋収縮の影響を受けにくくなるのです。いわば、物理的なメンタルコントロール術と言えるかもしれません。
ショートパットで手がスムーズに動かなくなる、いわゆる「イップス」に悩むゴルファーにとって、この「最初に絞って圧力を一定に保つ」という考え方は、非常に有効な処方箋になる可能性があります。ぜひ一度試してみてほしいですね。
クロスハンドグリップを試した時期は?
松山選手といえば逆オーバーラッピングの印象が非常に強いですが、彼の探究心の表れとして、過去には「クロスハンドグリップ」を試合で試していた時期もありました。クロスハンドとは、通常の順手とは逆に、左手を下、右手を上にして握るスタイルで、近年多くのプロが採用しています。
特に、2015年の全米オープンを制したジョーダン・スピース選手がこのグリップで大活躍したことで、一気に注目度が高まりましたね。では、なぜ松山選手ほどのプレーヤーが、慣れ親しんだグリップから一時的に変更を試みたのでしょうか。それはクロスハンドが持つ明確なメリットに理由があります。
上記のように、クロスハンドは特に肩のラインをスクエアに保ち、利き手である右手の無駄な動きを封じ込める効果が非常に高いのです。パッティングに悩んでいた時期、よりオートマチックで再現性の高いストロークを求めて、このグリップを試行錯誤の一つとして取り入れたのだと推測します。
しかし、最終的に彼が逆オーバーラッピングに戻ることが多いのは、やはり彼のゴルフが「感覚」や「フィーリング」を非常に大切にしているからではないでしょうか。ショットからパットまで、一貫したフィーリングの中でプレーしたいという想いが、王道の逆オーバーラッピングを選択させているのだと、私は考えています。トッププロでさえ、常に自分にとっての最適解を探し続けている。その姿勢こそ、私たちアマチュアが見習うべき点なのかもしれませんね。
プレッシャーに勝つパターの握る強さ
ゴルフのレッスン書を開くと、決まって「パターは小鳥を包むように、優しく握りましょう」と書かれています。もちろん、これはガチガチに力んでしまうアマチュアへの戒めとしては正しい教えです。しかし、松山選手をはじめとするトッププロの世界では、この「優しく」という言葉の解釈が少し違うように感じます。
彼らにとって重要なのは、握る強さが「弱い」ことではなく、「ストロークの始動からフィニッシュまで、グリッププレッシャーが1ミリも変化しないこと」なのです。前述した「絞る」動きにも通じますが、彼のグリッププレッシャーは「弱い」のではなく、むしろある程度の強さで「常に一定」に保たれていると考える方が自然です。
10段階で表現するなら、多くのアマチュアが「2」や「3」で握ろうと意識し、緊張する場面で無意識に「7」や「8」になってしまうのに対し、松山選手はスタートから常に「5」や「6」の圧力をかけ続け、フィニッシュまでその「5」や「6」を完璧にキープしている、というイメージです。
なぜ「一定の強さ」が重要なのか?
グリッププレッシャーの変化は、ストロークのリズムとテンポを乱す最大の原因です。特に、インパクトの瞬間にグリップが緩んだり、逆に強く握り込んだりすると、ヘッドスピードが不安定になり、距離感が全く合わなくなります。
- インパクトで緩むと… ヘッドがボールの勢いに負け、フェースが開いて右にプッシュしたり、思ったよりショートしたりします。
- インパクトで強まると… ヘッドが急加速し、パンチが入って思ったよりオーバーしたり、フェースが被って左に引っ掛けたりします。
この無意識の圧力変化をなくすために、あらかじめ適度な圧力をかけておく。これがプレッシャーに打ち勝つための、松山流の物理的なアプローチなのです。もしあなたがショートパットで手が震えたり、スムーズに動かなかったりする経験があるなら、一度「優しく握る」という呪縛から離れ、「一定の強さで握り続ける」ことを意識してみてはいかがでしょうか。驚くほどストロークが安定するかもしれませんよ。
アドレスで作るスクエアな構え方
どれだけ完璧なグリップを作っても、アドレスの段階でターゲットに対してズレていては、元も子もありません。松山選手のアドレスは、グリップと身体、そしてターゲットラインを完璧に同期させるための、幾何学的な工夫に満ちています。
その中でも、アマチュアがすぐにでも真似できる、非常に重要なポイントが2つあります。
ポイント1:右手の「V字」をガイドラインにする
パッティングにおける最大の課題は、「脳が認識しているフェースの向き」と「実際のフェースの向き」のズレをなくすことです。松山選手は、このズレをなくすための強力なガイドラインとして、「右手の親指と人差し指の付け根で作るV字(股)」を活用しています。
アドレスに入る際、彼はこのV字の向きが、グリップの真上(メーカーロゴなどがあるセンターライン)と一直線になるように、細心の注意を払ってセットします。このアライメントには、絶大な効果があります。
- 感覚的なリンク:「右手のV字の向き = フェースの向き」という強固なリンクが生まれます。これにより、右手でターゲットを指し示しているような感覚で、極めて正確にフェースを目標方向へセットできます。
- 操作性の向上:右手のひらがターゲット方向を向く形になるため、ボールを手のひらで押し出してあげるような、繊細でコントロールの効いたタッチが出しやすくなります。
多くのゴルファーは、このV字が左右どちらかにズレたまま握っています。練習グリーンで一度、自分のグリップのV字がどこを向いているかチェックしてみてください。そのズレを修正するだけで、パッティングの方向性は劇的に改善する可能性があります。
ポイント2:「五角形」を維持し、肩のラインを水平に保つ
グリップは単体で機能するのではなく、腕、肩、体幹へと繋がる運動連鎖の始点です。松山選手のストロークの再現性の高さは、両肩と両肘、そしてグリップで作られる「五角形(ペンタゴン)」を、テークバックからフォローまで一切崩さないことにあります。
この五角形を美しく保つための秘訣が、左右の親指の高さを揃えて握ることです。右手が下になる順手グリップでは、どうしても右肩が下がり、肩のラインが開きやすくなります。しかし、親指の高さを意識的に揃えることで、左右の腕の長さが均等になり、両肩を地面と平行なレベル(水平)な状態に保ちやすくなるのです。これにより、パターヘッドは限りなく真っ直ぐな軌道を描き、安定した振り子運動が実現します。これは、クロスハンドグリップが持つ「肩の水平化」というメリットを、順手のままで実現しようとする、非常に高度なテクニックと言えるでしょう。
松山英樹のグリップの握り方と愛用ギアの秘密
さて、ここからはガラッと変わり、ドライバーやアイアンなど、フルショットにおけるグリップの秘密に迫ります。彼の代名詞である、あの時が止まったかのようなトップからの強烈な「タメ」、そして世界屈指のボールスピードを生み出すスイング。そのすべてを受け止めるグリップは、パターの繊細さとは対照的な「剛性」と「パワー」を重視した設計になっています。そして、その強靭なスイングを陰で支える特別なギア、「イオミック」のグリップについても、徹底的に深掘りしていきましょう。
ドライバーはストロンググリップで掴まえる
松山選手のドライバーショットのアドレスを注意深く見ると、左手のグリップはパターの時とは全く異なる表情を見せます。ナックル(拳の骨)が2つから3つ見える、いわゆる「ストロンググリップ(フックグリップ)」で握られているのが分かります。これは、現代のパワーゴルフにおいて、ボールをしっかりと捕まえ、フェースローテーションを積極的に利用して最大限の飛距離を叩き出すための、戦略的なセッティングです。
彼のスイングの最大の特徴は、深いトップから、下半身リードで一気にタメを解放するダイナミックな動きにあります。この切り返しの瞬間、シャフトには一般のアマチュアとは比較にならないほどの巨大な負荷とねじれ(トルク)が発生します。もしこの時、グリップがウィーク(スライスグリップ)だったり、握る力が弱かったりするとどうなるでしょうか?
おそらく、手の中でクラブが暴れてしまい、フェースは開いたままインパクトを迎えることになります。これでは、到底PGAツアーで戦えるような強い球は打てません。松山選手のストロンググリップは、この強烈な負荷に耐え、切り返しで生まれたパワーを一切ロスすることなく、インパクトでボールに100%伝えるための「アンカー(錨)」の役割を果たしているのです。
また、このグリップは彼の特徴的な「左腕を横方向にスライドさせる」ような動きとも連動しています。体を過度に回転させずに腕を振ることで、フェースの開閉を抑えながら強くボールを押し込む。この技術を実現するためにも、左手でクラブをしっかりとコントロールできるストロンググリップは不可欠な要素と言えるでしょう。
愛用イオミックグリップの硬さの理由
松山選手のゴルフを語る上で絶対に欠かせないのが、彼が長年にわたって信頼を寄せ、その開発にも深く関与しているグリップメーカー「イオミック(IOMIC)」の存在です。彼が使用しているのは、フラッグシップモデルである「X-GRIP」をベースに、彼の要求に合わせてカスタマイズされた特別なモデルです。
その最大の特徴は、市販されている標準モデルよりも硬度を5ポイント上げた「ハードフィーリング」仕様であること。一般的に、アマチュアゴルファーは手に吸い付くような「ソフト」なグリップを好む傾向にありますが、なぜ彼は真逆の「硬い」グリップを選ぶのでしょうか。そこには、彼のパフォーマンスを最大化するための明確な物理的理由が存在します。
(出典:IOMIC公式サイト『X-GRIP hard feeling』)
理由1:トルク(ねじれ)の徹底的な抑制
前述の通り、松山選手のスイングでは切り返し時にグリップに強大な「ねじれ(トルク)」が発生します。柔らかいグリップだと、この力によってゴムがよじれてしまい、手元の動きとヘッドの動きにタイムラグが生まれてしまいます。これはエネルギーロスであり、操作性の低下に直結します。「硬度+5」という仕様は、このよじれを物理的に極限まで排除し、手元の意思を寸分の狂いなくヘッドに伝えるための、いわばレーシングカーの足回りのようなセッティングなのです。
理由2:情報のフィードバックを鮮明化する
硬い素材は、柔らかい素材に比べて振動の減衰率が低くなります。つまり、インパクトの衝撃や打感が、加工されることなくダイレクトに手元へ伝わってきます。松山選手のようなトッププレーヤーは、打点のズレやフェースへのボールの乗り具合といった微細な情報を、次のショットを完璧にするための何より重要なデータとして活用します。柔らかいグリップがこの情報をオブラートに包んでしまうのに対し、硬いグリップは「ありのままの情報」を伝えてくれる。これが彼の感覚をさらに研ぎ澄ませることに繋がっていると考えられます。
理由3:全天候に対応する素材「IOMAX」
イオミックのグリップは、一般的なゴムではなく「エラストマー」という樹脂系素材で作られています。この素材の最大の特徴は、水を一切吸収しないこと。雨や手汗で濡れても、タオルでサッと拭けば、新品時とほぼ変わらないグリップ力が即座に回復します。年間を通して様々なコンディションで戦うツアープロにとって、天候によってパフォーマンスが左右されないという点は、計り知れないアドバンテージになります。
グリップの太さをテープで微調整する技
プロゴルファー、特にトップに上り詰める選手ほど、常人には理解しがたいレベルで道具の細部にこだわります。その中でも、グリップの「太さ」は、スイング全体に影響を及ぼす非常にデリケートな要素です。
一般的に、グリップはシャフトのバット(手元)側からチップ(先端)側に向かって細くなる「テーパー」がついています。しかし、多くのプロは、このテーパーを嫌い、よりストレートに近い形状を好みます。なぜなら、右手の部分が細いと、インパクトで右手が必要以上に捏ねる動きをしやすくなり、引っ掛けのミスに繋がりやすいからです。
この微調整のために使われるのが、グリップを装着する際にシャフトに巻く「下巻きテープ」です。このテープの巻き方一つで、グリップのフィーリングは劇的に変化します。
松山選手が使用するイオミックのグリップは、樹脂成形品であるため製品の個体差が非常に少ないという利点があります。これにより、テープによる微調整の結果が、毎回極めて正確に仕上がりに反映されるのです。私たちアマチュアも、グリップ交換の際に工房のクラフトマンに「右下を少し太くしたい」などと相談すれば、数100円の追加料金で対応してくれる場合がほとんどです。もし今のグリップの握り心地に少しでも違和感があるなら、この「下巻きチューン」は試す価値大ですよ。
グリップの変遷とマスターズ優勝モデル
松山英樹というゴルファーのキャリアは、絶え間ないスイング改造とセッティングの試行錯誤の歴史でもあります。当然、その中心にあるグリップも、決して固定されたものではなく、彼のゴルフの進化に合わせて微調整が繰り返されてきました。
その歴史の中でも、燦然と輝くのが2021年のマスターズ制覇です。日本人、いやアジア人として初めてグリーンジャケットに袖を通したあの歴史的瞬間に、彼の手元を支えていたのが、前述した「IOMIC X-GRIP Hard Feeling」のブラック×スカイブルーという象徴的なカラーのモデルでした。
あの時のオーガスタ・ナショナルGCは、例年以上に硬く、速いグリーンに仕上がっていました。アプローチではミリ単位の距離感が、パッティングでは寸分の狂いもない方向性が要求される、まさに究極のセッティング。その中で、
- ショットでは:ハードなグリップでインパクトのエネルギー伝達を最大化し、ピンをデッドに狙う正確無比なアイアンショットを連発。
- パットでは:逆オーバーラッピングと「絞る」技術でフェース面を完全にコントロールし、ガラスのグリーンで次々と繊細なパットを沈める。
この「剛」と「柔」のグリップ戦略が、完璧に噛み合った結果が、あの歴史的偉業に繋がったことは疑いようがありません。
2021年以降も、彼はプレジデンツカップなどの大舞台で活躍を続けていますが、長年の悩みである腰痛など、身体のコンディションとは常に向き合っています。おそらく、スイングへの負担を減らしつつ出力を維持するために、グリップに関しても、基本仕様は変えずに、その日の体調に合わせて握る強さや指のポジショニングを日々微調整しているはずです。彼のグリップの変遷は、常に最高のパフォーマンスを追求し続ける、トップアスリートの終わりのない探求の物語そのものなのです。
アマチュアが真似する際の注意点
ここまで松山選手のグリップの凄さについて熱く語ってきましたが、私たちアマチュアゴルファーが彼のグリップを自分のスイングに取り入れようとする際には、いくつか注意すべき点があります。ただ形だけをコピーしても、宝の持ち腐れどころか、スイングを崩す原因にもなりかねません。
最も重要な心構えは、「形」ではなく、そのグリップが持つ「機能」や「目的」を理解して取り入れることです。彼のグリップは、彼の強靭なフィジカルと長年の練習で培われたスイングがあって初めて100%機能します。
いきなり全てを真似しようとせず、まずは一つの要素、例えば「パターのアドレスで親指の高さを揃えてみる」とか、「練習場で一度だけストロンググリップを試してみる」といったように、スモールステップで取り入れてみてください。そして、その結果どういう変化があったのかを自分で感じ取ることが、上達への一番の近道だと思います。必要であれば、信頼できるレッスンプロやクラフトマンに相談し、客観的なアドバイスを求めることも非常に重要ですね。
まとめ:松山英樹のグリップと握り方の核心
今回は、世界で戦う松山英樹選手のグリップと握り方について、パターからドライバー、そして愛用ギアに至るまで、私なりに徹底的に深掘りしてみました。いかがでしたでしょうか。
分析を通して見えてきたのは、彼のグリップが決して感覚的なものではなく、彼のゴルフ哲学である「完璧なボールストライキング」と「繊細なタッチ」という、相反する要素を両立させるための、極めて論理的で機能美にあふれたシステムであるということでした。
私たちアマチュアが松山選手のグリップから学ぶべき最も大切なことは、単に形を模倣することではありません。なぜその握り方なのか、なぜその道具なのか、その背後にある「理由」や「目的」を理解しようとすることです。その探究心が、あなた自身のゴルフを見つめ直し、新たな上達の扉を開くカギになるはずです。
この記事が、あなたのゴルフライフをより豊かにする一助となれば、これ以上嬉しいことはありません。最後までお読みいただき、ありがとうございました!



