ゴルフの予定がある日に雨予報が出ると、前日から憂鬱な気分になりますよね。プレー自体の難易度が上がるのはもちろんですが、何より悩ましいのが「レインウェア」の問題です。有名なゴルフブランドのカタログを開けば、上下セットで3万円、4万円といった価格が当たり前のように並んでいます。「年に数回降られるかどうかの雨のために、ドライバー1本分のお金を投資するのは正直きつい…」というのが、我々アマチュアゴルファーの本音ではないでしょうか。
そんな中、ゴルフ場のロッカールームや練習場で最近よく耳にするのが「ワークマン」の名前です。「安いのに性能が凄いらしい」「ゴルフでも全然使えるよ」といった噂を耳にして、気になっている方も多いはず。しかし、同時に「安かろう悪かろうじゃないの?」「作業着っぽくて恥ずかしくない?」という不安も拭えないのが正直なところでしょう。
そこで今回は、19番ホール研究所の私(the19th)が、ワークマンのレインウェアをゴルフ視点で徹底的に解剖します。実際のユーザーの評判から、耐水圧などのマニアックなスペック分析、そして購入前に絶対に知っておくべき「致命的な弱点」まで、忖度なしで解説していきます。レディースゴルファーに向けた情報や、長く使うためのメンテナンス術も網羅しましたので、ぜひ最後までお付き合いください。
- 実際のユーザー評価に基づいたゴルフでの実用性と限界点
- コスパ最強の「イナレム」シリーズなどの詳細スペック比較
- 購入前に絶対に知っておくべきデメリット(ポケット問題)とサイズ選び
- 性能を維持するための正しい洗濯方法と撥水復活テクニック
ワークマンのゴルフ用レインウェアの評判と実力
かつては「職人の店」というイメージが強かったワークマンですが、今や「ワークマン女子」という言葉が流行語になるほど、一般のアウトドアやスポーツシーンに浸透しています。しかし、ゴルフは「紳士のスポーツ」とも呼ばれ、服装には一定のマナーや機能美が求められる世界です。果たして、ワークマンのレインウェアはその高いハードルを越えられるのでしょうか。まずは市場でのリアルな評判と、カタログスペックだけでは見えてこない実力を深掘りしていきます。
ユーザーの口コミとリアルな評価

実際に私の周りのゴルフ仲間や、SNS上のコミュニティでワークマンのレインウェアを使用しているユーザーの声を徹底的にリサーチしてみました。すると、驚くべきことに肯定的な意見が圧倒的多数を占めていることが分かります。
最も多い声は、やはり「圧倒的なコストパフォーマンス」に対する称賛です。「ブランド物のレインウェアを1着買うお金で、ワークマンなら4〜5着買える」「汚れても破れても、この値段なら笑って許せる」といった、精神的なハードルの低さが評価されています。ゴルフにおいて、雨の日はただでさえメンタルが削られるもの。そんな時に「ウェアが汚れたらどうしよう」という余計な心配をしなくて済むのは、スコアメイク以前の大きなメリットと言えるかもしれません。
また、機能面についても「以前使っていた1万円のレインウェアより水を弾く」「蒸れにくさは期待以上だった」という驚きの声が多く聞かれます。特に、突然のスコールや小雨程度であれば、高価なゴルフ専用品と比べても遜色ないパフォーマンスを発揮するというのが、多くのユーザーの共通認識のようです。
イナレムはゴルフにおすすめか検証
ワークマンのレインウェアを語る上で避けて通れないのが、独自開発の透湿防水素材「イナレム(INAREM)」シリーズです。「ムレナイ」を逆から読んだネーミングの通り、この素材は「防水性」と「透湿性(蒸れを逃がす力)」の両立に命を懸けています。
ゴルフというスポーツは、雨の中でも激しく体を捻転させたり、数キロの距離を歩いたり走ったりするため、レインウェア内部は想像以上に高温多湿になります。従来の安価なビニール合羽では、雨は防げても自分の汗でビショビショになる「内部結露」が避けられませんでした。しかし、イナレムはこの課題を見事にクリアしています。
特に私がゴルフにおすすめしたいのが、「イナレム プレミアム レインジャケット」です。このモデルには、ゴルフ専用の高級レインウェアによく見られる袖を取り外して半袖にできる「2WAY(デタッチャブル)機能」が搭載されています。夏の蒸し暑い雨の日、長袖のレインウェアを着てプレーするのは地獄のような苦行ですが、袖を外して半袖になれるだけで快適性は天と地ほどの差があります。これを税込4,900円という価格帯で実現してしまったのは、正直なところ「価格破壊」と言って差し支えないでしょう。
さらに、ゴルフのスイングにおいて最も重要な「ストレッチ性」についても検証が必要です。イナレムシリーズの多くはストレッチ素材を採用しており、テークバックで背中が突っ張ったり、フィニッシュで肩周りが窮屈になったりするストレスを最小限に抑えています。実際に試着して素振りをしてみると分かりますが、生地が体の動きに合わせて伸縮してくれるため、スムーズに振り抜くことができます。
防水性能と耐水圧のスペック詳細
レインウェアの性能を客観的に判断するための指標として、「耐水圧」と「透湿度」という2つの数字があります。ワークマンのゴルフ向け主要モデルのスペックを、分かりやすく整理してみましょう。
| 製品名 | 耐水圧 (mm) | 透湿度 (g/m²/24h) | 主な特徴・ゴルフ適性 |
|---|---|---|---|
| イナレム プレミアム | 20,000 | 25,000(公称) | 袖着脱可(2WAY)、動きやすさ重視。今のところ最強候補。 |
| イナレム ストレッチ | 20,000 | 25,000(公称) | 上下セットで高コスパ。4WAYストレッチでスイングも楽。 |
| フィールドコア | 5,000〜10,000 | 2,000〜 | 小雨や防風対策向き。本格的な雨ゴルフにはやや不安あり。 |
まず注目すべきは「耐水圧20,000mm」という数値です。一般的に、小雨程度なら耐水圧5,000mm、普通の雨なら10,000mmあれば十分とされていますが、20,000mmは「嵐」にも耐えられるレベルの数値です。ゴルフにおいては、単に雨に打たれるだけでなく、濡れたカートのシートに座った際に体重による高い圧力がかかります(これを座圧と言います)。耐水圧が低いウェアだと、座った瞬間に水がお尻に染み込んでくる悲劇が起きますが、20,000mmあればそのリスクは大幅に軽減されます。
次に「透湿度」ですが、イナレムの公称値25,000g/m²/24hは、登山用などのハイエンドモデルに匹敵する数値です。ただし、一部の検証データでは実測値がこれより低いという報告もあるため、数字を鵜呑みにするのは危険かもしれません。とはいえ、背中にベンチレーション(通気口)を設けるなどの物理的な工夫も施されており、実際の着用感としては「ベタつきにくく快適」という評価が定着しています。
レディース用レインウェアの特徴

近年、ゴルフ場では女性プレーヤーの姿が目立って増えてきました。それに伴い、ワークマンでも「ワークマン女子」店舗を中心に、レディース向けのレインウェアラインナップを強化しています。女性ゴルファーの場合、単なる防水機能だけでなく、シルエットの美しさやカラーリング、そして着脱のしやすさが重要な選定基準となります。
ワークマンのレディースレインウェアの特徴は、「スタイルを崩さない美しいシルエット」にあります。従来の男女兼用カッパのようなダボっとした袋のような形状ではなく、ウエストラインを絞れるドローコードが付いていたり、パンツがテーパードシルエットになっていたりと、レインウェアを着ても野暮ったくならない工夫が随所に見られます。カラーバリエーションも、ベージュ、ピンク、ライトパープルといったパステルカラーが展開されており、雨の日のどんよりとした気分を明るくしてくれます。
機能面で特筆すべきは、「レディースレインジャケット ストレッチ パーフェクト」などに採用されている全方向ストレッチ素材です。女性は男性に比べて柔軟性が高いスイングをする方が多いため、ウェアの突っ張りは大きなストレスになります。このモデルは驚くほど伸び縮みするため、深い捻転をしてもストレスフリーです。
また、スカート派の女性ゴルファーには、お尻まですっぽり隠れる「高撥水フーデッドロングレイン」のようなコートタイプが強く支持されています。カートの座面が濡れていてもお尻が濡れるのを防げますし、肌寒い時期には防寒アウターとしても優秀です。足元の濡れを防ぐために、レッグカバーと組み合わせれば、最強の雨対策コーディネートが完成します。
安いけどおしゃれなデザイン性
「ワークマンって、結局は作業着なんでしょ?」というイメージを持っている方がいたら、今の店舗に行くと腰を抜かすかもしれません。現在のワークマン製品、特に「フィールドコア(FieldCore)」シリーズなどは、アウトドアブランドやスポーツブランドと見紛うほどのデザイン性を獲得しています。
ゴルフ場のクラブハウスに入る際、あまりにも「現場感」の強いカッパを着ていると、ドレスコード的に(あるいは雰囲気的に)浮いてしまうのではないかと心配になりますよね。しかし、最新のモデルはロゴが目立たない位置に配置されていたり、マッドな質感のアースカラーを採用していたりと、非常に洗練されています。これなら、クラブハウスのロビーで羽織っていても違和感はありません。
また、このデザイン性の高さは「ゴルフ以外での使い回し」を可能にします。例えば、普段のランニングやウォーキング、犬の散歩、あるいはキャンプや釣りといったアウトドアレジャーでもそのまま使えます。ゴルフ専用の高価なレインウェアだと「汚したくない」という心理が働いて普段使いを躊躇してしまいますが、ワークマンの価格とデザインなら、365日あらゆるシーンでガシガシ使い倒すことができます。
ワークマンでゴルフのレインウェアを選ぶ重要点
ここまでワークマンの良い点を中心にお話ししてきましたが、ここからは少しトーンを変えて、シビアな現実をお伝えしなければなりません。実際に購入して、いざコースで使ってみてから「しまった!」と後悔しないために、ワークマン製品特有の「落とし穴」や、失敗しない選び方を徹底解説します。ここがこの記事の核心部分かもしれません。
スルーポケットがないデメリット

結論から申し上げます。ゴルフ専用のレインウェアとワークマン製品を比較した際、最も決定的な違いであり、最大のデメリットとなるのが「スルーポケット(貫通ポケット)の欠如」です。
ゴルフをしたことがある方なら分かると思いますが、プレー中はズボンのポケットに様々な小物を収納します。予備のボール、ティー、マーカー、グリーンフォークなどです。ゴルフメーカーが作るレインパンツには、レインウェアを履いたまま、中のズボンのポケットに手が届く「貫通穴(スルーポケット)」が必ずと言っていいほど付いています。しかし、ワークマンのレインパンツの多くには、この機能が付いていません。
これがどういう事態を招くか想像してみてください。雨の中、ティーアップしようとしてティーを取り出す際、いちいちレインパンツのウエストゴムを下げて中のズボンを探るか、あるいはレインパンツ自体のポケットに全ての小物を移し替える必要があります。前者は面倒ですし、後者は濡れた手でポケット内を触るため、ポケットの中がビショビショになります。プレーのリズムを崩す原因にもなりかねません。
サイズ感と失敗しない選び方
次に多い失敗談が「サイズ選び」です。ワークマンの製品、特に「フィールドコア」などのカジュアルラインは、スタイリッシュに見せるためにかなり細身(スリムシルエット)に設計されている傾向があります。
ここで重要なのは、レインウェアはあくまで「オーバーウェア(重ね着)」であるという点です。普段Tシャツの上に着るサイズ感で選んでしまうと、ポロシャツやセーターの上から着た瞬間にパツパツになります。ゴルフのスイングは、肩周りや背中の生地に少しでも突っ張りがあると、可動域が制限されてミスショットに直結します。「体が回らない」状態になるのです。
私の経験則から言うと、ゴルフ用として選ぶなら「普段よりワンサイズ、冬場も考えるならツーサイズ大きめ」を選ぶのが鉄則です。例えば、普段Lサイズを着ている方なら、LLサイズ、あるいは3Lサイズを検討してください。「大きすぎるとダボついて邪魔になるのでは?」と心配されるかもしれませんが、最近のモデルは袖口やウエストにアジャスター(調整機能)が付いているものが多いので、多少大きくても絞って調整すれば問題ありません。
もし店舗で試着ができるなら、ただ着て鏡を見るだけでなく、その場で必ず「エアスイング」をしてみてください。トップの位置まで腕を上げた時、背中が突っ張らないか。フィニッシュまで振り切った時、肩周りが窮屈でないか。ここをチェックするだけで、購入後の後悔は激減します。
上下セットなど最強モデルを紹介

「じゃあ、結局どれを買えばいいの?」という声にお応えして、現在のラインナップの中から、私が自信を持っておすすめできる「ゴルフ最強モデル」をピックアップしました。
1. イナレム プレミアム レインジャケット (NRP002)
現時点で、ゴルフ利用における最適解はこれです。先述した通り、袖が取り外せる2WAY仕様は、夏場のゴルフにおいて圧倒的なアドバンテージになります。生地の質感も安っぽさがなく、ストレッチ性も抜群。パンツは別売りになっていることが多いですが、同シリーズのパンツと合わせれば、総額でも1万円以下でプロ仕様に近いセットアップが完成します。色もアスリートっぽい赤や青、落ち着いた黒などが選べます。
2. イナレム ストレッチ レインスーツ (NR001)
「とりあえず安く、上下セットで揃えたい」という方には、こちらのモデルがベストバイです。税込4,900円で上下が揃い、耐水圧20,000mm、透湿度25,000g/m²/24hというハイスペックを誇ります。名前の通りストレッチ性が高く、特にパンツの動きやすさには定評があります。キャディバッグのポケットに常備しておく「お守り」としても最適です。
長持ちさせる洗い方と洗濯方法
レインウェアに関して、多くの人が誤解していることがあります。それは「洗うと撥水効果が落ちるから、なるべく洗わない方がいい」という都市伝説です。断言します。これは完全な間違いです。むしろ、洗わないことこそがレインウェアの寿命を縮める最大の原因なのです。
レインウェアの表面には、水を弾くための「撥水基」という微細な柱のような構造があります。また、生地の内部には湿気を逃がすための小さな穴が開いています。着用して汗をかいたり泥がついたりすると、これらの構造が汚れで覆われてしまい、水弾きが悪くなり、透湿性も失われます。つまり、使用後は必ず洗濯して汚れを落とす必要があるのです。
正しい洗濯方法は以下の通りです。
- ファスナーやベルクロを全て閉じる。
- 洗濯ネットに入れ、中性洗剤を使用する(柔軟剤や漂白剤は撥水機能を破壊するので絶対NG)。
- 洗濯機の「手洗いコース」や「ドライコース」などの弱水流で洗う。
- 洗剤が残らないよう、すすぎは念入りに行う。
- 風通しの良い日陰で吊り干しする。
そして、ここからがプロのメンテナンス術です。洗濯して乾かした後、「熱を加える」ことで撥水性が劇的に復活します。寝てしまった撥水基を熱で再び立ち上がらせるのです。具体的には、低温設定のアイロンをあて布をして掛けるか、ドライヤーの温風を当てる、あるいは乾燥機(低温)にかけるのが有効です。このひと手間を加えるだけで、ワークマンのレインウェアは何倍も長持ちします。
冬の防寒対策とイージスの活用

最後に、冬のゴルフについての特別な提案です。冬の雨ゴルフは、寒さとの戦いでもあります。気温5度の中で雨に打たれれば、体感温度は氷点下になり、体は思うように動きません。そんな過酷な環境下では、透湿性よりも「絶対的な防寒・防水」を優先すべきです。
そこで活躍するのが、ワークマンの代名詞でもある「イージス(AEGIS)」シリーズです。元々はバイクライダー向けに開発されたこのシリーズは、時速60kmで雨の中を走行しても濡れない防水性と、真冬の寒風を遮断する防風性を備えています。特に中綿やダウンが入った「イージス フュージョンダウン」などのモデルは、まさに「着る暖房兼カッパ」です。
ゴルフウェアとしては少々モコモコしてスイングしにくいという欠点はありますが、寒さで震えてスイングどころではなくなるリスクを考えれば、イージスの暖かさは強力な武器になります。動きやすさを少し犠牲にしてでも、暖かさを確保したい真冬のラウンドには、イナレムではなくイージスを選ぶ。この使い分けができるようになれば、あなたはもうワークマンマスターです。
ゴルフ用レインウェアにワークマンを選ぶ結論
ここまで長々と解説してきましたが、結論としてワークマンのレインウェアはゴルフ用としてどうなのか。私の答えは、「間違いなく買い」です。
もちろん、スルーポケットがない、サイズ選びが難しいといったデメリットは存在します。予算に余裕があり、最高の快適性とブランドステータスを求めるなら、迷わず数万円のゴルフ専用品を買うべきでしょう。しかし、「雨の日はなるべくやりたくない」「年に数回しか着ないウェアにお金をかけたくない」という大多数のアマチュアゴルファーにとって、ワークマンは救世主のような存在です。
5,000円でプロスペック並みの防水性が手に入り、浮いた数万円の予算を新しいウェッジやドライバー、あるいは次回のプレー代に回すことができる。これこそが、ワークマンを選ぶ最大のメリットではないでしょうか。ぜひ、あなたもワークマンのレインウェアをキャディバッグに忍ばせて、雨の日でも笑顔でナイスショットを放ってください。



