こんにちは!「19番ホール研究所」のthe19thです。
ゴルフ練習場にも慣れてきて、「そろそろコースデビューかな?」と考えているあなた。ワクワクする気持ちと同時に、「一体何から準備すればいいんだろう…」「周りに迷惑かけないかな…」なんて不安も大きいのではないでしょうか。ゴルフ初心者のコースデビュー準備って、考えれば考えるほど心配事が増えますよね。特に、必要な持ち物や、気になる服装のマナー、さらには当日の流れや最低限覚えておくべきルールなど、わからないことだらけだと思います。スコアはどれくらいが目安なのか、男性と女性で準備に違いはあるのか、考え始めるとキリがありません。でも、安心してください。この記事では、そんなあなたの不安を一つひとつ解消し、自信を持ってコースデビュー当日を迎えられるように、必要な情報をすべて詰め込みました。

- コースデビューに必要な持ち物や服装のすべて
- 迷惑をかけないためのスコア目安とマナー
- 当日の流れと最低限覚えるべきルール
- 不安を解消し、ゴルフを心から楽しむコツ

ゴルフ初心者のコースデビュー、万全な準備はここから
コースデビューを最高の一日にするためには、何よりも事前の準備が大切です。ゴルフは技術だけでなく、知識やマナー、そして段取りがとても重要なスポーツ。プレー当日に「あれがない!」「どうすればいいの!?」とパニックにならないよう、持ち物や服装、そして心の準備まで、ここでしっかり整えておきましょう。スコアを気にするのは、まだずっと先の話。まずは「準備の達人」を目指すところからスタートですね!

初心者のスコア目安は120〜130
コースデビューを前にして、多くの初心者が抱く最大の不安、それが「スコア」だと思います。テレビ中継で見るプロゴルファーは軽々と70台で回り、会社のコンペで優勝するような上司は80台でプレーする…。そんな話を聞くと、「自分は一体どれくらいで回ればいいんだろう」「150なんて叩いたら笑われるんじゃないか」と、途方もないプレッシャーを感じてしまいますよね。
でも、声を大にして言います。まったく心配いりません! 私が見てきた限り、初心者の初ラウンドのスコアは、男性で120〜150、女性で130〜160くらいがごくごく平均的な数字です。これは決して大げさな数字ではなく、ごく自然な結果なんですね。なぜなら、練習場(マットの上)と実際のコース(自然の芝の上)は、全くの別世界だからです。</ティーショットが大きく曲がってOBになったり、うまく当たったと思ったら池に入ってしまったり、バンカーから一発で出なかったり…。空振りやチョロ(ボールの頭を叩いてしまうミス)も、最初は当たり前のように起こります。これらが積み重なれば、1ホールで10打以上叩いてしまう「大叩き」も珍しくありません。1ホールあたり、規定打数(パー)より3打多い「トリプルボギー」や4打多い「クアドラプルボギー」ペースで進むのが、初心者のリアルな姿なんです。
必要な持ち物とクラブの本数
「さあ、コースに行くぞ!」となったとき、練習場と同じ感覚で準備してしまうと、当日必ず忘れ物をしてしまいます。コースデビューは、さながら「ゴルフという名の一日旅行」。用具から身の回り品まで、万全の準備で臨みましょう。ここでは、キャディバッグに入れる「ゴルフ用具」と、ボストンバッグに入れる「身の回り品」に分けて、それぞれ詳しく解説していきますね。
ゴルフ用具(キャディバッグに入れるもの)

これらはプレーに直接関わる、まさに”商売道具”です。一つでも欠けるとプレーに支障が出る可能性があるので、前日までに必ずチェックしましょう。
身の回り品(ボストンバッグに入れるもの)

こちらはプレー以外の時間を快適に過ごすためのアイテム。ゴルフ場のクラブハウスはホテルのような場所なので、それにふさわしい準備をしていきましょう。
- ゴルフウェア: 行き帰りの服装とプレー中の服装は分けるのが基本マナーです。詳細は服装の項目で詳しく解説します。
- ゴルフシューズ: クラブハウス内は革靴やパンプスで過ごし、ロッカールームでゴルフシューズに履き替えます。
- 着替え一式: 特に夏場はプレー後にシャワーを浴びることがほとんど。汗をかいたウェアのまま帰りたくないですよね。下着や靴下も含めて、頭からつま先まで完璧な着替えセットを持っていくと、プレー後の食事や帰り道も気持ちよく過ごせます。
- カートバッグ: プレー中に使う小物をまとめて入れておく、小さなトートバッグのことです。これがあると、カートの上で物が散らからず非常に便利。具体的には、スマホ、日焼け止め、飲み物、予備のボール、タオル、お菓子などを入れておくと良いでしょう。
- 雨具・防寒具: 山の天気は変わりやすいもの。天気予報が晴れでも、レインウェアは必ずキャディバッグに常備しておきましょう。急な雨でも安心ですし、肌寒い時のウインドブレーカー代わりにもなります。冬場はこれに加えて、カイロ、ニット帽、ネックウォーマー、ミトン(手袋)などが必須になります。
- ケア用品: 日焼け止めは季節を問わず必須です。夏場は虫除けスプレー、いざという時のための絆創膏もあると安心。女性はメイク直し用品や保湿クリームなどもカートバッグに入れておくと便利ですね。
ボール選びはロストボールがおすすめ
コースデビューの準備で、意外と悩むのが「ゴルフボール」選びではないでしょうか。ゴルフショップに行けば、キラキラしたパッケージのボールがずらりと並び、「飛距離UP!」「驚愕のスピン!」といったキャッチコピーが躍っています。価格も1球150円程度のものから、800円以上する高級なものまで様々。初心者は一体どれを選べばいいのか、迷ってしまいますよね。
結論から言うと、コースデビューからゴルフに慣れるまでの期間は、私はロストボール(中古ボール)を強く、強くおすすめします。その理由は、何と言っても圧倒的なコストパフォーマンスの良さです。
前述の通り、初心者のうちは1ラウンドで10球以上ボールを無くすことも日常茶飯事です。仮に1球500円の新品ボールを使ったとして、10球無くせばそれだけで5,000円が消えていく計算になります。これでは、ショットのたびに「このボール、高いんだよな…無くしたくないな…」というプレッシャーがかかり、思い切ったスイングができなくなってしまいます。特に、池越えや谷越えといったプレッシャーのかかるホールでは、体が縮こまってミスショットの原因にもなりかねません。
もちろん、「やっぱり最初は新品で気分を上げたい!」という気持ちもよくわかります。その場合は、「本間ゴルフ D1」や「キャスコ KIRA」に代表されるような、1ダース(12球)2,000円前後で販売されている廉価版の新品ボール(ディスタンス系ボール)がおすすめです。これらのボールは、硬めの打感で反発が強く、スピンがかかりにくい「2ピース構造」という設計になっています。スピンが少ないということは、つまり打球が左右に曲がりにくいということ。これは、スライスに悩む多くの初心者ゴルファーにとって大きなメリットになります。また、鮮やかなカラーバリエーションが豊富なモデルも多く、ラフに入ってしまってもボールを見つけやすいという利点もありますよ。
男性の服装と守るべきマナー

ゴルフには「ドレスコード」という、他のスポーツにはあまり見られない服装の規定が存在します。これは、ゴルフがスコットランドの貴族社会で発展してきた「紳士・淑女のスポーツ」としての歴史的背景があるからなんですね。ルールと聞くと堅苦しく感じるかもしれませんが、要は「周りの人に不快感を与えず、ゴルフという場の雰囲気を尊重するためのエチケット」のようなもの。これを守ることは、プレーの腕前以前に、ゴルファーとしての資質を問われる重要事項です。ポイントは「クラブハウスへの行き帰り」と「プレー中」で服装を使い分けることです。
クラブハウスへの来場・退場時
ゴルフ場のクラブハウスは、社交の場でもあります。基本コンセプトは「高級ホテルのロビーや、ちょっと良いレストランに行くような服装」とイメージすると分かりやすいです。作業着や部屋着のようなラフすぎる格好は、入場を断られてしまう可能性もあるので注意しましょう。
プレー中のウェア
プレー中は、動きやすさという「機能性」と、前述の「マナー」を両立させた服装が求められます。
- トップス: やはり襟付きのポロシャツが最も一般的で間違いありません。最近はモックネックシャツ(首に沿った低い立ち襟のシャツ)を許可するゴルフ場も増えていますが、デビュー戦では避けた方が無難かもしれません。
- ボトムス: ロングパンツが基本ですが、夏場はハーフパンツももちろんOKです。ただし、ここで注意したいのがソックスの長さ。コースによっては、ハーフパンツ着用時に「くるぶしが隠れる長さのソックス(ハイソックス等)」の着用を義務付けている場合があります。これは虫刺されや怪我の防止、そして伝統的な見た目を重んじる観点からのルールです。事前にゴルフ場の公式サイトで確認しておくと安心ですね。
- 帽子・バイザー: これはドレスコードの義務というより、安全のためのマナーです。万が一、他の人の打ったボールが頭に当たった際のリスクを軽減するため、また熱中症や日焼け対策として、着用が強く推奨されます。
何より大切なのは「清潔感」です。シワだらけのシャツや泥のついたパンツは避け、気持ちよく一日を過ごせる服装を心がけましょう。
女性の服装、ユニクロでも大丈夫?
女性のゴルフウェア選びは、男性以上に選択肢が広くて楽しい反面、悩みも多いかもしれませんね。人気ブランドのウェアはデザインも可愛くて機能的ですが、一式揃えるとなると数万円かかってしまうことも…。そこで多くの初心者が抱くのが「ユニクロみたいなファストファッションじゃダメなのかな?」という疑問だと思います。
この質問への答えは、「はい、ユニクロでも全く問題ありません!」です。
ゴルフウェアで最も重要なのは、特定のブランドを着ることではなく、「清潔感」と、これまで解説してきた「ドレスコード(特に襟付きという点)を遵守すること」の2点です。この条件さえ満たしていれば、ユニクロやGUなどのファストファッションブランドのアイテムを上手に活用するのは、非常に賢い選択だと私は思います。実際、ユニクロの「ドライカノコポロシャツ」や「感動パンツ」などは、吸汗速乾性やストレッチ性に優れており、ゴルフのプレー着として十分すぎるほどの機能性を備えています。
もちろん、パーリーゲイツやキャロウェイアパレルといったゴルフ専門ブランドのウェアは、機能性やデザイン性が非常に高く、着るだけで気分が上がるという大きな魅力があります。ゴルフにハマってから、少しずつお気に入りのブランドのウェアを揃えていくのも、ゴルフの楽しみ方の一つ。ですが、デビュー戦から無理して全身を高級ブランドで固める必要は全くありません。まずは手持ちの服やファストファッションを賢く活用して、コースの雰囲気を楽しむことから始めてみてください。
ゴルフ初心者のコースデビュー、当日の準備と実践
さて、持ち物や服装といった事前の準備が完璧に整ったら、いよいよ当日編です!どんなに準備をしても、当日の朝は緊張するもの。でも大丈夫。ここからは、当日の朝起きてからゴルフ場を出るまでの流れを時系列でシミュレーションし、さらにコース上で覚えておきたい実践的な知識を詳しく解説していきます。この流れを頭に入れておくだけで、当日の緊張がグッと和らぎ、スマートに行動できるようになりますよ。
失敗しないコースデビュー当日の流れ

コースデビューを成功させる最大の秘訣は、「時間に余裕を持つこと」です。特にゴルフ場への遅刻は、同伴者だけでなく、後続のすべての組に迷惑をかけてしまう可能性がある、最もやってはいけないマナー違反の一つ。以下のタイムラインを参考に、余裕を持った行動を心がけましょう。
起床〜出発(スタート3時間前〜)
プロゴルファーの多くは、スタートの3時間前には起床すると言われています。これは、体をしっかりと覚醒させ、最高のパフォーマンスを発揮するため。私たちアマチュアも、バタバタと家を出るのではなく、少し早めに起きてストレッチをしたり、ゆっくり朝食を摂る時間を確保したいところ。特に朝食は、18ホールを回りきるための重要なエネルギー源になります。しっかり食べておきましょう。
ゴルフ場到着〜チェックイン(スタート1時間前)
交通渋滞などの不測の事態も考慮し、スタート時間の最低1時間前、できれば1時間半前にはゴルフ場に到着するのが理想です。
- キャディバッグの預け入れ: ゴルフ場に到着したら、まずクラブハウスの玄関前(車寄せ)に車をつけます。するとスタッフさんが出てきてくれるので、トランクからキャディバッグを降ろして預けましょう。この時、「〇〇(自分の名前)です。〇時〇分スタートです」と伝えるとスムーズです。
- 駐車場へ移動: 車を駐車場に停めます。
- フロントで受付(チェックイン): ボストンバッグなどの手荷物を持ってクラブハウスに入り、フロントで受付をします。通常は受付票に名前や連絡先を署名し、ロッカーキーを受け取ります。このキーホルダーに付いている番号やバーコードが、その日一日のID代わりになり、レストランや売店での支払いはすべてこのキーで行い、帰りにまとめて精算する「サインレスシステム」が一般的です。
着替え〜練習(スタート40分前〜)
受付が終わったら、いよいよプレーの準備です。
- 着替え: ロッカーでプレー用のウェアに着替え、ゴルフシューズに履き替えます。日焼け止めを塗ったり、必要な小物をカートバッグに移したりといった準備もここで行います。
- 練習場へ(スタート30分前〜): ほとんどのゴルフ場には、練習用のドライビングレンジやアプローチ練習場があります。1コイン(24〜30球程度)を購入し、ウォーミングアップを行いましょう。ここでの目的は、あくまで「その日の体の動きを確認すること」。スイング改造を試みる場所ではありません。サンドウェッジなどの短いクラブから始め、徐々に体を慣らしていくのがおすすめです。
- パッティング練習(スタート15分前まで): スタート前の最も重要な練習が、このパター練習です。練習グリーンで数球ボールを転がし、その日のグリーンの速さ(ボールの転がり具合)を肌で感じておきましょう。これをやるかやらないかで、本番のパット数が大きく変わってきます。
スタート(ティーオフ)
スタート時間の10分前には、指定されたスタートホール(ティーイングエリア)付近に集合しましょう。同伴者と「よろしくお願いします!」と元気に挨拶を交わし、ボール、ティー、マーカーなどの所持品を最終確認。最初のホールの打順(オナー)は、ティーイングエリアに設置されたくじ引き棒などで決めることが多いですね。さあ、いよいよコースデビューの始まりです!
初心者が覚えるべき最低限のルール

ゴルフの公式ルールブックは非常に分厚く、すべてを一度に覚えるのは不可能ですし、その必要もありません。ゴルフは「審判がいないスポーツ」であり、プレーヤー自身がルールに則って判断する、自己申告が基本の紳士的なゲームです。初心者のうちは、まずプレーの進行に大きく関わる、最も頻繁に遭遇するであろう以下の主要なルールと、その対処法だけをしっかり覚えておけば大丈夫です。もしコースで判断に迷ったら、決して自己判断せず、すぐに同伴の上級者に「こういう場合はどうすればいいですか?」と聞くのが一番の解決策ですよ。
OB(アウトオブバウンズ)の完全攻略
「OB」とは、ボールがプレー禁止区域であるコース外に出てしまった状態を指します。コースの境界は、通常、白い杭(白杭)や白線で示されています。
- 基本ルール: ティーショット(1打目)がOBになった場合、1打罰を加えて、元の場所(ティーグラウンド)から打ち直しとなります。つまり、次のショットは「3打目」として打つことになります。
- 暫定球(Provisional Ball): 「今打ったボール、OBかもしれないな…」と少しでも思ったら、ボールを探しに行く前に「暫定球を打ちます」と同伴者に宣言して、もう一球打っておきましょう。これは、最初のボールがもしOBだった場合に、わざわざ元の場所まで戻る時間を節約し、プレーをスムーズに進めるための非常に重要な処置です。最初のボールが無事セーフであれば、暫定球は無かったことになります。
- 特設ティー(プレーイング4): 日本のゴルフ場に多い独自のローカルルールで、初心者の強い味方です。ティーショットがOBだった場合、コースの前方に設置された黄色いティーマーク(通称:前進4打、プレ4)から、「4打目」としてプレーを再開できます。これにより、ティーグラウンドに戻る手間が省け、大幅な時間短縮になります。初心者は進行促進のため、このルールを積極的に活用すべきです。
ペナルティエリア(池・クリークなど)
コース内にある池、川、小川、溝などの水域は「ペナルティエリア」と呼ばれ、黄色い杭(イエローペナルティエリア)または赤い杭(レッドペナルティエリア)で示されています。ここにボールが入ってしまった場合の処置です。
- ルール: OBとは異なり、元の場所に戻る必要はありません。1打罰を加え、ルールに従った場所にボールをドロップ(膝の高さからボールを落とす)してプレーを再開します。
- 救済方法: 救済を受けるにはいくつかの選択肢がありますが、初心者がまず覚えるべき最も一般的な方法は、「ボールが最後にペナルティエリアの境界線を横切った地点」を基点に、そこからホールに近づかない2クラブレングス以内にドロップするというものです。赤杭の場合は、さらに横方向への救済(ラテラル救済)も認められており、選択肢が広がりますが、最初は「最後に横切った場所の近くから打つ」と覚えておけば十分です。
スコアより大切なプレーファストとは

コースデビューにおいて、何度もお伝えしている通り、スコアが悪いことは全く問題ありません。空振りもOBも、誰もが通る道です。しかし、プレーが遅いこと(スロープレー)は、ゴルフにおいて最も嫌われる重大なマナー違反と見なされます。これが「プレーファスト」の考え方であり、スコア以上に重視される、すべてのゴルファーが共有すべき基本理念です。
なぜここまで厳しく言われるのか。それは、ゴルフが複数の組(グループ)が同じコースを時間差でスタートしていくスポーツだからです。一つの組のプレーが遅れると、その後ろの組、さらにそのまた後ろの組…と、まるで玉突き事故のようにすべてのプレーヤーの進行に影響を与えてしまい、ゴルフ場全体の運営に支障をきたすからです。日本のゴルフ場では、ハーフ(9ホール)のプレー時間を「2時間15分以内」に設定しているケースがほとんど。これは1ホールあたり平均15分で消化する計算です。当然、打数が多くなりがちな初心者がこれを達成するためには、ショットそのものにかける時間以外を、極限まで短縮する意識と工夫が不可欠になります。
プレーファストを実践するための4つの具体的な行動指針
難しいことではありません。以下の4つの行動を意識するだけで、あなたのプレー進行は劇的にスムーズになります。
- クラブを数本持って走る
カートから自分のボール地点へ移動する際、絶対にやってはいけないのが、使うと予想したクラブ1本だけを持っていくこと。「150ヤードだから7番アイアンかな?」と思って行ってみたら、思ったより距離があったり、ライ(地面の状態)が悪くて違うクラブが欲しくなったり…。そのたびにカートに戻っていては、大幅な時間のロスになります。ボール地点へ向かう際は、使用予定のクラブとその前後2〜3番手のクラブ、そしてグリーン周りで使うであろうウェッジやパターなどをまとめて持って、小走りで移動する癖をつけましょう。 - 素振りの回数を制限する
ボールを目の前にすると、不安から何度も素振りをしたくなる気持ちはよく分かります。しかし、アドレス(構え)に入ってからの素振りは、1回、多くても2回までに留めるのがマナーです。何度も素振りをすることは、同伴者をイライラさせるだけでなく、あなた自身のリズムを崩し、考えすぎてしまい、かえってミスショットを誘発する原因にもなります。 - 常に次の準備をしておく(Ready Golf)
プレーファストの核心とも言えるのが、この「レディ・ゴルフ」の考え方です。同伴者がショットの準備をしたり、打ったりしている時間を、決してボーッと待っていてはいけません。その間に、自分のボール位置まで移動し、グリーンまでの距離を計測し、風向きを確認し、どのクラブで打つかを選定し、グローブをはめておく。自分の番が来たら、すぐにショットが打てる状態(Ready)を作っておくことが、組全体のスムーズな進行に直結します。 - 移動は小走りを基本とする
「打つ時は慎重に、移動は迅速に」がゴルフの大原則です。特に林の中に打ち込んだり、チョロをしたりとミスショットをした後は、申し訳なさから下を向いてトボトボ歩きがちですが、これはいけません。そんな時こそ、次の地点まで小走りで移動する姿勢を見せましょう。その姿は、同伴者に対して「進行に配慮しています」という無言のメッセージとなり、「大丈夫、誰にでもあるよ」という温かい雰囲気を作ることにも繋がります。
グリーン上で守るべき3つの作法

18ホールあるコースの中で、最も美しく、そして最もデリケートに整備されている場所。それがグリーンです。パッティングの巧拙を競うだけでなく、ゴルファーの品格が最も表れる場所とも言えます。ここでスマートに振る舞うことができれば、「この人、初心者だけどマナーをよく知っているな」と、同伴者から一目置かれること間違いありません。最低限、以下の3つの作法は必ず覚えて実践しましょう。
- ピッチマークを必ず自分で直す
グリーンにボールが落下した衝撃でできる芝の凹み、これを「ピッチマーク(ボールマーク)」と呼びます。これを放置すると、芝の根が切れてしまい、その部分が枯れて茶色く変色してしまいます。修復には数週間かかることもあり、後続の組のプレーヤーのパッティングにも影響を与えてしまいます。自分のボールが作ったピッチマークは、グリーンフォークを使ってその場で即座に修復する。これは、ゴルファーとして絶対に果たさなければならない責任であり、最も重要なマナーの一つです。正しいピッチマークの直し方
注意したいのは、直し方を間違えると逆に芝を傷つけてしまうことです。グリーンフォークを凹みに刺して、テコの原理でえぐるように持ち上げるのはNG。芝の根が切れてしまいます。正しくは、凹みの周囲の芝にフォークを斜めに刺し、中央に土を寄せるように優しく数回繰り返します。最後に、寄せ集めた芝をパターの底で軽くトントンと叩いて平らにならせば完了です。
- 人のパッティングラインを踏まない
グリーン上では、他のプレーヤーがこれからボールを転がすであろう軌道、すなわち「パッティングライン」を絶対に踏んではいけません。自分の靴跡でライン上の芝がわずかに凹むだけで、ボールの転がりに影響を与えてしまう可能性があるからです。グリーン上を移動する際は、常に自分のボール位置だけでなく、同伴者全員のボールとカップの位置を把握し、それらを結ぶラインを避けて、少し大回りして歩く配慮が必要です。特に、カップの周りを歩く際は細心の注意を払いましょう。 - ピン(旗竿)のスマートな扱い
以前はグリーン上のボールをパッティングする際、ピンを抜かなければペナルティが課せられましたが、2019年のルール改正により、ピンをカップに立てたままパッティングすることが可能になりました。これはプレーファストを促進するための変更です。遠い距離のパットでは、ピンを目標にできるため立てたまま打つ人が多いです。抜くか抜かないかは、同伴者と「ピン、どうしますか?」と声を掛け合って確認するとスムーズですね。もしピンを抜く場合は、グリーンを傷つけないように静かに抜き、グリーンの外にそっと置くのがマナーです。
よくある質問とトラブル対処法

どんなに準備をしても、実際のコースでは予期せぬトラブルや「これってどうすればいいの?」と迷う場面が必ず発生します。ここでは、初心者が特に陥りがちな「よくある質問」とそのスマートな対処法をQ&A形式でまとめました。事前に知っておくだけで、いざという時に慌てず冷静に対応できますよ。
- Q恥ずかしながら、空振りしてしまいました。これって1打になりますか?
- A
はい、残念ながら1打としてカウントします。
とても恥ずかしい瞬間ですが、これはゴルフではよくあることです。ゴルフのルールでは、「ボールを打つ意思を持ってクラブを振った」場合、ボールに当たらなくてもそのスイングは1ストローク(1打)として数えられます。大切なのは、隠したりごまかしたりせず、「あ、空振りしちゃった!これで〇打目です!」と正直に自己申告すること。誰も笑ったりしませんし、その誠実な姿勢が信頼に繋がります。
- Q急いでいたら、人のボールを間違えて打ってしまいました…。どうすればいいですか?
- A
これは「誤球」というルール違反で、2打罰が科せられます。
まず、すぐに同伴者に謝罪しましょう。処置としては、誤球を打ったプレーヤーに2打罰を加え、自分の本来のボールがあった場所に戻って、そこからプレーを再開します。これを防ぐためには、ショットの前に必ず自分のボールであることを確認する癖をつけることが重要です。ボールのブランド名や番号、あるいは自分で付けた印(マジックで点を描くなど)で識別しましょう。
- Q何度挑戦してもバンカーから一発で出ません!もう心が折れそうです…。
- A
進行を優先し、救済措置(アンプレヤブル)を使いましょう。
バンカーは初心者にとって最大の難所かもしれませんね。3回、4回と叩いても出ない場合、自分も辛いですし、プレーの遅延にも繋がります。そんな時は、「アンプレヤブル(プレー不可能)」を宣言するという選択肢があります。1打罰(バンカー内で2回打った場合は2打罰)を払うことで、バンカーの外(ボールとホールを結んだ後方線上など)からプレーを再開できる救済ルールです。プライドは捨てて、進行を優先する勇気も大切です。
- Q林の中でボールが見つかりません。どうなりますか?
- A
3分以内に見つからない場合、「紛失球(ロストボール)」となり、OBと同じ処置になります。
ボールを探せる時間は、ルールで3分以内と定められています。3分探して見つからなければ、紛失球として1打罰を加え、元の場所から打ち直すのが原則です。ティーショットが怪しい場合は、OBの時と同様に「暫定球」を打っておくのが賢明ですね。

完璧なゴルフ初心者コースデビュー準備(まとめ)
ここまで、ゴルフ初心者が最高のコースデビューを飾るための準備について、持ち物や服装といった事前準備から、当日の流れ、マナー、そして最低限覚えておくべきルールまで、網羅的に解説してきました。
たくさんの情報量で少し圧倒されてしまったかもしれませんが、要点をまとめると非常にシンプルです。技術的な不安は、しっかりとした準備で大部分をカバーできるということ。そして、スコアの数字を追い求めるのではなく、周りの人と気持ちよく一日を過ごすための配慮が何よりも大切だということです。
スコアが130でも150でも、全く問題ありません。テキパキとプレーファストを心がけ、元気よく挨拶をし、グリーン上のピッチマークを直し、同伴者を気遣うことができる。そんな初心者は、スコアが良い上級者よりもずっと魅力的ですし、誰からも「ぜひ、また一緒に回りたいな」と思ってもらえるはずです。コースデビューは、単なるスポーツの試合以上の意味を持っています。それは一日をかけて同伴者とコミュニケーションを深める社交の場であり、美しい自然と対話し、そして自分自身の誠実さが試される場でもあるのです。
完璧なドライバーショットを打つ必要はありません。ベタピンのアイアンショットも、長いパットを入れる必要もありません。今のあなたに必要なのは、この記事で紹介してきたような、完璧なゴルフ初心者コースデビュー準備だけです。この準備が、あなたの不安を自信に変え、当日のプレーを心から楽しむための強力な武器となってくれるはずです。さあ、自信を持ってティーグラウンドに立ってください。あなたのゴルフライフの素晴らしい幕開けとなる、忘れられない最高の一日になることを、心から応援しています!




