「スコッティキャメロンの2025年モデル、結局なにがどう変わったの?」——そう思って調べ始めたものの、スタジオスタイル、SCSインサート、チェーンリンク、プラス、ジェットネック、OC…と専門用語が次から次に出てきて、途中で手が止まってしまった。もしそんな状態なら、この記事はまさにあなたのために書きました。
こんにちは、「19番ホール研究所」のthe19thです。パターって、ドライバーと違って数値で優劣がつきにくいんですよね。だからこそ「みんなが良いと言っているから」で選ぶと、ラウンド3回目くらいで違和感が出てきて、結局また買い替える。これ、けっこうあるあるだと思うんです。
しかも2025年モデルは、キャメロンにしては珍しく「打感の作り方そのもの」を変えてきた世代。ここ数年の削り出し一体成型に慣れた人ほど、構えた瞬間ではなく打った瞬間に「あ、違う」となるタイプの変化です。だから、スペック表を眺めるだけでは判断しきれません。
それともうひとつ。この記事を読んでいるのが2026年に入ってからなら、大前提として押さえておくべきことがあります。スコッティキャメロンはすでに2026年モデルを投入済みで、2025年モデルは「最新」ではなく「一世代前」になりました。ただ、これは悪いニュースではありません。むしろ選び方次第では、今がいちばん賢く買えるタイミングかもしれないんですよ。その理由も後半でしっかり書きますね。
・2025年モデルの技術的な進化(SCSインサートとチェーンリンクミーリングの中身)
・スタジオスタイル全12モデルのスペックと、ストローク別の選び方
・ファントムの「.2」シリーズとOC(低トルク)シリーズの立ち位置
・日本正規価格の最新確認値と、並行輸入を選ぶときの判断基準
・限定モデルの実像と、偽物をつかまないための現実的な対策
・2026年の今、2025年モデルを買うのはアリかナシか
スコッティキャメロン2025年モデルの全貌|何がどう変わったのか
まずは2025年モデルの核となる技術革新から、注目のラインナップまで、全体像をがっつり見ていきましょう。ポイントは、これが単なるマイナーチェンジではないということ。スコッティキャメロン公式は2025年 Studio Styleについて「近年で最も大きなブレードパターの再設計」と表現しています。ブランドの哲学を再定義するような、大きな転換点と言っていいかなと思います。

ざっくり言うと「削り出し一辺倒だったキャメロンが、柔らかいインサートに戻ってきた」年です。ここだけ押さえれば全部つながりますよ。
20年の節目に復活した「スタジオスタイル」というシリーズ名
2025年モデルを語る上で、何をおいてもまず触れなければならないのが、「Studio Style(スタジオスタイル)」シリーズの復活です。2005年にGSS(ジャーマンステンレススチール)インサートを搭載した初代が登場し、市場に衝撃を与えてから20年。この名前が、まったく新しい技術をまとって帰ってきました。
ここで誤解しやすいのですが、これは「昔のモデルの復刻」ではありません。公式も「名前はスローバックだが、テクノロジー、デザイン、製造方法はモダンでまったく新しい」とはっきり述べています。名前だけが過去から借りてきたもので、中身は完全に別物。ここを勘違いすると「昔のスタジオスタイルと同じ打感かな」と期待して、いい意味で裏切られることになりますね。
では、なぜこのタイミングでインサートに戻ったのか。背景を整理しておきましょう。
ここ数年のキャメロンパター、たとえば「スペシャルセレクト(2020)」や「スーパーセレクト(2023)」は、303ステンレススチールの塊から精密に削り出す「ソリッドミルド」製法が主流でした。これはこれで、インパクトのフィードバックがダイレクトに手に伝わる良さや、余計なパーツがない分メンテナンスがラクというメリットがあり、多くのゴルファーに支持されてきたんです。
その一方で、繊細なタッチを求める上級者や長年のキャメロンファンからは、「もう少し柔らかい、ボールがフェースに乗るような打感が欲しい」という声が根強く残っていたのも事実。とくに高速グリーンでの下りのショートパットで、硬い打感だと「弾いて怖い」と感じる人は一定数いますよね。
今回のスタジオスタイルは、その要望に対するひとつの回答です。複合素材構造(マルチマテリアルコンストラクション)、すなわち「インサートテクノロジー」への戦略的な回帰。過去への敬意を払いながら、素材と加工は現代のものに全部入れ替えた、という形ですね。
最大の革新「スタジオカーボンスチール(SCS)インサート」
今回の技術的なハイライトは、間違いなく新開発の「Studio Carbon Steel(SCS)インサート」です。カーボンスチール(炭素鋼)という素材は、ジョーダン・スピースが長年愛用するツアープロトタイプにも使われていることで有名で、ステンレススチールよりも柔らかく、インパクトでボールがフェース面に長く接触しているかのような、独特のフィーリングを持つことで知られています。
ここは技術的にちょっと踏み込んでおきますね。スコッティキャメロンの開発陣によれば、SCSはテリリウム、ステンレススチール、アルミニウムといった他の金属インサートよりも高い「減衰能力(damping capacity)」を持つとされています。減衰能力というのは、簡単に言えば「振動をどれだけ早く収める力」のこと。インパクト音というのは、金属が振動して空気を震わせることで生まれます。この振動が長く続くほど「キーン」「カツン」と高く鋭い音になり、逆に短時間で収まるほど「コツッ」と低く柔らかい音になるわけです。
つまりSCSは、音の「大きさ」を下げているのではなく、音の「持続時間」を短くすることで柔らかさを作っている。ここが面白いところです。しかも公式は「ボールスピードは維持される」とも説明しており、柔らかさと引き換えに転がりが死ぬわけではない、という設計思想になっています。
ただ、このカーボンスチールには昔から大きな弱点がありました。それは「錆びやすさ」です。特に湿度の高い日本の夏や、朝露が残ったグリーン上では、こまめにオイルを塗って手入れをしないとすぐに酸化してしまうため、一般のアマチュアゴルファーが気軽に使える素材ではありませんでした。ヘッドカバーの中で汗が乾かないまま一晩置いただけで、翌朝には点錆が出ていた、なんて話も珍しくありません。
この長年の課題を解決したのが、今回採用された「無電解ニッケルメッキ(electroless nickel plating)」処理です。この化学的なコーティング技術により、カーボンスチール特有のソフトな打感を損なうことなく、耐久性と耐腐食性を大きく高めています。プロレベルの打感を、面倒なメンテナンスなしで手に入れられる——これがSCS最大の価値かなと思います。
耐腐食性が上がったのは事実ですが、「絶対に錆びない」と公式が保証しているわけではありません。雨のラウンド後に濡れたままヘッドカバーへ、というのはどんなパターでも避けたいところ。乾いたタオルでフェースを拭いてからしまう。この5秒の習慣だけで、数年後の状態はかなり変わりますよ。
打感を決定づける「チェーンリンク・フェースミーリング」
パターの打感(Feel)は、実は打音(Sound)によって大きく左右されます。目をつぶって打つと打感の評価が変わる、という話を聞いたことがある人もいるんじゃないでしょうか。それくらい、人間は「音」で「感触」を判断してしまう生き物なんですよね。
2025年モデルで採用された「Chain-Link Face Milling(チェーンリンク・フェースミーリング)」は、単なる見た目のデザインではなく、その音と感触の関係に真正面から取り組んだ機能的なテクスチャです。
鎖が連なったようなこのパターンの狙いを、公式は明快に説明しています。インパクト時のボールとフェースの接触点(タッチポイント)の数を減らすこと。接触点が減れば、そこで発生する振動そのものが抑えられ、音がさらに柔らかくなる。しかも、プレーヤーが必要としているフィードバックは残す。SCSインサートによる減衰と、ミーリングによる接触点コントロール。この二段構えで音と打感をチューニングしているわけです。
実用面での恩恵として公式が挙げているのが、ショートからミドルレンジのパットを、より自信を持って強めに打てるようになるという点。曲がりを消したいときに、しっかり打ち切れるかどうかって、けっこうスコアに直結しますよね。柔らかいのに弱々しくならない、というのはそういう意味です。
見えないところが効いている「二重の振動減衰構造」
インサートパターにありがちな不満って、「打感がボヤけてどこに当たったかわからない」ことなんですよね。柔らかくしすぎると、芯を食ったのかトゥ寄りだったのかが手に伝わらなくなる。距離感を手の感触で作っている人にとっては、これは致命的です。
2025年モデルは、ここに対して構造的な答えを用意しています。公式によれば、ヘッド本体はソフトミルド加工されたあと、インサートがネジと航空宇宙分野に着想を得た振動減衰技術によってヘッドに固定され、さらにインサートの外周を囲むように2つ目の減衰材が配置されています。つまり、減衰材が二層構造になっているんです。
これによって、不快な高周波の振動だけを削ぎ落としつつ、「今のは芯を外したな」という必要な情報は手に残す。柔らかさと情報量、その両立を狙った設計になっています。実際に打ったときに「柔らかいのに、どこに当たったかはわかる」と感じられるかどうか。これが試打時のいちばんの見極めポイントになりますね。
主力モデル「ニューポート」系の特徴と選び分け
スコッティキャメロンの代名詞であり、パターの歴史そのものと言っても過言ではない「ニューポート」。もちろん、2025年のスタジオスタイルシリーズでも、その存在感は圧倒的です。伝統的な形状から現代的なニーズに応える派生モデルまで、幅広いラインナップが用意されています。
なお、2025年 Studio Styleは全12モデル構成で、SCSインサートとチェーンリンクミーリングは全モデルに搭載されています。「どのモデルが柔らかいか」ではなく、「どのモデルが自分のストロークと目に合うか」で選ぶ、というのが正しい考え方です。ここ、けっこう重要ですよ。
伝統と革新が融合したブレードタイプ
Studio Style Newport(ニューポート)
まずは基本の「ニューポート」。丸みを帯びたヘッド形状、柔らかなバンパー、そしてやや厚みのあるトップラインが特徴の、いわばクラシックなブレードパターです。視覚的な安心感があり、インスピレーションを重視するプレーヤーに好まれます。
ネックは最も標準的なプラミングネック(クランクネック)で、適度なトゥフロー(フェースの開閉)を促すため、自然なイントゥインのアーク軌道でストロークするゴルファーに向いています。仕上げはミストがかったステンレスで、ソールには調整可能なタングステンウェイトを搭載。ここに新しいSCSインサートが載ることで、クラシックな顔つきのまま、打感だけが現代的に一新された一本になっています。「形は昔ながらがいいけど、打感はアップデートしたい」という人にはドンピシャですね。
Studio Style Newport 2(ニューポート2)
そして、言わずと知れたブランドのフラッグシップ、「ニューポート2」。ニューポートに比べて全体的に直線的で角張った(ボクシーな)形状が特徴で、ターゲットに対して機械的に、正確にセットアップしたいプレーヤーから絶大な支持を得ています。
2025年モデルでは、輪郭がより洗練された角張った形状に整理され、トップラインがやや厚めに設定されました。公式はこの厚みを「2012年のSelectラインを想起させる」と表現しています。あの世代の顔つきが好きだった人は、構えた瞬間にニヤッとするかもしれません。加えて、アドレス時の座りを安定させるトライソールデザインも刷新され、ネックはIビーム・プラミングネックを採用。ソールウェイトはタングステン製でカスタマイズ可能です。左利き用モデルが用意されているのも見逃せないポイントですね。
ちなみに、バックキャビティを彩る「チェリードット(3つの赤い円)」については、2025年 Studio Styleではシリーズ共通のデザイン言語として採用されています。公式によれば、ステンレスに削り込まれた円にチェリーレッドの半透明塗料が入れられており、さらにフェースには「7 Point Crown」の刻印も。往年のファンにとっては、細部を眺めているだけで満たされる仕上がりだと思います。
ミスへの寛容性を高めた「プラス」シリーズ
近年のゴルフ界では、ブレードパターのシャープな見た目や操作性は好きだけど、もう少しミスヒットに強い、マレットのようなやさしさが欲しい…という声がプロ・アマ問わず高まっています。その現代的なニーズに応えるのが「プラス」シリーズです。
Newport Plus & Newport 2 Plus
これらのモデルは、通常のブレードよりもヘッドの前後幅を少しだけ広く設計しています。これにより慣性モーメント(MOI)が高まり、芯を外したときのヘッドのブレが抑制されます。
ここで技術的に面白いのが重量配分の考え方です。ただヘッドを大きくすると重量が増えすぎてしまうため、6061航空機グレードアルミニウム製のソールプレートをボディに統合し、軽量化した分をステンレススチール製のソールウェイトとして周辺部へ再配分しています。素材の比重差を使って、見た目のサイズ感以上に高い安定性を実現しているわけですね。Newport 2 Plusは、Newport 2より広く、Squareback 2より狭い、というちょうど中間のサイズ感になっています。
「ブレードの顔で構えたい、でもスコアも妥協したくない」という、欲張りなゴルファーにとって理想的な解決策かなと思います。逆に、ヘッドの操作感を強く感じたい人、フェースを積極的に開閉させて球を捕まえたい人には、少し物足りない可能性があります。安定性が上がるということは、裏を返せば手の感覚で操作しにくくなるということでもありますから。
Newport 2.5 Plus
こちらは、ギアにこだわる人にぜひ注目してほしいモデル。ヘッド形状はNewport 2 Plusと同系ながら、ネックを「Iビーム・ジェットネック」に変更しています。公式の表現は「少しのトゥフローを与えるため(for a bit of toe flow)」。つまり、プラミングネックのモデルよりわずかにフェースが開閉しやすい設定です。
「ジェットネック=激しくフェースが回る」とイメージされがちですが、公式のニュアンスはもっと控えめ。プラス系の安定感を保ちつつ、ほんの少しだけ捕まりを足したい人向けと理解するのが正確です。こちらも6061アルミソールプレートによる周辺重量配分を採用し、左利き用も用意されています。ブレードの操作性とマレットの安定性のちょうど中間を狙った、非常に現代的なスペックと言えるでしょう。
ネック形状とストロークの相性【早見表】
モデル名で悩む前に、まずここを押さえると一気にラクになります。キャメロンのネックは大きく3系統。自分のストロークがどれに近いかで、候補は半分以下に絞れますよ。
| ネック/シャフト | フェースの開閉 | 向いているストローク | 代表モデル(2025 Studio Style) |
|---|---|---|---|
| ミッドベント/シングルベント シャフト | ほぼフェースバランス(開閉が少ない) | 真っすぐ引いて真っすぐ出す、直線的な軌道 | Squareback、Fastback、Catalina |
| Iビーム プラミングネック(クランクネック) | 中程度のトゥフロー | ゆるやかな弧を描く、標準的なアーク軌道 | Newport、Newport Plus、Newport 2、Newport 2 Plus、Squareback 2 |
| Iビーム ジェットネック | やや大きめのトゥフロー | フェースの開閉を感じながら振りたいアーク軌道 | Newport 2.5 Plus、Fastback 1.5 |
自分の軌道がわからない、という人も多いですよね。手っ取り早いのは、パッティングマットの上にアライメントスティックを1本置いて、その線に沿って何球か打ってみる方法。ヘッドが線から内側に外れていくならアーク軌道寄り、ほぼ線上を往復するなら直線軌道寄りです。ざっくりでも把握しておくと、試打の精度がまるで変わります。
ちなみに、ネックと同じくらい大事なのが「長さ」です。ここを合わせないと、どんな名器も構えた瞬間に窮屈になります。詳しくはパター長さと身長の最適解!スコアが変わる選び方で整理しているので、あわせて確認してみてください。
2025年 Studio Style 全12モデル一覧
「ニューポート系以外もあるの?」という方のために、2025年3月14日に世界発売された12モデルを一覧にまとめました。ブレードだけでなく、ミッドマレットもゼロから再設計されているのが2025年世代の特徴です。
| モデル名 | タイプ | ネック/シャフト | 左利き用 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Newport | ブレード | プラミングネック | — | 丸みのある伝統形状。タングステンウェイト |
| Newport Plus | ブレード(ワイド) | プラミングネック | — | 6061アルミソールプレートでMOI向上 |
| Newport 2 | ブレード | Iビーム プラミングネック | あり | やや厚めのトップライン、トライソール |
| Newport 2 Plus | ブレード(ワイド) | プラミングネック | — | Newport 2とSquareback 2の中間サイズ |
| Newport 2.5 Plus | ブレード(ワイド) | Iビーム ジェットネック | あり | やや大きめのトゥフロー |
| Squareback | ミッドマレット | ミッドベント シャフト | — | ほぼフェースバランス。ソール角を刷新 |
| Squareback 2 | ミッドマレット | Iビーム プラミングネック | — | ヒール・トゥインレイ搭載のマルチマテリアル |
| Squareback 2 Long Design | ロング | ミッドベント(長尺・硬め) | — | 38インチ/25gタングステン/17インチグリップ |
| Fastback | ミッドマレット | ミッドベント シャフト | — | 丸みのある形状。2トーンアライメント |
| Fastback Long Design | ロング | ミッドベント(長尺・硬め) | — | 38インチ/25gタングステン/17インチグリップ |
| Fastback 1.5 | ミッドマレット | Iビーム ジェットネック | あり | 3/4シャフトオフセット。ブレード感覚に近い |
| Catalina | ブレード(ワイド) | シングルベント シャフト | あり | シャフトオーバースパッド設計。高MOIブレード |
注目したいのは、左利き用が4モデル用意されている点。公式は「キャメロンのブレード&ミッドマレットラインとして過去最多のレフティ選択肢」と述べています。今までレフティで妥協してきた人には、素直に朗報だと思いますよ。
ファントムシリーズの動向|「.2」と「OC」で何が起きたか
「打感」と「フィーリング」を追求するスタジオスタイルに対し、「アライメント(構えやすさ)」と「MOI(ミスへの強さ)」という機能面を突き詰めているのがマレット型の「Phantom(ファントム)」シリーズです。オートマチックにストロークしたいゴルファーや、方向性に悩むプレーヤーの強い味方ですね。マレット全般の考え方についてはマレット型パターが合う人はどんな人?特徴と選び方を解説もあわせてどうぞ。
選択肢を広げた「.2」シリーズ(Phantom 5.2/7.2)
2025年1月に発表され、2月14日に発売された「Phantom 5.2」「Phantom 7.2」は、既存の高性能マレットヘッドに、ブレードパターでお馴染みのIビーム・プラミングネックをドッキングさせた、非常に興味深いモデルです。ツアープレーヤーからの要望を受けて生まれた、という出自もポイント。
もともとPhantom 5や7は、シャフトがヘッド重心近くに取り付けられたフェースバランス寄りの設計が基本でした。これは真っすぐ引いて真っすぐ出す、直線軌道のストロークに最適な設計です。でも世の中には「マレットの安心感と高いMOIは欲しいけれど、自分のストロークはブレードのように自然なアークを描きたい」というゴルファーも数多くいます。この「.2」シリーズは、まさにそこを埋めるために生まれました。
プラミングネックを搭載することで適度なトウハングが生まれ、アーク軌道のプレーヤーがマレットの恩恵を受けられるようになったわけです。さらに、ネックがもたらすオフセット効果により、アドレス時にボールを包み込むような視覚的な安心感が得られるのも大きなメリットですね。
2025年発売のPhantom 5.2/7.2は、303ステンレスのワンピースボディにアルミソールプレートを統合した構成で、フェースはデュアルミルドのソリッドフェースです。SCSインサートは2025年時点ではStudio Style専用。PhantomにSCSインサートとチェーンリンクミーリングが搭載されるのは、2026年モデルからになります。「ファントムでもあの柔らかい打感が味わえる」と思って2025年モデルを買うと、期待とズレますのでご注意を。
低トルクへの回答「OC(Onset Center)」シリーズ
2025年11月4日に発表され、11月14日に世界発売された「OC(Onset Center)」シリーズは、パター業界の最新トレンドである「低トルク」という概念に対する、スコッティキャメロン流の回答です。L.A.B. Golfなどが切り拓いてきた領域に、キャメロンが独自の哲学で参入した形ですね。
まず名前の意味から。「Onset Center」とは、シャフト位置がヘッドのリーディングエッジより後方(オンセット)にあり、かつ前後方向の重心(センター)と一直線上にある、という構造を指します。この配置により、ストローク中に発生するフェースのねじれ(トルク)を抑え、パスに対してスクエアな挙動を促す、というのが基本原理です。
ネット上ではOCを「キャメロンのゼロトルクパター」と紹介しているケースを見かけますが、スコッティキャメロン公式のFAQは「OCモデルはゼロトルクパターですか? いいえ」とはっきり答えています。理由は「パッティングという行為そのものがトルクを生むため、どんな設計でもゼロにはならない」から。公式の位置づけはあくまで同社ラインナップの中で最も低トルクな設計、です。ここを正しく理解しておかないと、過度な期待をして肩透かしを食らいます。
2025年11月に登場したOCモデルは、Phantom 11R OCとStudio Style Fastback OCの2機種。他社の低トルク系パターが独特で異形な形状になりがちなのに対し、キャメロンのOCは既存の見慣れたヘッドシェイプの中で低トルク性能を実現しているのが最大の強みです。とくにFastback OCはSCSインサート+チェーンリンクミーリングを搭載しており、低トルク設計と、キャメロンならではの柔らかい打感を両立している点は他社に対する明確なアドバンテージですね。Phantom 11R OCはフルフェースのチェーンリンクミーリング仕様で、左利き用も用意されています。
スペック面でも通常モデルと差があるので、押さえておきましょう。OCモデルはヘッド重量が標準モデルより10グラム重く、それに合わせてやや硬めの専用ブラックシャフトを装着。シャフトリーンは1度とごくわずかで、ニュートラルなハンドポジションを促します。グリップはテーパー形状のMatador Mid。ロフト3.5度、ライ角70度、長さは33/34/35インチ展開です。ロフトやライ角を調整しても低トルク性能は損なわれない、と公式が明記しているのも実用上ありがたい情報だと思います。
ただし正直に書いておくと、OCは万人向けではありません。フェースの開閉を感じながら振りたい人、手の感覚でフェースを合わせるのが得意な人にとっては、逆に「操作できない」ストレスになる可能性があります。向いているのは、公式も述べている通りフェースローテーションを極力減らしたい人、真っすぐ引いて真っすぐ出す感覚を強く求める人。ここは好みの問題というより、ストロークの根本タイプの問題です。
【2026年の現在地】ファントムはSCS世代へ移行済み
ここが2026年に読んでいる方にとって、いちばん重要な情報かもしれません。スコッティキャメロンは2026年1月20日に新Phantomマレットラインを発表し、2月27日に世界発売しています。
この2026年 Phantomの最大の変更点は、全モデルにフルフェースのSCSインサートとチェーンリンクミーリングを搭載したこと。2025年にStudio Styleだけの特権だった柔らかい打感が、ついにマレットにも降りてきた形です。ヘッド形状はPhantom 5/7/9Rの3種、ネックとシャフトの組み合わせは9通り。Phantom 5には初めてOC構成(Phantom 5 OC)が加わり、Phantom 7には新たにダブルベントシャフト仕様が登場しました。その後、Phantom 3.2とPhantom 12も追加されています。
Studio Style側も止まっていません。2026年1月20日発表、2月12日発売で、Santa Fe(フローネックで最大のトゥフローを持つニューポート系ブレード)、Fastback 2(プラミングネック仕様のミッドマレット、左利き用あり)、Fastback 2 Long Designの3モデルが追加されました。
つまり2026年現在、SCSインサートとチェーンリンクミーリングは、もはや「2025年モデルの特徴」ではなく、スコッティキャメロンの標準技術になっているんです。これは2025年モデルを検討している人にとって、実はかなり大きな意味を持ちます。詳しくは後半の「今買うのはアリか」で掘り下げますね。
発売日と日本での価格|正規品と並行輸入、どちらを選ぶか
さて、ここまで見てくると、やはり最も現実的に気になるのが「いつ、いくらで手に入るのか」ですよね。まずは事実関係を時系列で整理しておきましょう。
| シリーズ | 発表 | 世界発売日 |
|---|---|---|
| 2025 Studio Style(12モデル) | 2025年1月21日 | 2025年3月14日(予約開始2月25日) |
| Phantom 5.2/7.2 | 2025年1月 | 2025年2月14日(先行予約1月29日) |
| Studio Xperimental Limited | 2025年10月 | 2025年10月31日(先行予約10月28日) |
| OC(Phantom 11R OC/Studio Style Fastback OC) | 2025年11月4日 | 2025年11月14日 |
| 2025 My Girl “Pink & Pearls” | 2025年11月 | 2025年11月21日 |
| H25 Limited Teryllium Newport 2 | 2025年12月 | 2025年12月19日 |
| 2026 Studio Style 追加3モデル | 2026年1月20日 | 2026年2月12日 |
| 2026 Phantom マレット | 2026年1月20日 | 2026年2月27日 |
日本では、タイトリストの正規取扱店を中心に、発売日のかなり前から予約受付が始まります。特にニューポート2のような人気モデルは、初回入荷分が予約だけで埋まってしまうことも珍しくありません。発売日当日にふらっとお店に行っても、実物を触ることすらできない…なんてことも十分に考えられます。本気で購入を考えているなら、早めに信頼できるショップへ問い合わせておくのが賢明でしょう。
日本正規価格(2026年7月時点の公式サイト掲載価格)
価格は変動するものなので、必ず購入前に公式で最新を確認してほしいのですが、現時点でタイトリスト日本公式サイトに掲載されている価格を整理すると次のようになります。
| カテゴリー | 米国MAP | 日本価格(税込) | 長さ |
|---|---|---|---|
| Studio Style 標準モデル | $499 | ¥82,500 | 33″/34″/35″ |
| Studio Style Long Design | $549 | ¥88,000 | 38″ |
| Studio Style Fastback OC | $549 | ¥90,200 | 33″/34″/35″ |
| Phantom 標準モデル | $499 | ¥82,500 | 33″/34″/35″ |
| Phantom 5 OC/11R OC | $549 | ¥90,200 | 33″/34″/35″ |
この表を見て「OCだけ高いな」と思った方、鋭いです。OCモデルは専用ブラックシャフト、10グラム増しのヘッド、Matador Midグリップと、標準モデルとは構成部品が異なります。単なるブランド料の上乗せではなく、中身が違うことによる価格差だと理解しておくといいと思います。
並行輸入品との価格差をどう考えるか
ご存知の通り、日本正規品と、海外仕様を輸入した並行輸入品では販売価格に差が出ることがあります。ただ、ここで具体的な実勢価格レンジを断定するのは避けます。理由はシンプルで、為替レート、在庫状況、ショップの仕入れ時期によって、数か月単位で大きく動くからです。「並行輸入は必ず安い」とも言い切れません。円安が進んだ局面では、正規品との差がほとんどなくなる、あるいは逆転するケースも実際にあります。
だからこそ、判断は「今この瞬間の実売価格を両方見比べる」の一択。そのうえで、価格差が保証やサポートを手放すに値するかを考える、という順番になります。
価格的なメリットの裏には、無視できないリスクがあります。最も大きいのは、日本の正規流通品を対象としたメーカー保証の対象外になるという点です。具体的には次のような可能性を想定しておく必要があります。
・保証対象外:初期不良があった場合でも、国内窓口での無償対応を受けられないことがあります。
・修理・調整の制限:ライ角やロフト角の調整、シャフト交換などを国内の正規窓口で断られる、あるいは追加費用がかかる場合があります。
・カスタムショップ利用のハードル:スタンプ追加や色入れなどを行うスコッティキャメロン カスタムショップへの依頼手続きが、国内窓口経由では取り次いでもらえないことがあります。事前に必ず確認してください。
・偽物のリスク:信頼性の低い業者から購入した場合、精巧な模倣品をつかむリスクがゼロではありません。
対応可否はショップや時期によって変わるため、購入前に「日本国内で修理・調整・カスタムを受けられるか」を販売店とタイトリスト日本の窓口の両方に確認するのが確実です。この価格差を「安さ」と見るか、「安心と保証を手放すコスト」と見るか。慎重な判断が求められます。
試打で確かめるべき打感の進化|見るべきは3か所
スペックやテクノロジーの解説をどれだけ読んでも、パターの本当の良さは、実際にボールを打ってみないと分かりません。特に今回の2025年モデルは「打感の追求」が大きなテーマですから、もし試打できる機会があれば、ぜひその進化を自身の感覚で確かめてみてください。ただ、なんとなく打つだけだと「うん、いい感じ」で終わってしまうので、チェックポイントを絞っておきましょう。
第一に確認すべきは、「柔らかさと、フィードバックの明確さが両立しているか」です。SCSインサートが生み出す打感は、間違いなく「柔らかい」と感じるはずです。しかし、ただフニャフニャして頼りない柔らかさとは違います。芯を捉えたときには、湿り気と手応えのある、心地よい感触が手に伝わってきます。
一方で、少し芯を外すと、その感触が微妙に変化するはず。「あ、今のはトゥ側だったな」という情報が手に残るかどうか。この「柔らかいのに、ボヤけていない」という絶妙なバランスこそ、二重の振動減衰システムが機能している証拠です。ここが感じ取れないなら、そのモデルはあなたの感性と合っていない可能性があります。
過去モデルとの打感比較で、好みをはっきりさせる
もし可能であれば、ここ数年の主流だったソリッドミルド製法の「スーパーセレクト」シリーズなどと打ち比べてみることを強くお勧めします。スーパーセレクトが硬質で澄んだ金属的な打音・打感なのに対し、2025年のスタジオスタイルは、より低く落ち着いた、ボールがフェースに長く触れているかのような感触になります。
どちらが良い悪いという話ではなく、これは完全に好みの問題です。硬い打感のほうが距離感を出しやすい人もいれば、柔らかいほうが強く打ち切れる人もいる。自分がどちらのフィーリングを心地よいと感じ、どちらの方が距離感をイメージしやすいか。それを確かめることが、最高の相棒を見つけるための最も重要なプロセスになります。
打音に耳を澄ませる
もう一つ、試打の際にはインパクトの「音」にも集中してみてください。前述の通り、打感と打音は密接にリンクしています。SCSインサートは音の持続時間を短くすることで柔らかさを作り、チェーンリンクミーリングは接触点を減らすことでさらに音を和らげる設計です。
静かなパッティンググリーンで耳を澄ませば、そのチューニングされたサウンドが、あなたの感性を研ぎ澄ませてくれるかもしれませんよ。ちなみに、屋内の試打スペースは音が反響しやすく、印象が変わります。可能なら屋外の練習グリーンでも打たせてもらうと、より実戦に近い判断ができます。
試打チェックリスト(この順番で試すと迷いません)
1. まず構えるだけ(ボールを打たない)
トップラインの厚み、サイトラインの見え方、ソールの座り。ここで違和感があるモデルは、打つ前に候補から外していいです。パターは「見た目の安心感」が半分を占めます。
2. 1メートルを10球
いちばん大事なレンジ。芯を外したときに手に情報が残るかを確認します。カップインの本数より「打ったあとに何が起きたか説明できるか」を見てください。
3. 5メートルを10球
距離感の作りやすさを確認。ショートが続くなら打感が柔らかすぎるサイン、オーバーが続くなら弾きが強すぎるサインかもしれません。
4. 意図的にトゥ・ヒールで打つ
各3球ずつ。転がりの落ち方と、手に返ってくる情報の差を体感します。ここでの差が小さすぎるモデルは、フィードバック重視の人には向きません。
5. 候補2本を交互に5球ずつ
最後は比較。単独で打つと全部良く感じるので、必ず交互に打ってください。「戻りたくなるほう」が答えです。
後悔しない!スコッティキャメロン2025購入ガイド
2025年モデルの魅力にすっかり心を奪われてしまった方も多いのではないでしょうか。しかし、高価な買い物だからこそ、絶対に後悔はしたくないですよね。ここからは、資産としての価値を持つ限定モデルの世界から、巧妙な偽物を回避するための知識、ライバル製品との比較、そして2026年の今どう判断すべきかまで、購入前に必ず知っておくべき情報を深掘りしていきます。
2025年の注目限定モデル|公式情報で見る実像
スコッティキャメロンのブランド価値を語る上で欠かせないのが、数量限定でリリースされる「リミテッドモデル」の存在です。これらは単なるゴルフギアという範疇を超え、コレクターズアイテムとしての側面を強く持っています。優れたデザイン性と希少性から、発売と同時に完売し、二次市場では定価を上回る価格で取引されることも珍しくありません。
ただ、限定モデルほどネット上に不正確な情報が混ざりやすいのも事実。ここでは公式が発表している内容だけを整理しておきます。
■ H25 Limited Teryllium Newport 2
2025年12月19日、世界の一部タイトリスト正規取扱店で限定発売。「H25」は Holiday 2025 を指します。かつてキャメロンの代名詞だったテリリウム(銅合金)フェースインレイを、現代仕様で再導入したモデルです。公式が挙げている仕様は、グレーの振動減衰材、メタリックカッパーで色入れされたミルドサイトドット、そして反射を抑えるブラックPVD仕上げ。長さは34.5インチで、Tour Blackシャフト、グレーのBaby Tグリップ、H25 Limitedシャフトバンド、専用ヘッドカバーが組み合わされます。最も人気の高いニューポート2形状という点でも、中古市場での評価が安定しやすいタイプと言えるでしょう。
■ 2025 My Girl “Pink & Pearls”
2025年11月21日、一部のタイトリスト取扱店で限定発売。毎年恒例の特別モデルで、2025年はプロトタイプのPhantom 5デザインをベースにした34インチのコンパクトマレット。303ステンレススチールと6061航空機グレードアルミニウムから削り出されています。ピンクとパールをモチーフにした装飾は、実用品というより工芸品の趣。スペック自体は実戦的なので、実際に使う人もいれば、飾る人もいる、という一本です。
■ Studio Xperimental Limited(Fastback 2/Squareback 2)
2025年10月28日から先行予約、10月31日発売。ツアープロトタイプに着想を得た仕様が特徴で、両モデルともIビーム・プラミングネック、ツアーで好まれるスチールグレーPVD仕上げ、そしてブラックのグラファイト(カーボン)シャフトを装着。キャメロンの市販リリースでグラファイトシャフトが採用されるのは極めて異例です。SCSインサートとチェーンリンクミーリングも搭載し、インサートはPVDに合わせてブラックニッケルメッキ仕様。価格は$850でした。
そして面白いのが後日談。ここで初めて公開された「プラミングネックのFastback=Fastback 2」という組み合わせが、2026年2月に市販モデルとしてStudio Styleラインに正式追加されたんです。限定モデルが翌年の市販ラインを先取りしていた、というわけですね。
限定モデルを狙う場合、正直に言えば「情報を追う速度」がすべてです。公式のニュースページやSNSをフォローしておき、先行予約の初日に動けるかどうか。発売日を待っていては、まず手に入りません。そしてもうひとつ、限定モデルは二次市場価格が高騰しやすい分、模倣品のターゲットにもなりやすいということも忘れないでください。
巧妙な偽物の見分け方|自己流鑑定の限界も知っておく
これだけ世界的な人気を誇るブランドの宿命として、残念ながら非常に精巧に作られた偽物が市場に流通しています。特にオンラインオークションやフリマアプリ、信頼性の低い並行輸入業者などを利用する際には、細心の注意が必要です。ここでは2025年モデルに特化した目視チェックポイントを挙げますが、最後に必ず読んでほしい注意書きも添えておきますね。
チェックポイント①:インサートの境界線と固定ネジ
本物のSCSインサートは、303ステンレススチールのボディとは別のパーツとして加工され、振動減衰材とネジを介してヘッドに固定されています。そのため、ヘッドを光にかざして角度を変えながら観察すると、ボディとインサートの間に均一で微細な境界線が確認できるはずです。
コストを削った模倣品の多くは、ヘッド全体を一つの型で成型し、インサートに見える部分に溝を彫って色を塗っているだけ。この場合、金属パーツとしての境界線は存在せず、のっぺりとした一体感になります。また、インサートを固定しているネジも要チェック。処理が雑だったり、ネジの頭が飛び出していたりするのは危険信号です。
チェックポイント②:ミーリングの深さと鋭さ
本物の「チェーンリンク・フェースミーリング」は、CNCミルで削り出された物理的な凹凸です。爪の先で軽く表面をなぞると、明確なザラつきと引っ掛かりを感じるはず。これが接触点を減らし、独特の打音を生み出しています。
一方、模倣品はレーザーエッチングなどで表面に模様を「描いている」だけのものが多く、触るとツルツルしていたり、彫りが浅くエッジが立っていなかったりします。見た目は似ていても、機能性がまったく伴っていないわけですね。写真だけでは判断しづらい部分なので、対面取引なら必ず指で触らせてもらってください。
チェックポイント③:チェリードットの質感
バックフェースを彩る3つの赤いドット、通称「チェリードット」。公式によれば、2025年 Studio Styleではステンレスに削り込まれた円に、チェリーレッドの半透明(トランスルーセント)塗料が入れられています。ただの赤色ではないんですね。
強い光を当ててよく見ると、塗料の奥にある削り跡がうっすら透けて見えたり、濡れているような深みのある光沢感があるのが特徴です。不透明な赤をベタ塗りしていて、プラスチックのような平坦な質感に見えるなら、疑ってかかったほうがいいでしょう。ちなみに、サイトラインなどの他の刻印にはジェットブラック、ゴールド、チェリーレッドの半透明塗料が使い分けられています。
「ステンレス製のパターは磁石に付かない」という鑑定法が広く知られています。理屈の上では、2025年 Studio StyleはSCS(炭素鋼)インサート+303ステンレスボディという構成なので、フェース中央と周囲で磁石の反応差が出る可能性はあります。
ただし、これはメーカーが公表している鑑定方法ではありません。表面のメッキ処理や磁石の強さ、当てる角度によって結果はブレますし、「磁石テストに合格したから本物」とは絶対に言えないのが実情です。近年の模倣品は素材構成まで寄せてきますから、自己流の判定に頼るのは危険。
確実性を求めるなら、スコッティキャメロンが公式に提供しているAuthentication(真贋判定)サービスを利用するのが正解です。カスタムショップでパターを直接検査してもらえます。また、タイトリスト日本の公式サイトにも模倣品に関する注意喚起ページが用意されています。高額な買い物だからこそ、最後は公式に頼りましょう。
中古で狙う場合の相場感や、より詳しい鑑定手順については、スコッティキャメロン パター 中古|相場と偽物の見分け方で詳しくまとめています。また、タイトリスト製品全般の模倣品対策はゴルフクラブの偽物見分け方完全ガイド:タイトリスト編が参考になるはずです。どちらもフリマアプリで買う前に一度目を通しておくと、防げる失敗がかなりあると思いますよ。
競合モデルとの比較|キャメロンが選ばれる理由と、選ばれない理由
スコッティキャメロンが素晴らしいパターであることは間違いありませんが、市場には他にも優れたライバル製品があります。ここでは代表的な考え方の違いを整理して、キャメロン2025の立ち位置を明確にしてみましょう。なお、各社とも毎年ラインナップが更新されるため、具体的な最新モデル名やスペックは各メーカーの公式サイトでご確認ください。
「寛容性で守る」思想:オデッセイ系
現在のパター市場で最も勢いのあるブランドの一つがオデッセイです。同社のAi設計インサート系モデルの狙いは明快で、芯を外してヒットした際のボールスピードの落ち込みを抑えること。多少の打点のズレなら距離感が大きく狂いにくい、という分かりやすく実利的なメリットを提供してくれます。
これに対し、スコッティキャメロンの哲学は「打感とフィードバック」にあります。ミスはミスとしてプレーヤーの手に伝わる。ただ、その繊細なフィードバックがあるからこそ、自分のストロークの癖を理解し、練習で修正していける、という考え方です。
どちらが優れているという話ではありません。今すぐスコアを安定させたい、道具に助けてほしいならオデッセイ系、自分の感覚を磨きながら道具を使い込みたいならキャメロン。この棲み分けは、2025年モデルになっても基本的に変わっていないと思います。
「削り出しの純度」で勝負:Ping PLD Milled系
スコッティキャメロンと同じく、精密な削り出し製法にこだわるハイエンドラインとして、PingのPLD Milledシリーズも高い評価を得ています。使用される素材にも303ステンレススチールが用いられ、品質面では甲乙つけがたいライバルです。
ただ、2025年のキャメロンとの間には明確な違いが生まれました。PLDの主力はインサートを持たないソリッドモデルが中心で、打感・打音は硬質でソリッド。インパクトのエネルギーがダイレクトに伝わる感覚を好むプレーヤーに支持されています。一方、2025年のキャメロンはSCSインサートによってより柔らかく、音の余韻が短い打感へ舵を切りました。
これは優劣ではなく、どちらのフィーリングを距離感の基準にするかという哲学の違いです。Pingのパターづくりの歴史や選び方についてはPINGパター名器の歴史と選び方:最新ANSERモデルを徹底解説でも触れているので、比較検討中の方は参考にしてみてください。
2025年モデルで評価が分かれやすいポイント
発売から時間が経ち、実際にコースで使い込んだ人の声も見えてきました。ここでは特定の口コミを引用する形ではなく、公式スペックから客観的に「ここは人によって評価が割れる」と言える箇所を整理しておきます。買う前に自分がどちら側かを考えておくと、失敗が減りますよ。
割れやすいポイント①:標準グリップ「Full Contact Slim」
2025年 Studio Styleの標準グリップは、フェースのミーリングに合わせたチェーンリンクテクスチャを持つFull Contact Slimというパドル形状のモデルです。公式は「独特の輪郭とフラットトップにより、手とパターの接触感と体のアライメントを高める」と説明しています。
ただ、名前の通り「スリム」系。近年主流の太めグリップ(ミッドサイズやジャンボ)に慣れている人にとっては、細く感じる可能性があります。手首を使いたくない人ほど太めを好む傾向があるので、普段ミッドサイズ以上を使っている方は、交換前提で予算を組んでおくと安心かなと思います。逆に、指先の感覚で距離を出すタイプの人にはむしろ好相性です。
割れやすいポイント②:価格
日本正規価格で8万円台。これは、誰にでも気軽に勧められる金額ではありません。特に、パターにこれまで2〜3万円しかかけてこなかった人にとっては、心理的なハードルがかなり高いはずです。
ここは正直に書きますが、「8万円のパターを買えばスコアが縮む」とは限りません。パッティングはストローク技術とグリーンの読みが支配する領域で、道具はそれを補助するものです。ただ一方で、パターは1ラウンドで最も多く握るクラブでもあります。構えるたびに気分が上がるかどうか、という要素を無視できないのも事実。この判断は完全に価値観の問題です。
割れやすいポイント③:柔らかい打感そのもの
意外に思うかもしれませんが、「柔らかい打感」は万人向けではありません。硬質な打感のほうがインパクトのタイミングを取りやすい、という人は確実にいます。特に遅いグリーンで強く打つ機会が多い人は、柔らかい打感だとショートしやすいと感じるケースがあります。
だからこそ、前述の試打チェックリストが効いてきます。5メートルの距離感テストで、ショートが続くようなら合っていないサイン。「評判がいいから」ではなく「自分の距離感が合うから」で選ぶ。これに尽きます。
失敗しやすい選び方3パターンと、その回避策
ここまでの内容を、あえて「失敗例」の形で整理してみます。心当たりがあったら、立ち止まってみてください。
失敗①:ツアープロが使っているから、で選ぶ
プロのストロークとあなたのストロークは違います。特にネック形状は軌道との相性がすべて。回避策は、まず自分の軌道タイプを把握してから候補を絞ること。前述の早見表を使ってください。
失敗②:見た目だけで「プラス」や「マレット」を選ぶ
ヘッドが大きくなるほど安定しますが、同時に「操作している感覚」は減ります。手の感覚でフェースを合わせているタイプの人が高MOIモデルに変えると、逆に方向性が乱れることがあります。回避策は、必ず現在使用中のパターと交互に打ち比べること。
失敗③:長さを確認せずに34インチを買う
日本では34インチが標準扱いですが、身長やアドレス姿勢によっては33インチのほうが自然に構えられる人も多いです。長すぎるパターは手元が浮き、体から離れた不安定なストロークを招きます。回避策は、購入前に必ず長さの適正を確認すること。33/34/35インチが用意されているのは、そこに意味があるからです。
2026年の今、2025年モデルを買うのはアリか?
さて、ここがこの記事でいちばんお伝えしたいところかもしれません。すでに触れた通り、2026年2月には新しいPhantomマレット群とStudio Styleの追加モデルが登場しています。では、2025年モデルはもう選ぶ意味がないのでしょうか。
私の答えは「モデルによってはむしろ今が狙い目」です。理由を3つ挙げますね。
理由1:中核技術が世代交代していない
2026年 Phantomの目玉は「SCSインサートとチェーンリンクミーリングの搭載」です。つまり、2025年 Studio Styleが先に手に入れていた技術が、翌年に他シリーズへ広がったという構図。フェース技術そのものは置き換わっていません。2025年 Studio Styleを買っても「一世代前の打感」にはならない、ということです。
理由2:Studio Styleラインは継続販売されている
2026年のStudio Styleは、既存モデルを廃止して入れ替えたのではなく、Santa Fe・Fastback 2・Fastback 2 Long Designを「追加」する形でした。Newport、Newport 2、Newport 2.5 Plusといった主力は現行として並んでいます。日本正規価格も¥82,500のまま。焦って型落ちを探す必要は、実はそれほどありません。
理由3:中古市場に2025年モデルが出回り始めるタイミング
新モデル登場後は、買い替え組が手放した個体が中古市場に流れ込みます。状態の良い2025年モデルを、新品より抑えた価格で見つけられる可能性は高まります。ただしこれは同時に、模倣品や状態表記が曖昧な出品も増えるということ。だからこそ、前述の鑑定ポイントと公式の真贋確認サービスが効いてきます。
逆に「待ったほうがいい人」もいます。マレットが欲しい人です。2025年のPhantomはソリッドフェースなので、SCSの柔らかい打感を求めるなら2026年 Phantomを選ぶべき。ここは明確に世代差が出ている部分なので、混同しないようにしてくださいね。
よくある質問
総括:スコッティキャメロン2025は買いか
ここまで技術的な特徴から各モデルの詳細、購入時の注意点まで、かなり長く見てきました。最後に、「スコッティキャメロン2025年モデルは“買い”なのか」という問いに、私なりの答えを出しておきますね。
結論から言えば、「過去のシリーズ名を借りながら、素材も加工も完全に作り直した、ここ数年で最も打感にこだわったラインナップ」であり、打感を重視する人にとっては十分に“買い”だと思います。特に、この世代で導入されたSCSインサートとチェーンリンクミーリングが、翌2026年にPhantomへも展開されたという事実が、その完成度を裏付けているんじゃないでしょうか。
ただし、万人向けではありません。誰に向いていて、誰には向いていないのか。ここをはっきりさせておきます。
■ 打感とフィーリングを何よりも重視する人へ
近年のソリッドミルドの硬い打感がどうしても合わなかった、あるいはかつてのカーボンスチールパターの柔らかい感触が忘れられない、という方。Studio Style Newport 2をまず試してみてください。メンテナンスの心配をせずに、あの系統の打感が手に入ります。標準的なアーク軌道の人なら相性も良いはずです。
■ ブレードの構えやすさと安定性を両立させたい人へ
見た目はシャープなブレードが好きだけど、マレットのミスへの強さも捨てがたい。そんな方にはNewport 2 Plusが有力候補です。6061アルミソールプレートによる周辺重量配分で、見た目以上の安定感があります。
■ フェースの開閉を極力減らしたい人へ
真っすぐ引いて真っすぐ出す感覚を求めるなら、Studio Style Fastback OCという選択肢があります。SCSインサートを積みながら低トルク設計、という組み合わせは現状ここだけ。ただし操作感を求める人には合いません。
■ 逆に、今回のモデルが向いていない人
硬い打感でタイミングを取っているタイプの方、遅いグリーンで強めに打つ機会が多い方は、無理に乗り換える必要はないと思います。また、マレットでSCSの打感を求めるなら2026年 Phantomを見るべきです。
購入ルートの選び方と、次にやること
購入ルートについて。並行輸入品との価格差は確かに魅力的ですが、ここまで解説してきた模倣品のリスク、メーカー保証、将来的なカスタムの可能性を考えると、私としてはタイトリスト正規取扱店で日本正規品を購入することをお勧めします。価格差は、安心と将来のサポートを確保するための保険料と考えれば、十分に納得できる範囲ではないでしょうか。
では、この記事を読み終えたあと、具体的に何をすればいいか。おすすめの順番はこうです。
ステップ1:自分のストローク軌道を確認する(練習マットにスティックを1本置くだけでOK)
ステップ2:早見表でネック形状を絞り、候補を2〜3本にする
ステップ3:正規取扱店やフィッティング施設で、候補を交互に打ち比べる
ステップ4:長さとグリップの適正を確認したうえで、公式サイトで最新価格と在庫をチェックする
特にステップ3は飛ばさないでください。8万円のパターを、写真とレビューだけで決めるのはあまりにもったいないです。スコッティキャメロンはギャラリーでのフィッティングも提供していますし、国内の正規取扱店でも試打できる機会は用意されています。
2025年のスコッティキャメロンは、道具という枠を超えて「使い込むほど愛着が湧くもの」としての価値と、実戦で機能する性能を、高いレベルで両立させたモデルだと思います。このパターと一緒にグリーンに立つ時間が、あなたのゴルフをもう少し楽しいものにしてくれたら嬉しいですね。
本記事に記載している価格、発売日、スペックは、スコッティキャメロン公式サイトおよびタイトリスト日本公式サイトで確認した2026年7月時点の情報です。これらは予告なく変更される場合があります。最新かつ正確な情報は、必ずスコッティキャメロン公式サイトおよびタイトリスト日本公式サイトでご確認ください。また、クラブ選択の最終的な判断については、専門のフィッターにご相談されることをお勧めします。

