ゴルフクラブのシャフト選び、悩みますよね。特に「ベンタス ブルー 5s ヘッドスピード」というキーワードで検索されているあなたは、今まさに「5S」というスペックが自分にとっての最適解なのか、それともオーバースペックなのか、判断に迷っているのではないでしょうか。実は私自身、過去に「男なら60g台のSだ」という古い常識にとらわれ、無理な重量でスイングを崩してスコアを落とした苦い経験があります。しかし、現代のシャフト技術、特に「軽量高剛性(カルカタ)」トレンドは、かつての常識を完全に覆す進化を遂げています。
この記事では、単なるカタログスペックの羅列ではなく、振動数やトルクといった具体的な数値データ、そして実際のフィールドテストに基づいた挙動分析を通じて、あなたが選ぶべき「正解」を導き出します。「50g台でも頼りなくないのか?」「HS42m/sでもボールは上がるのか?」そんな疑問や不安を、論理的かつ実践的な視点で解消していきます。
- HS40〜44m/sのゴルファーがベンタスブルー5Sを使うべき明確な技術的理由
- 振動数250cpm超えの「5S」がもたらす飛距離性能と方向安定性のメカニズム
- 6SやTRブルーとの詳細比較で見えてくる、あなたのスイングDNAに合う最適スペック
- 先端カットや長尺化など、性能を100%引き出すためのプロ仕様セッティング術
ベンタスブルー5Sのヘッドスピード適正範囲を解説

ここでは、メーカーが提示する大まかな推奨値ではなく、振動数計(CPM)を用いた計測データや、VeloCoreテクノロジーの材料工学的な背景に基づいた「リアルな適正範囲」について深掘りしていきます。なぜ多くのトップアマやプロがこぞってこのスペックに注目するのか、その技術的背景を深く理解することで、あなたのシャフト選びはより確実なものになるはずです。
振動数から判断する5Sの真の硬さ
まず結論から申し上げますと、ベンタスブルー5Sは、市場に溢れる一般的な「50g台のSフレックス」とは一線を画す、非常にしっかりとした硬さを持っています。工房で45.25インチで組み上げた際の振動数は、個体差はあるものの概ね253〜256cpmを示します。
この数値が持つ意味を具体的に解説しましょう。一般的な純正シャフトのSフレックスは240cpm前後であることが多く、柔らかいものだと230cpm台のものも存在します。つまり、ベンタスブルー5Sは純正シャフトと比較して、実質的に1.5フレックスから2フレックス分ほど硬い設定になっているのです。他社のカスタムシャフト(例えばTour ADやDiamanaの50g台S)と比較しても、数ポイント高い数値が出ることが一般的です。
「50g台=軽くて柔らかい=非力な人向け」という図式は、このシャフトには当てはまりません。むしろ、「軽量でありながら、アスリートが叩いても左に行かない剛性を確保している」という点が最大の特徴です。この高い振動数は、シャフトの手元から中間、そして先端にかけて、70トンクラスの超高弾性カーボンシートを贅沢に使用している証左でもあります。
しかし、単に「棒のように硬い」わけではありません。ベンタスブルー特有の「中調子(Mid-Launch)」プロファイルは、切り返しで手元側に適度な「タメ」を感じさせつつ、インパクトゾーンでは先端が暴れずに追従してくるという、非常に洗練された挙動を示します。この絶妙な剛性バランスが、ヘッドスピード42m/s前後のゴルファーにとって、「重くはないけれど、しっかりとした手応えがある」という理想的なフィーリングを生み出すのです。軽いからといって手打ちにならず、体幹を使って振る意識を持たせてくれる、言わば「スイングを良くしてくれる硬さ」だと言えるでしょう。
トルク性能が飛距離に与える影響
ベンタスシリーズを語る上で避けて通れないのが、その代名詞とも言える「VeloCore(ベロコア)テクノロジー」です。特に注目すべきは、5Sにおけるトルク値「3.7」という数字と、その数値以上に感じられる「動的なねじれ剛性」の高さです。
一般的に、シャフトを軽量化(50g台化)しようとすると、カーボンの積層枚数を減らす必要があるため、どうしてもトルク(ねじれ)が大きくなり、数値的には4.5〜5.0以上になることが物理的な制約でした。トルクが大きいシャフトは、タイミングが取りやすい反面、インパクトでのヘッド挙動が不安定になりやすく、特に大型ヘッド(高慣性モーメントヘッド)と組み合わせた際に、ヘッドの開閉が遅れて右に抜けたり、逆に返りすぎてチーピンが出たりする原因となります。
しかし、ベンタスブルー5Sは、ピッチ系70トンカーボンをバイアス層(斜めの層)を含む全長に積層することで、50g台という軽さの中に3.0度台の低トルクを封じ込めることに成功しています。この「低トルク化」がもたらすメリットは計り知れません。
第一に、ミート率(スマッシュファクター)の劇的な向上です。オフセンターヒット(芯を外した打撃)時でも、ヘッドが当たり負けしてねじれる現象が最小限に抑えられます。物理学的に、ヘッドのねじれが少ないほどボールへのエネルギー伝達効率は高まるため、結果としてボール初速が落ちず、飛距離ロスが防げるのです。
第二に、サイドスピンの減少と方向性の安定です。インパクト時のフェースアングルが安定するため、スライス回転やフック回転がかかりにくくなります。これにより、「曲がって飛距離をロスする」という事態が減り、前へ前へと進む「棒球」が打てるようになります。キャリーだけでなく、ランも含めたトータル飛距離が伸びるのはこのためです。
ドライバー試打評価と挙動の分析
では、実際に様々なヘッドスピードを持つゴルファーがベンタスブルー5Sを使用した場合、どのような結果になるのでしょうか。フィールドテストのデータと、実際のプレーヤーの声を基に、詳細な挙動分析を行いました。ここがあなたにとっての適合性を判断する最も重要な基準となります。
| ヘッドスピード | 適合判定 | 実際の弾道イメージと詳細評価 |
|---|---|---|
| 〜37 m/s | × 不適合 | ボールが上がらず、右へのミスが多発。 シャフトを「しならせる」ための入力エネルギーが不足しています。硬すぎて棒を振っているような感覚になり、無理に上げようとして煽り打ちになるリスクが高いです。この帯域の方は純正シャフトや、より先端が動くモデルを推奨します。 |
| 38 – 39 m/s | △ 要検討 | 低弾道のフェード系。ランは出るがキャリー不足。 一発の飛びはあるものの、平均するとボール初速が出にくい傾向にあります。カスタムシャフト特有のシビアさが顔を出し始める領域です。どうしてもベンタスを使いたい場合は、5Rを選択するか、より捕まりの良いVENTUS RED 5Sを検討すべきです。 |
| 40 – 42 m/s | ◎ 最適 | まさに「ゴールデンゾーン」。中高弾道の強い球。 スピン量が2200rpm前後に安定し、最も飛距離効率が良い弾道が得られます。シャフトの中間部を適切にしならせることができ、かつVeloCoreの恩恵でインパクトの当たり負けもありません。純正Sシャフトからの移行で、最も劇的な変化と恩恵を感じられる層です。 |
| 43 – 44 m/s | ◯ 良好 | 左に行きにくい安心感と、振り抜きの良さ。 叩きにいっても左へのチーピンが出にくいため、安心して振っていけます。また、60g台だと後半バテてくる層にとって、50g台への軽量化はHSを+0.5〜1.0m/s引き上げる効果があり、飛距離の底上げが期待できます。 |
| 45 m/s 〜 | △ 条件付 | ヒッタータイプだと挙動過多の懸念あり。 スインガータイプであれば問題ありませんが、切り返しが強いヒッタータイプの場合、シャフトのしなり量が大きくなりすぎて、タイミングが遅れる可能性があります。TR BLUE 5SやBLACK 5S、あるいは6Sへのステップアップを検討する領域です。 |
この分析からも分かる通り、ヘッドスピード40〜42m/sのゴルファーにとって、ベンタスブルー5Sは単なる軽量シャフトではなく、「飛距離と安定性を最大化するための武器」となり得ます。「HS40m/sにはオーバースペックではないか?」という心配は無用です。むしろ、現代の低スピン系ドライバーヘッドと組み合わせることで、その性能を遺憾なく発揮します。
より詳しい50g台シャフトの選び方や、他メーカーの競合モデル(Tour AD VFやDiamana GTなど)との比較については、以下の記事でも詳しく解説していますので、併せて参考にしてみてください。
ヘッドスピード40に合うシャフト選びの正解!2025年最新50g台を厳選
6Sとの違いに見る重量フローの重要性
シャフト選びにおいて「5Sにするか、6Sにするか」という悩みは、多くのゴルファーが直面する永遠のテーマです。しかし、現代のクラブセッティング、特にドライバーヘッドの進化を考慮すると、明確な判断基準が存在します。それは「クラブ総重量と振り抜きの良さ」という観点です。
近年のドライバーヘッド(Qi10 Max、Paradym Ai Smoke、G430など)は、慣性モーメントを極限まで高めるために、ヘッド重量自体が重くなる傾向にあります。スリーブ込みで200gを超えることも珍しくありません。ここに60g台のシャフト(カット後でも60g以上)と標準的な50gのグリップを組み合わせると、クラブの総重量は優に315gを超えてしまいます。
ヘッドスピード42m/s前後のアマチュアゴルファーが、315g以上のクラブを18ホール通して、常にマン振りできるでしょうか?練習場では打てても、コースの後半で疲労によりヘッドスピードが落ち、振り遅れて右へのプッシュアウトやスライスが出るようなら、それは明らかにオーバースペック(重すぎ)です。
一方で、ベンタスブルー5Sを選択すれば、シャフト重量は約54gとなり、総重量を305g前後に収めることが可能です。この「約10gの軽量化」は絶大です。物理的な重量が軽くなることで、テークバックからフィニッシュまで一気に振り抜けるようになり、ヘッドスピードそのものが向上します。さらに、ベンタス特有の高剛性により、軽くても挙動が安定しているため、ミート率も落ちません。「軽くて速く振れるのに、当たり負けしない」という理想的な状態を作り出せるのが、5Sを選ぶ最大のメリットなのです。
TRやブラックとの比較で選ぶ最適解
ベンタスシリーズの人気拡大に伴い、派生モデルである「VENTUS TR BLUE」や「VENTUS BLACK」も選択肢に入ってくるでしょう。しかし、これらはターゲット層が明確に異なります。「色がカッコいいから」「プロが使っているから」という理由だけで選ぶと、痛い目を見る可能性があります。
VENTUS TR BLUE 5S との比較
TR BLUEは、最外層に「spread tow fabric(開繊クロス)」を採用し、ねじれ剛性と曲げ剛性をさらに強化したモデルです。BLUEと比較して、特に手元側(バット部)の剛性が高く設定されています。フィーリングとしては、BLUEが「全体が滑らかにしなる」のに対し、TRは「手元がしっかりしていて、中間部だけがしなる」感覚が強くなります。実質的にBLUEよりも半フレックスから1フレックス硬く感じるため、BLUE 5Sでは少し頼りない、あるいは切り返しでもっとシャキッとした反応が欲しいというHS43m/s以上の層にマッチします。
VENTUS BLACK 5S との比較
BLACKは、シリーズ中で最もハードな「元調子・低トルク」モデルです。5Sであっても振動数は260cpmを超え、先端も中間も鉄の棒のように硬いです。これは、HS45m/s以上のハードヒッターが、左へのミス(チーピン)を完全に消したい場合にのみ選ぶべきスペックです。HS42m/s前後のユーザーが選ぶと、ボールが全く上がらず、捕まらず、飛距離を大きくロスする可能性が高いです。「ベンタス=ブラック」というイメージだけで安易に手を出すのは危険です。
ベンタスブルー5Sをヘッドスピード別に調整する

市販の完成品や「吊るしのスペック」をそのまま使うのも良いですが、カスタムシャフトの醍醐味は、自分のスイングに合わせて微調整(ビルディング)ができる点にあります。ここでは、少しマニアックですが、ベンタスブルー5Sのポテンシャルをさらに引き出すためのプロフェッショナルな調整法を紹介します。
先端カットで剛性を高める調整法
もしあなたがHS43〜44m/sあり、「5Sだとタイミングによっては少し柔らかく感じるが、TRや6Sに行くと重すぎるしハードすぎる」という絶妙な悩みを抱えているなら、「チップカット(先端カット)」という調整が非常に有効な解決策になります。
通常、シャフトの長さ調整はバット側(手元)をカットして行いますが、あえて先端(Tip側)を0.5インチ(約1.25cm)カットしてからヘッドに装着することで、シャフトの挙動を変化させることができます。先端をカットすると、最も動く部分が短くなるため、振動数が約3〜4cpm上昇し、先端の動きがより抑制されます。
これにより、「5Sの軽快な振り心地はそのままに、インパクト付近での剛性感だけを少し高める」というカスタマイズが可能になります。ボールの捕まりすぎを抑えたい、あるいは弾道を少し低く抑えたいという場合に、魔法のような効果を発揮します。ただし、やりすぎるとベンタスの良さである「粘り感」が消えてしまうため、まずは0.5インチから試すことを強く推奨します。
長さとバランスで振り抜きを改善
ベンタスブルー5Sの「軽量かつ高剛性」という特性を活かして、あえて45.5インチ〜45.75インチといった「長尺仕様(または半長尺)」にするのも、飛距離アップを狙う上で面白い選択肢です。
物理的にシャフトが長くなれば、遠心力が大きくなりヘッドスピードは上がります。通常、長尺化するとミート率が下がったり、シャフトが暴れたりするリスクがありますが、VeloCore搭載のベンタスであれば、その高い安定性でデメリットを相殺できるのです。「長さでスピードを稼ぎ、シャフト性能でミート率を担保する」という攻めのセッティングです。
ただし、注意点があります。PINGのG430やテーラーメイドのQi10など、元々ヘッド重量が重い(200g超)モデルで長尺にすると、スイングバランス(D値)がD4〜D5といった過度な数値になってしまい、振り感が極端に重くなることがあります。この問題を解決するためには、以下の対策が有効です。
- カウンターバランス系のグリップを使用する:手元側が重いグリップを選ぶことで、数値上のバランスを下げる。
- ヘッドウェイトを交換する:純正のウェイトを軽いもの(-3g〜-5g)に交換して、ヘッド重量自体を軽くする。
これらの調整を行うことで、D2〜D3といった適正なバランスに収め、長尺のメリットだけを享受することが可能になります。
スライサーに合うかデータを検証

「ベンタスは元々PGAツアープロのために開発されたハードなシャフトだから、スライサーには合わないのではないか?」という懸念を抱く方は非常に多いです。確かに、ベンタスブルーは自分からボールを捕まえに行くような、いわゆる「走り系」や「捕まり系」のシャフトではありません。スライサーが打つと、右へのミスが出るイメージがあるかもしれません。
しかし、実際の弾道データを検証すると、意外な事実が浮かび上がります。それは「曲がり幅(Dispersion)の縮小効果」です。
スライスの原因の一つに、インパクトでのトウダウン(ヘッドの先が下がる現象)や、フェースが開いて当たった際のギア効果による過度なスライス回転があります。ベンタスブルーのVeloCore技術は、この「ヘッドのブレ」を強力に抑制します。その結果、これまではOBゾーンまで大きく曲がっていたスライスボールが、ラフで止まる程度の「フェードボール」に収まるケースが多発しています。
つまり、「スライスをドローに変える」魔法の杖ではありませんが、「致命的なスライスを、怪我の少ないフェードに変える」という点において、スライサーにとっても極めて有効な選択肢となり得るのです。「捕まえて飛ばす」のではなく、「曲がり幅を抑えてフェアウェイに残す」というマネジメントを重視するなら、スライサーがベンタスブルー5Sを使うメリットは十分にあります。
フェアウェイウッドへの5S採用
ドライバーにベンタスブルー5Sを採用した場合、3番ウッド(スプーン)や5番ウッド(クリーク)のシャフトはどうすべきでしょうか?従来のセオリーでは「ドライバーの重量+10g」が基本とされるため、FWには「6S」を入れるのが一般的でした。
しかし、最近のトレンドとして、「FWにもドライバーと同じ5Sを入れる」というセッティングが増えています。これは、ドライバーからの「振り心地のフロー」を完全に統一し、違和感を極限まで排除するためです。特にアマチュアの場合、地面から打つFWは難易度が高く、重いシャフトだとダフリのミスが出やすくなります。5Sにすることで、軽快に払い打つイメージが出しやすくなり、成功率が上がります。
ただし、FWはドライバーよりもヘッド重量が重いため、そのまま5Sを入れると先端が動きすぎてしまう懸念があります。そこで、FW用の5Sを作る際は、ドライバーよりも先端(チップ)を多めにカット(0.5〜1.0インチ程度)することを推奨します。これにより、重量は軽くても、インパクトで当たり負けしないしっかりとした剛性を確保でき、ボールを拾いやすくなります。
もし、「FWはボールを上げたいからもっとやさしくしたい」という場合は、同じベンタスシリーズでも、より先端が動いてボールを拾ってくれる「VENTUS RED 5S」をFWに入れるコンボセッティングも非常に有効です。
まとめ:ベンタスブルー5Sとヘッドスピードの正解
ベンタスブルー5Sは、ヘッドスピード40m/s〜44m/sのゴルファーにとって、飛距離性能(スピード)と方向安定性(コントロール)を最高レベルで両立させる、現状における最適解の一つであると断言できます。
重要なのは、「50g台=シニア・非力向け」「Sフレックス=硬すぎる」という古い固定観念を捨てることです。現代のテクノロジーは、軽量でありながらプロのパワーを受け止める剛性を実現しています。「勇気を持って軽量化し、しっかり振り抜く」。これこそが、大型高慣性モーメントヘッド全盛の現代ゴルフを攻略する鍵であり、ベンタスブルー5Sはそのための最強のパートナーとなってくれるはずです。ぜひ、あなたもこの「カルカタ」の恩恵を体感し、未体験の飛距離と安定性を手に入れてください。




