スピーダーNXブルーに合うヘッド徹底分析!失敗しない組み合わせ

スピーダーnxブルーに合うヘッド Column

ゴルフ歴20年、ギアを愛してやまない40代サラリーマンゴルファーの私が、今なお絶大な人気を誇るシャフトについて深掘りします。スピーダーnxブルーに合うヘッドをお探しの皆さんは、きっと飛距離アップや方向性の安定を求めて、振動数や評価を熱心に調べていることでしょう。特にベンタスブルーとの比較や、女子プロがこぞって採用する理由も気になるところですよね。この記事では、私が実際に打って感じたインプレッションと、最新の技術データを交えながら、あなたのエースドライバー候補を見つけるお手伝いをします。

  • スピーダーNXブルーの特性と飛距離性能の秘密
  • 主要メーカーのヘッドとの具体的な相性と評価
  • ヘッドスピードに応じた最適なスペックの選び方
  • 他モデルやベンタスシリーズとの違いと選び分け
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スピーダーNXブルーに合うヘッドの特性とメーカー別分析

スピーダーnxブルーに合うヘッド

発売から時間が経っても色褪せない人気を誇るNXブルーですが、その理由は一体どこにあるのでしょうか。単なる「青いシャフト」として片付けるわけにはいきません。ここでは、シャフト自体の基本性能を数値の面から紐解きつつ、現在市場で人気のドライバーヘッドと組み合わせた際にどのような化学反応が起きるのか、私の実体験と膨大な試打データ分析をもとに、マニアックな視点で詳しく解説していきます。

スピーダーNXブルーの振動数と硬さのデータ

まず、シャフト選びの最初の一歩であり、かつ最も誤解を生みやすい「硬さ」と「振動数」について、徹底的にメスを入れていきましょう。スピーダーnxブルーの振動数は、多くのゴルファーが検索し、気にされるポイントですが、表示される数値だけを見て判断すると、自分に本当に合うスペックを見誤る可能性があります。なぜなら、このシャフトには数値には表れない「マジック」が隠されているからです。

具体的なデータを見てみましょう。一般的な45.25インチ合わせでの計測データを紐解くと、50Sで約254cpm前後、60Sで約264cpm前後という数値が出てきます。ゴルフギアに詳しい方ならお気づきかもしれませんが、この数値は、実はあのPGAツアーで猛威を振るうハードヒッター向けシャフト「ベンタスブルー(Velocore)」と非常に近い値なんです。手元側の剛性はしっかり確保されており、数値上は決して「軟弱なシャフト」ではありません。「アベレージ向けだから柔らかいだろう」と思って振ると、そのしっかり感に驚かされるはずです。

しかし、ここで面白い現象が起きます。数値上はベンタス並みにしっかりしているのに、実際にワッグルしてみたり、スイングしてみたりすると、NXブルーの方が圧倒的にマイルドで滑らかに感じるのです。これこそが、フジクラマジック。秘密は「中間部の剛性」にあります。手元と先端はしっかり硬めてあるものの、中間部を意図的に滑らかにしならせる設計になっているため、切り返しでシャフトがスッと入り、タイミングが取りやすいのです。これが「数値はしっかり(=暴れない)、振り心地はスムーズ(=やさしい)」という独特のフィーリングを生み出しています。

振動数と実際の振り心地のギャップ

多くのゴルファーが陥る罠がここにあります。「振動数が高い=硬くて振れない」とは限りません。NXブルーのように、剛性分布(EIカーブ)にメリハリがあるシャフトは、振動数が高く出ても、人間が感じる「しなり感」は十分に確保されているケースが多いのです。

私の体感インプレッション:
私(HS44m/s)が50Sを振った時、ワッグルでは「おっ、意外とシャキッとしてるな」と感じましたが、いざ打ってみるとインパクトゾーンで素直にしなり戻り、ボールを拾ってくれる感覚がありました。まさに「剛と柔」の共存です。

私のようなヘッドスピード42〜45m/s前後のサラリーマンゴルファーにとって、このバランスは絶妙です。最近流行りの「軽硬(カルカタ)」トレンドにもマッチしますが、ガチガチの棒ではないため、冬場の朝イチでも安心して振っていけます。軽すぎて頼りないわけでもなく、硬すぎてタイミングがシビアなわけでもない。まさに多くの日本人ゴルファーにとっての「ど真ん中」のストライクゾーンを射抜いている感覚ですね。スペック選びの際は、振動数の数値にビビらず、まずは50Sから試打してみることを強くおすすめします。

評価が高いNXブルーの飛距離性能とVTC

NXブルーがこれほどまでに評価され、多くのヘッドに合うと言われる最大の理由は、フジクラ独自のテクノロジー「VTC(Variable Torque Core)」にあります。これ、単なるマーケティング用語だと思っていませんか?実は、シャフト設計の歴史における「パラダイムシフト」とも言える革命的な技術なんです。ここを理解すると、なぜNXブルーが飛ぶのか、その理屈が完全に腑に落ちます。

従来のシャフト作りでは、シャフトの「硬さ(曲げ剛性)」と「ねじれ(トルク)」はトレードオフの関係にありました。先端を硬くして当たり負けを防ごうとすれば、必然的にトルクも絞られて遊びがなくなり、ガチガチになってしまう。逆に、手元を緩めて振りやすくしようとすれば、トルクが増えてねじれやすくなり、安定感が損なわれる。これが物理的な常識でした。

しかし、NXブルーはこの常識を覆しました。VTC技術により、カーボン繊維の積層構成を部分ごとに緻密に制御することで、「中間部を緩めて振りやすくしつつ、先端と手元のトルクだけをギュッと締める」という、一見矛盾する特性を実現したのです。これにより、スイング中はシャフトが綺麗にしなってエネルギーを溜め込み、インパクトの瞬間には先端の高いねじれ剛性がヘッドのブレを鉄壁のガードで防ぐ、という理想的な挙動が可能になりました。

VTCがもたらす2つのメリット

1. 中間部のしなやかさによる「間」:
中間部のトルクと剛性を適度に緩めることで、切り返しで自然な「タメ」が生まれます。これにより、力みやすいアマチュアでもスムーズなスイング軌道を描きやすくなります。

2. 先端の剛性とトルクの締めによる「初速アップ」:
ここが重要です。ENSO(3次元モーションキャプチャ)の解析データによれば、先端のトルクを締めることで、インパクト時のフェースの開閉挙動が安定し、アッパーブローになりすぎず、適切なロフトでインパクトできることが証明されています。(出典:フジクラシャフト公式『SPEEDER NX BLUE 製品情報』

この技術のおかげで、スムーズに振れるのにインパクトでは「カチッ」と戻ってくる感覚が得られます。結果として、打点のズレによるフェースのブレが抑えられ、ボール初速と打ち出し角が向上します。「振りやすさ」と「強弾道」を両立している点が、NXブルーの飛距離性能の核心だと言えるでしょう。実際にコースで打つと、芯を少し外しても「あれ?思ったより飛んでるし曲がってない」という現象が頻発します。これこそがVTCの恩恵であり、スコアメイクに直結する性能なのです。

テーラーメイドQi10とNXブルーの相性

スピーダーnxブルーに合うヘッド

さて、ここからは具体的なヘッドとの相性分析です。まずはテーラーメイド。特に最新の「Qi10 MAX」のような高慣性モーメント(10K)ヘッドとのマッチングは、個人的に【Sランク】評価を与えたい組み合わせです。テーラーメイドのヘッドは伝統的に、ある程度シャフトで球を捕まえたり、高さ出したりする必要があるケースが多かったですが、Qi10シリーズに関しては少し事情が異なります。

Qi10 MAXは、上下左右の慣性モーメント合計が10,000g・cm²を超えるモンスターヘッドです。重心距離が長く、ヘッド自体が巨大なエネルギーを持っているため、一度動き出したら止まらない、逆に言えば一度ブレたら戻らないという特性があります。そのため、先端が動きすぎる「走り系」シャフトだと、ヘッドの重さとパワーにシャフトが負けてしまい、トウダウン(ヘッドの先が落ちる現象)が起きたり、フェースが戻りきらずに右へプッシュアウトしたりするリスクがあります。

ここでNXブルーの出番です。NXブルーの高い先端剛性と締まったトルクは、この10Kヘッドの強大なエネルギーをしっかりと受け止める「防波堤」の役割を果たします。ヘッドが勝手に暴れようとするのを、シャフトが「待て待て」と制御してくれるイメージです。

モデル 相性評価 特徴とメリット
Qi10 MAX S 10Kヘッドのブレをシャフトが抑制。高打ち出し&低スピンの棒球でキャリーとランが伸びる。純正シャフトでは頼りない層にベストマッチ。
Qi10 (ノーマル) A+ 操作性と寛容性のバランスが良い。NXブルーを入れることで左右の散らばりが収まり、ドロー・フェードが打ち分けやすい。ドロップにも強い。
Stealth 2 Plus A 左に行きにくいフェード仕様。ハードヒッターが60S/60Xで叩いても左を消せる競技志向の組み合わせ。

Qi10 MAXにNXブルーを挿すと、純正シャフトで感じがちな「インパクトでのぼやけ感」や「当たり負け感」が消え、ヘッドの挙動がビシッと安定します。特に50Sあたりを選ぶと、軽量感を保ちつつもしっかり叩けるので、飛距離と安定性が欲しいアベレージゴルファーには最高のパートナーになるはずです。実際に私が試打した際も、Qi10 MAX × NXブルー 50Sの組み合わせは、まるでオートマチック車を運転しているかのようなイージーさで、真っ直ぐ高い弾道を連発できました。

キャロウェイパラダイムとNXブルーの適合性

続いてキャロウェイの「パラダイム Ai Smoke」シリーズです。AIスマートフェースによるミスヒットへの強さが特徴ですが、NXブルーと組み合わせることで、その「実戦力」がさらに強化されます。キャロウェイのヘッドは、テーラーメイドに比べて比較的「捕まりが良い」傾向にありますが、この特性とNXブルーのニュートラルな挙動がどう噛み合うかがポイントです。

特に「Ai Smoke MAX」との組み合わせは、打点のズレを無効化するような安心感があります。Aiスマートフェースは、フェースの各部がマイクロディフレクション(小さなたわみ)を起こしてスピンや打ち出しを補正しますが、シャフトの先端が暴れてしまうと、せっかくのフェースの補正機能が台無しになってしまいます。NXブルーは先端が暴れないため、フェースの微細なたわみ効果を邪魔せず、シャフト自体の余計なねじれを排除してくれます。要は「ヘッドの仕事を邪魔しない名脇役」になれるのです。

実際にコースで打ってみると、トウ側やヒール側に当たった時でも、「あ、ミスった」という感触の割に、ボールはフェアウェイの幅に収まっていることが多いです。何発打ってもキャリーが揃う驚異的な安定性を感じました。平均飛距離を底上げしたい方にはもってこいです。

トリプルダイヤモンドとの組み合わせについて

低スピンモデルの「◆◆◆(トリプルダイヤモンド)」にNXブルーを合わせると、強烈なライナー弾道になります。ただし、ヘッドも捕まりにくく、シャフトも左に行きにくい(先端が走って捕まえてくれるわけではない)特性を持つため、右へのすっぽ抜け(プッシュアウト)には注意が必要です。ある程度自分でボールを捕まえられる技術がある方にとっては、一発の飛びが期待できる「ロースピンボンバー」になりますが、スライサーの方は手を出さない方が無難でしょう。

ピンG430とNXブルーの組み合わせ評価

最後にPINGです。「重いヘッド」で知られるG430シリーズですが、NXブルーはその重さをしっかりと支えきれるポテンシャルを持っています。実はPINGユーザーにこそ、強くおすすめしたいシャフトの一つです。PINGの純正シャフト(ALTA J CBなど)はカウンターバランス設計になっており、ヘッドの重さを感じさせない工夫がされていますが、カスタムシャフトであるNXブルーを入れると、ヘッドの重みをダイレクトに感じやすくなります。

特に「G430 MAX 10K」との相性は抜群で、まさに「曲がらないの極致」へ到達します。純正シャフトではヘッドの重さに負けてシャフトがしなりすぎてしまい、タイミングが取りづらいと感じる方でも、NXブルー(特に50Sや60S)に変えることで、ヘッドの挙動が手元で感じ取れるようになり、コントロール性が向上します。VTCによる先端の剛性が、PINGの高MOIヘッド特有の「重厚なインパクト」に負けず、エネルギーを余すことなくボールに伝えてくれるからです。

また、低スピンモデルの「LST」と組み合わせると、スピン量がさらに抑えられ、風に負けない強弾道が打てます。私の感覚では、G430のヘッド重量を利用してゆったり振るタイプの方には、NXブルーのマイルドなしなりと先端の強さが最高にマッチすると感じました。「重さを利用してドーンと打つ」というPING本来の飛ばし方が、NXブルーによってさらに洗練されるイメージです。フェアウェイキープ率を上げたいなら、この組み合わせは外せません。

スピーダーNXブルーに合うヘッドを見つける選び方

スピーダーnxブルーに合うヘッド

ここまで主要メーカーとの相性を見てきましたが、実際に購入を検討する際にはスペック選びや他モデルとの比較で迷うことも多いでしょう。「本当に自分に扱えるのか?」「後継モデルの方が良いのではないか?」という不安を解消するために、ここでは失敗しないための具体的な選び方の指針をお伝えします。

NXブルーとグリーンやブラックの違いを比較

NXシリーズにはブルーの他にも「グリーン」「ブラック」、そして最新の「バイオレット」が存在します。これらは単なる色違いではなく、明確な性格の違いがあります。店頭で試打する際も、何が違うのかを理解していないと混乱してしまいます。「なぜ今、あえてブルーなのか」をはっきりさせるために、それぞれの違いを整理しましょう。

モデル キックポイント 特性を一言で ブルーとの比較・選び分け
NX BLUE 中調子 ニュートラル&高初速 最も癖がなく、万人に合う。基準となるモデル。しなりを感じてタイミングを取りたい人に。
NX GREEN 中調子 手元硬め&強弾道 ブルーより手元が硬く、全体的にシャープ。「叩ける」シャフト。ブルーが頼りなく感じるパワーヒッター向け。
NX BLACK 先中調子 先端高剛性&捕まり 先端が走るのではなく、手元が緩んでヘッドが返る。ブルーより捕まりが良い。右へのミスを消したい人に。
NX VIOLET 中調子 超・高初速&低スピン 最新技術DHX搭載。ブルーの進化版だが、よりシャープで硬質。ブルーのマイルドさが不要な人に。

私がブルーを推す理由は、その「圧倒的なニュートラルさ」にあります。変な癖がないため、スイングの良し悪しがそのまま結果に出やすく、長期的に見て上達を助けてくれるシャフトだからです。例えば、グリーンは手元が硬いため、切り返しで力むと棒のように感じてしまうことがあります。ブラックは独特の挙動で好みが分かれます。対してブルーは、良い意味で「普通」であり、どんなスイングタイプでも及第点以上の仕事をしてくれます。「グリーンだと硬すぎてしんどい」「ブラックだと捕まりすぎて左が怖い」という方には、間違いなくブルーが最適解になります。

ベンタスブルーとNXブルーの関係性を解説

「NXブルーはベンタスのやさしい版」という噂を聞いたことはありませんか?これ、あながち間違いではありません。先ほど触れたように振動数や手元剛性はベンタスブルー(Velocore)に近いのですが、決定的な違いは「中間部のマイルドさ」にあります。ここがアマチュアにとっての生命線です。

ベンタスブルーはPGAツアープロが愛用するだけあって、全体的に剛性が高く、ある程度のヘッドスピードとパワー(具体的にはHS46m/s以上)がないと、シャフトをしならせることができず、ただの硬い棒になってしまいます。無理してベンタスを使うと、頑張って振ろうとして力みが生じ、結果としてミート率が下がってしまう…という「見栄っ張りゴルファーの悲劇」が起こりがちです。

一方、NXブルーは中間部がスムーズにしなるよう設計されているため、HS40〜45m/s前後の一般的なアマチュアでもシャフトの恩恵を十分に受けられます。しなりを感じられるからこそ、リラックスして振ることができ、結果としてヘッドスピードも上がります。「ベンタスのブランド力や安定感には憧れるけど、オーバースペックで扱いきれない」という層にとって、NXブルーはまさに救世主。見栄を捨ててNXブルーを選んだ方が、結果的に飛んで曲がらないという現実は、多くのフィッティング現場で証明されています。

どっちを選ぶべき?判断基準

ベンタスブルーを選んでいい人:
HS46m/s以上あり、左へのミス(チーピン)をとにかく消したいアスリート。スピン量が多くて吹き上がる人。

NXブルーを選ぶべき人:
HS40〜45m/s前後で、ベンタスのような先端の安定感は欲しいが、もう少し楽に球を上げたい・捕まえたい人。冬場や疲れた時でも安定して飛ばしたい人。

ヘッドスピード別NXブルーの推奨スペック

自分に合うスペックを選ぶことは、ヘッド選び以上に重要かもしれません。「スピーダーnxブルーに合うヘッド」を見つけたとしても、スペック選びを間違えれば、その性能は50%も発揮できないからです。私の20年のゴルフ経験と、周囲のゴルファーの失敗例、そして成功例を照らし合わせ、ヘッドスピード(HS)別におすすめのスペックを徹底解説します。

まず大前提としてお伝えしたいのは、「見栄を張ってオーバースペックにしないこと」です。NXブルーは振動数以上にしっかりしたシャフトです。「普段60Sだから」と安易に選ぶと、思わぬ落とし穴にハマることがあります。

【HS 40〜42m/s】 50R / 50SR で「しなり」を最大活用

一般的なアマチュアゴルファーのボリュームゾーンであるこの層。ここで「男は黙ってSフレックス」と50Sや60g台を選んでしまう方が非常に多いのですが、私はあえて「50R」または「50SR」を強く推奨します。

なぜなら、NXブルーの50R(振動数約235cpm前後)は、決して頼りない「フニャフニャ」なシャフトではないからです。VTC技術により先端剛性が高められているため、Rフレックスであってもインパクトでの当たり負けがありません。むしろ、Rを選ぶことで中間部が適切にしなり、切り返しでの「間」が生まれ、ヘッドスピードが自然と上がります。

このスペックが合うヘッドの傾向

Ping G430 MAX HL(ハイローンチ)や、軽量化されたグローレ系ヘッドとの相性が抜群です。シャフトでしっかりと球を上げ、ヘッドの寛容性で曲がりを抑える。この組み合わせなら、キャリー不足に悩むスライサーでも、見違えるようなハイドローが打てるようになります。

【HS 43〜45m/s】 50S / 60SR が「黄金スペック」

私自身もこのゾーン(HS44m/s前後)にいますが、ここが最もNXブルーの良さを引き出せる「ど真ん中」のターゲット層です。選択肢は「50S」または「60SR」となります。

昨今のドライバーヘッドは200g前後と重くなっているため、振り抜きを重視するなら「50S」がベストバランスです。振動数254cpm前後の50Sは、ベンタスブルー5Sに近いしっかり感がありながら、素直なしなり戻りでボールを弾き飛ばしてくれます。一方、手打ちを矯正したい、あるいはゆったりとしたテンポでボディターンで打ちたい方は、重量フローを考慮して「60SR」を選ぶのも非常に通な選択です。

推奨ヘッドとのマッチング:
キャロウェイ Ai Smoke MAXやタイトリスト GT2など、現代のスタンダードなヘッドに合わせるなら、まずは50Sから試打してください。「軽・硬」トレンドの恩恵を受け、後半のホールでも疲れずに振り切れるはずです。

【HS 46m/s以上】 60S / 60X で「左」を完全封鎖

パワーヒッターのあなたには、シャフトがスイング中の負荷に負けないよう、「60S」または「60X」が必要です。特に60Xは振動数が270cpm前後に達し、プロユースにも十分に耐えうる剛性を持っています。

このレベルのヘッドスピードになると、懸念事項は「スピン過多による吹け上がり」と「チーピン」です。NXブルーの60Xは、中間部のしなりでタイミングを取りつつも、インパクト付近では鉄の棒のような安定感を発揮し、フェースの被りを抑制します。ベンタスブラックだと捕まらなくて右に滑るが、NXブルーなら適度な捕まり感(ニュートラル)を維持したまま、左へのミスを消すことができます。

HS目安 推奨スペック 振動数(cpm) 狙い
40〜42m/s 50 R / SR 235〜240 しなり活用・高弾道
43〜45m/s 50 S / 60 SR 250〜255 振り抜き・安定性両立
46m/s以上 60 S / X 265〜270 左消し・叩ける安心感

女子プロが選ぶNXブルーのセッティング

スピーダーnxブルーに合うヘッド

スピーダーNXブルーの優秀さを語る上で、女子プロゴルファーの使用実績を避けて通ることはできません。発売直後、国内女子ツアー(JLPGA)での使用率No.1を獲得し、西村優菜プロや吉田優利プロなど、名だたるトッププロたちがこぞってNXブルーを採用して優勝を重ねました。

なぜ、彼女たちはNXブルーを選んだのでしょうか?ここに、我々アマチュアが参考にすべき「スコアメイクの神髄」が隠されています。

1. 男子プロではなく、女子プロを参考にすべき理由

我々アマチュア男性ゴルファーのヘッドスピード(40〜45m/s)は、実は男子プロ(50m/s超)よりも、女子プロの平均値と非常に近いです。男子プロが使う「ベンタスブラック」や「TRレッド」のようなハードスペックは、彼らの常人離れしたパワーがあって初めて機能するものです。

対して女子プロは、限られたパワーを効率よくボールに伝え、かつ1ヤード単位の正確性を求めています。彼女たちが選ぶギアこそが、我々にとっての「リアルな正解」なのです。

2. 「縦距離のバラつき」を抑える性能

プロの試合で最も致命的なのは、左右の曲がりもさることながら、「飛びすぎ」や「ドロップ」による縦距離のミスです。グリーンを狙うショットで、予期せぬフライヤーや失速が起きれば、即ボギーやダブルボギーに直結します。

NXブルーのVTC技術による「先端剛性の高さ」は、インパクトロフトを一定に保つ効果があります。これにより、スピン量が安定し、何発打っても同じ高さ、同じキャリーが揃うようになります。女子プロたちが求めたのは、一発の最大飛距離ではなく、この「計算できる安定性」だったのです。

プロのトレンド移行について

最近では、より強い弾道を求めて「NXグリーン」や、初速特化の「NXバイオレット」へ移行するプロも増えています。しかし、これはNXブルーの性能が劣ったからではありません。「スピンをもっと減らしたい」「もっと打ち出しを低くしたい」という、個々の課題に特化した結果です。
逆に言えば、特定の悩みがない限り、最もバランスが良く、大崩れしないのは依然としてNXブルーです。スイングの調子が良い日も悪い日も、常に80点のショットを約束してくれる。そんな「懐の深さ」が、女子プロを支え、そして我々アマチュアを助けてくれるのです。

スピーダーNXブルーに合うヘッドの総括

ここまで、スピーダーNXブルーに合うヘッドについて、技術的な裏付けや具体的なモデル、そしてスペック選びに至るまで徹底的に分析してきました。長くなりましたが、最後にこのシャフトの本質をまとめたいと思います。

NXブルーは、「ヘッドの個性を邪魔せず、そのポテンシャルを120%引き出す」という、黒子にして最強のパートナーです。決して派手な動きをするシャフトではありませんが、あなたのスイングの意思をヘッドに正確に伝え、ヘッドの機能を余すことなくボールに伝達します。

あえて「合うヘッド」の勝ちパターンを3つに絞るなら、以下の通りです。

NXブルーと合わせるべき「3つの勝ち筋」

  1. 高慣性モーメント(10K)ヘッドとの融合
    • 代表例:TaylorMade Qi10 MAX, Ping G430 MAX 10K
    • 効果:シャフトがヘッドの暴れを止め、究極の直進性を実現。オートマチックに真っ直ぐ飛ばしたい人に。
  2. 低スピン系ヘッドの実戦力強化
    • 代表例:Callaway Ai Smoke ◆◆◆, Ping G430 LST
    • 効果:当たり負けを防ぎつつ、適度な捕まりと高さを付与。ピーキーなヘッドを「使える武器」に変えたい人に。
  3. 捕まるヘッドでの「左消し」セッティング
    • 代表例:D-TYPE系ドライバー、ゼクシオエックスなど
    • 効果:チーピンの恐怖を消し、安心して右から回せる。フッカーがドローヒッターへと進化するために。

もしあなたが、今のドライバーで「球が散らばる」「芯に当たっているはずなのに飛ばない」「シャフトが何をしてもタイミングが合わない」と悩んでいるなら、ぜひ一度、スピーダーNXブルーを試してみてください。できれば、今回ご紹介した「合うヘッド」との組み合わせで。

その一振りが、あなたのゴルフ人生における「運命の出会い」になる可能性は大いにあります。道具が変われば、スイングが変わる。スイングが変われば、スコアが変わる。NXブルーは、そんなポジティブな連鎖を引き起こす力を持った名器です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。あなたのドライバーショットが、青空に向かって突き刺さるような美しい放物線を描くことを、19番ホール研究所より応援しています。

the19th

40代、ゴルフ歴20年の「ギアオタク」サラリーマンです。ベストスコアは73( HC10)。「シングル」の称号まであと一歩のところで、長年足踏みしています。
「その1打は、ギアで縮まる」を信念に、これまで試打してきたクラブは数知れず。給料のほとんどは最新ギアに消えていきます。
このブログは、20年間こだわり続けた「ギア選び」の記録です。

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