シャフト選び、本当に悩みますよね。私もそうでした。「ベンタスブルーの5S」って、名前は知ってるけど自分に合うのかどうかがまるで分からない。50g台という数字を見て「軽すぎない?」と不安になったり、逆に「ベンタスってプロが使うやつでしょ、硬すぎるんじゃ?」と怖くなったり。だいたいこの2つの間で行ったり来たりします。
私自身、過去に「男なら60g台のSだ」という古い常識にとらわれて、無理な重量でスイングを崩してスコアを落とした苦い経験があります。あのときは本当にもったいないことをしました。でも、いまのシャフトは当時とは前提が違うんですよね。軽くても剛性を確保できる、いわゆる「軽量高剛性」の流れが完全に主流になっています。
この記事では、藤倉コンポジットの公式スペックという「確かな数字」を土台にしながら、振動数や重量の見方、そしてどんなヘッドと組ませると噛み合うのかまで、順番に整理していきます。カタログを眺めるだけでは絶対に分からない部分。ここを一緒に潰していきましょう。
・ベンタスブルー5Sが合う人と、正直やめておいたほうがいい人の具体的な線引き
・公式スペック(重量・トルク・調子)の正確な数字と、その読み解き方
・振動数を「自分のクラブで」正しく判断するための前提条件と手順
・6S、TRブルー、ブラック、レッドとの違いを一枚の表で比較
・大型ヘッド全盛の時代に、どんなヘッドと組ませると性能が出るのか
・先端カットや長尺化など、振り心地を微調整するための現実的な手段
ベンタスブルー5Sが合う人は?結論を先にお伝えします
長い記事なので、先に結論だけ置いておきますね。あなたが当てはまるかどうか、ここでざっくり判定できます。
| タイプ | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| ヘッドスピード40〜44m/sで、球を「押していく」イメージが好き | かなり合う | 剛性感と重量のバランスがちょうど噛み合う中心層です。 |
| 60g台のSを使っていて、ラウンド後半にバテる自覚がある | 合う可能性が高い | 総重量を10g前後落とせるので、振り切れる時間が長くなります。 |
| 大型で慣性モーメントの大きいヘッドを使っている | 相性がいい | ヘッドの捻れを抑える設計なので、重ヘッドとの組み合わせで真価が出ます。 |
| 左のミス(引っかけ・チーピン)が怖くて振り切れない | 合う | 先端側が暴れにくいので、思い切って振っても左に飛び出しにくいです。 |
| ヘッドスピード37m/s以下、または球が上がらないのが悩み | 合わないかも | しならせる入力が足りず、低い右系のミスが増えやすいです。 |
| シャフトの「走り感」でボールを捕まえたいタイプ | 向いていない | ベンタスブルーは自分から捕まえにいくシャフトではありません。 |
| とにかく高弾道でキャリーを稼ぎたい | 要検討 | 弾道を上げる方向の設計ではないので、レッド系のほうが素直です。 |
ざっくり言うと、ヘッドスピード40〜44m/sで、左を怖がらずに振り切りたい人。これが中心層かなと思います。逆に「シャフトの力で球を上げたい・捕まえたい」タイプの方は、同じベンタスでもレッドを見たほうが幸せになれるはずですよ。
ここから先は、なぜそう言えるのかを数字で追いかけていきます。
ベンタスブルー5Sの公式スペックを数字で確認する

シャフトの話をするとき、いきなり「振り心地が」「タイミングが」と感覚から入ると、たいてい迷子になります。まずは動かしようのない数字から押さえましょう。ここが土台。
重量58.5g・トルク3.5・中元調子という事実
藤倉コンポジットの公式サイトに掲載されている「24 VENTUS」の製品詳細スペックによると、24 VENTUS BLUE の5番手は次のような数値になっています。
| モデル | フレックス | 製品長 | 重量 | トルク | Tip径 | Butt径 | 調子 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 24 VENTUS BL 5 | R | 46.0インチ | 58.5g | 3.7 | 8.50mm | 15.45mm | 中元 |
| 24 VENTUS BL 5 | S | 46.0インチ | 58.5g | 3.5 | 8.50mm | 15.45mm | 中元 |
| 24 VENTUS BL 5 | X | 46.0インチ | 59.0g | 3.3 | 8.50mm | 15.45mm | 中元 |
| 24 VENTUS BL 6 | S | 46.0インチ | 65.5g | 3.3 | 8.50mm | 15.40mm | 中元 |
| 24 VENTUS BL 6 | X | 46.0インチ | 66.0g | 3.1 | 8.50mm | 15.40mm | 中元 |
| 24 VENTUS BL 7 | S | 46.0インチ | 75.5g | 3.0 | 8.50mm | 15.40mm | 中元 |
ここで押さえてほしいポイントが3つあります。
ひとつ目。5S のトルクは3.5です。よく「ベンタスブルー5Sはトルク3.7」と書かれているのを見かけますが、3.7 は同じ5番手でも R フレックスの数値。フレックスが上がるほどトルクは小さくなるので、S は3.5、X は3.3という並びになります。細かい話ですが、他社シャフトと比較するときにここを間違えると結論がズレます。
ふたつ目。調子は「中調子」ではなく「中元調子」です。ここ、けっこう大事。中元というのは、しなりの中心がやや手元寄りにあるという意味で、先端側は動きにくい設計だということ。だから「シャフトが先で走って球を上げてくれる」タイプではないんですよね。切り返しで手元から中間にかけて粘り、インパクトでは先が暴れない。そういう挙動です。
みっつ目。58.5g という重量は「46インチの生シャフト」の値だということ。これを見落とすと話がおかしくなります。
「58.5g」なのに50g台と呼ばれる理由
「公式は58.5gなのに、なんでみんな50g台前半って言うの?」と思いませんでしたか。私も最初これで混乱しました。
答えはシンプルで、シャフトは46インチの状態で出荷され、そこから必要な長さにカットして組み上げるからです。ドライバーを45.25インチで組むなら、手元側を1インチ弱カットすることになります。カットする分だけ重量は落ちますから、組み上がったシャフトの実重量は50g台の中盤あたりに収まってくる、というわけです。
つまり「カタログ58.5g」と「組み上げ後は54〜56gくらい」は、どちらも間違いではありません。見ている場所が違うだけ。ネットで重量表記がバラバラに見えるのは、たいていこれが原因です。
シャフト単体の重量差より、実は「クラブ総重量」のほうが体感に効きます。ヘッド・シャフト・グリップ・接着剤・スリーブの合計が、あなたが実際に振る重さ。シャフトを5g軽くしても、グリップを10g重いものに替えたら意味が反転しますからね。数字を見るときは必ず総重量までセットで考えるのがおすすめです。
クラブ全体の重さやバランスの考え方については、ドライバーバランス表の正しい見方|HS別の適正値と鉛調整で失敗しないコツのほうで詳しくまとめています。総重量とバランスの関係がまだピンとこない方は、先にそちらを読んでおくとこの記事の理解が一段深まりますよ。
振動数から判断する5Sの真の硬さ
ここからは硬さの話。結論から言うと、ベンタスブルー5Sは、市場に溢れる一般的な「50g台のSフレックス」とは一線を画す、かなりしっかりした硬さを持っています。
目安として、45.25インチ前後で組み上げた個体では250cpm台前半あたりが報告されることが多いようです。一般的な純正シャフトのSフレックスは240cpm前後、柔らかいものだと230cpm台のものも存在しますから、単純比較すると純正Sより1フレックス以上は硬い計算になります。他社のカスタムシャフト(Tour AD や Diamana の50g台S)と比べても、数ポイント高めに出る傾向があるとよく言われますね。
振動数(cpm)は、クラブ長さ・ヘッド重量・グリップ重量・固定する位置・計測機の個体差で、簡単に5cpm以上動きます。ネットで見かける「◯◯は◯◯cpm」という数字は、あくまでその人の計測条件での値です。自分のクラブと比べたいなら、同じ工房で同じ機械を使って、自分の現在のクラブと候補のシャフトを続けて測ってもらうのが確実。絶対値より「差分」を見るのがコツですよ。
「50g台=軽くて柔らかい=非力な人向け」という図式は、このシャフトには当てはまりません。むしろ「軽量でありながら、しっかり叩いても左に行きにくい剛性を確保している」という点が最大の特徴です。公式が説明しているのは、複数の高弾性素材をバイアス層(斜めの層)に積層する VeloCore Plus テクノロジーによって、オフセンターヒット時のヘッドの捻れを抑えているという内容。素材の具体的な弾性率(何トン級か)まではメーカーが公表していないので、そこは断定を避けておきます。
ただし、単に「棒のように硬い」わけではないんですよね。中元調子のプロファイルなので、切り返しでは手元から中間にかけて適度な「タメ」を感じさせつつ、インパクトゾーンでは先端が暴れずに追従してくる。この剛性バランスの絶妙さが、ヘッドスピード42m/s前後のゴルファーにとって「重くはないけれど、しっかりした手応えがある」という感覚を生みます。
軽いからといって手打ちにならず、体幹を使って振る意識を持たせてくれる。言わば「スイングを良くしてくれる硬さ」かなと思います。

「HS40m/sなら純正Sで十分」という昔の常識は、ベンタスには通用しません。ここは「アスリートスペックの50g台」と割り切って考えたほうが、選択を間違えずに済みますよ。
振動数という指標そのものをもう少し体系的に理解したい方は、ゴルフシャフトの振動数とは?硬さの新基準でクラブ選びが変わるも参考にしてみてください。フレックス表記だけでは分からない部分が見えてきます。
トルク性能が飛距離に与える影響
ベンタスシリーズを語るうえで避けて通れないのが、代名詞とも言える「VeloCore(ベロコア)テクノロジー」です。24 VENTUS では、これがさらに進化した「VeloCore Plus テクノロジー」になっています。
注目してほしいのは、5S のトルク値「3.5」という数字。一般的に、シャフトを軽量化しようとするとカーボンの積層枚数を減らす必要があるため、どうしてもトルク(ねじれ)が大きくなり、数値的には4.0〜5.0以上になりやすいという物理的な制約があります。
トルクが大きいシャフトは、タイミングが取りやすい反面、インパクトでのヘッド挙動が不安定になりやすい。特に大型ヘッド(高慣性モーメントヘッド)と組み合わせた際に、ヘッドの開閉が遅れて右に抜けたり、逆に返りすぎて左に巻いたりする原因になります。
その点、ベンタスブルーの5番手は、50g台クラスでありながら3.0度台のトルクに収まっています。この「低トルク化」がもたらすメリットは、大きく2つ。
ひとつ目は、ミート率(スマッシュファクター)の安定です。芯を外した打撃時でも、ヘッドが当たり負けしてねじれる現象が抑えられます。ヘッドの捻れが少ないほどボールへのエネルギー伝達効率は落ちにくいので、結果としてボール初速のバラつきが小さくなる。飛距離そのものより、「飛ばない球が減る」という効き方をします。
ふたつ目は、サイドスピンの減少と方向性の安定です。インパクト時のフェース向きが安定するため、余計なスライス回転やフック回転がかかりにくくなります。これにより「曲がって飛距離をロスする」場面が減り、前へ前へと進む強い球が打ちやすくなる。キャリーだけでなく、ランを含めたトータル飛距離が伸びるのはこのためかなと思います。
ただ、いいことばかりではありません。低トルクということは、裏を返せば「シャフトがミスをごまかしてくれない」ということでもあります。ヘッドが返りきらないまま当たれば、そのまま右に出る。ここは正直に書いておきます。
ヘッドスピード別の適合判定と弾道イメージ
では、実際に様々なヘッドスピードのゴルファーが使うと、どうなるのか。ここがあなたにとっての適合性を判断する、いちばん重要な基準になります。
ヘッドスピード帯ごとの挙動と評価
| ヘッドスピード | 適合判定 | 想定される弾道イメージと評価 |
|---|---|---|
| 〜37 m/s | × 不適合 | 球が上がらず、右へのミスが出やすい。 シャフトをしならせるための入力エネルギーが不足しがちです。硬すぎて棒を振っているような感覚になり、無理に上げようとして煽り打ちになるリスクも。この帯域なら純正シャフトや、より先端が動くモデルのほうが素直に飛びます。 |
| 38 – 39 m/s | △ 要検討 | 低めのフェード系。ランは出るがキャリー不足になりやすい。 一発の飛びはあっても、平均するとボール初速が伸びにくい傾向。カスタムシャフト特有のシビアさが顔を出し始める領域です。どうしてもベンタスを使いたいなら、5R を選ぶか、より捕まりの良い VENTUS RED 5S を検討したほうがいいかなと思います。 |
| 40 – 42 m/s | ◎ 最適 | いわゆるゴールデンゾーン。中高弾道の強い球。 スピン量が過剰にならず、飛距離効率のいい弾道が出やすい帯域です。シャフトの中間部を適切にしならせることができ、かつ低トルクの恩恵でインパクトの当たり負けもありません。純正Sシャフトからの移行で、いちばん変化を感じやすい層。 |
| 43 – 44 m/s | ◯ 良好 | 左に行きにくい安心感と、振り抜きの良さ。 叩きにいっても左へ巻きにくいので、安心して振っていけます。60g台だとラウンド後半にバテてくる層にとって、50g台への軽量化はヘッドスピードの維持に効いてきます。1打目より、17打目・18打目のティーショットで差が出るイメージ。 |
| 45 m/s 〜 | △ 条件付 | ヒッタータイプだと動きすぎに感じる可能性。 スインガータイプなら問題ありませんが、切り返しが強いヒッタータイプの場合、しなり量が大きくなりすぎてタイミングが遅れることも。TR BLUE や BLACK、あるいは6Sへのステップアップを検討する領域です。 |
この整理からも分かる通り、ヘッドスピード40〜42m/sのゴルファーにとって、ベンタスブルー5Sは単なる軽量シャフトではなく「飛距離と安定性を両立させるための道具」になり得ます。「HS40m/sにはオーバースペックでは?」という心配は、あまり要らないかなと。
なぜHS40〜42m/sが「ゴールデンゾーン」になるのか
もう少し踏み込みます。この帯域が最適になる理由は、3つの条件が同時に成立するからです。
1つ目は、シャフトを「たわませられる」ギリギリのラインだから。中元調子は手元から中間がしなります。ここをしならせるには、切り返しでそれなりの負荷をかける必要がある。40m/s前後というのは、その負荷をかけられるかどうかの境界線あたりなんですよね。だから37m/s以下だと途端に「ただの棒」になってしまう。
2つ目は、総重量305g前後が振り切れる重さだから。後述しますが、5Sで組むとドライバーの総重量はおおむね300〜310gに収まります。この帯域のゴルファーにとって、これは「重すぎず、軽すぎず」の絶妙なライン。18ホール振り切れる重さです。
3つ目は、スピン量のコントロールがちょうど効くから。ヘッドスピードが40m/sを超えてくると、スピンが多すぎる球は吹け上がって損をします。先端が動きにくい設計はスピンを増やしにくいので、この帯域では効率のいい弾道につながりやすい。逆に37m/s以下だとスピンが足りず、球が落ちてしまうわけです。
要は、シャフトの設計思想とスイングの出力がきれいに噛み合うポイント。それがこの帯域、ということですね。
ヘッドスピード40m/s前後の方で、ベンタス以外の50g台も含めて幅広く比較したい場合は、ヘッドスピード40に合うシャフト決定版!2025年最新50g台を厳選で他メーカーの候補もまとめています。ベンタスブルーが本当に自分の一本なのか、横並びで見てから決めるのがおすすめですよ。
5S・6S・TR・ブラック・レッドの違いを整理する
ベンタスは色と番手と世代があるので、正直ややこしいです。ここで一度、公式スペックベースで横並びにしておきましょう。
| モデル(5番手S) | 重量 | トルク | 調子 | キャラクター |
|---|---|---|---|---|
| 24 VENTUS BLUE 5S | 58.5g | 3.5 | 中元 | 基準となる一本。安定性と扱いやすさのバランス型。 |
| 24 VENTUS BLUE 6S | 65.5g | 3.3 | 中元 | 同じ性格のまま重量アップ。総重量を上げたい人向け。 |
| 24 VENTUS RED 5S | 59.5g | 3.4 | 先中 | 先端側が動いてヘッドが走るタイプ。球を上げたい人に。 |
| 24 VENTUS BLACK 5S | 59.5g | 3.5 | 元 | シリーズ最硬派。左を完全に消したいハードヒッター向け。 |
| 26 VENTUS TR BLUE 5S | 61.0g | 3.4 | 中元 | 開繊クロス採用で中間部の剛性を強化。ブルーより手応えが強い。 |
この表、じっくり見てほしいんですが、けっこう発見があります。たとえば 26 VENTUS TR BLUE の5S は61.0g。ブルーの5S(58.5g)より2.5gほど重いんですよね。「TRも50g台でしょ」と思って選ぶと、組み上がったときに想定より重い、ということが起こり得ます。世代が変わるとスペックも変わるので、必ず最新の公式情報を確認してください。
ベンタスシリーズ全体の位置関係をもっと俯瞰で見たい方は、【2026最新】ベンタスシャフト分布図で完全理解!失敗しない選び方に分布図でまとめてあります。色と番手の関係が一枚で頭に入るので、迷子になりかけたらこちらへ。
6Sとの違いに見る重量フローの重要性
「5Sにするか、6Sにするか」。これはもう、多くのゴルファーが直面する永遠のテーマですよね。ただ、現代のドライバーヘッドの進化を考慮すると、判断基準はけっこうはっきりしています。「クラブ総重量と振り抜きの良さ」という観点です。
近年の大型ドライバーヘッドは、慣性モーメントを高めるためにヘッド重量そのものが重くなる傾向にあります。スリーブ込みで200gを超えることも珍しくありません。ここに60g台のシャフト(カット後でも60g以上)と標準的な50gのグリップを組み合わせると、クラブの総重量は315gを超えてくることがあります。
ヘッドスピード42m/s前後のアマチュアが、315g以上のクラブを18ホール通して振り切れるでしょうか。練習場のマットの上では打てても、コース後半で疲労によりヘッドスピードが落ち、振り遅れて右へのプッシュやスライスが出るようなら、それは明らかに重すぎのサインです。
一方、ベンタスブルー5Sを選べば、組み上げ後のシャフト重量は50g台中盤。総重量を305g前後に収めることが可能になります。この約10gの軽量化は、体感するとかなり大きいですよ。テークバックからフィニッシュまで一気に振り抜けるようになり、ヘッドスピードそのものが上がるケースもあります。しかも低トルクで挙動が安定しているので、軽くしてもミート率が落ちにくい。「軽くて速く振れるのに、当たり負けしない」。これが5Sを選ぶ最大のメリットかなと思います。
軽量化には副作用もあります。総重量が軽くなりすぎると、切り返しでクラブの重さを感じられず、リズムが速くなって手打ちになる方もいます。特に「ゆったり振ると当たるけど、速く振ると散る」タイプの方は要注意。5Sにして球が散るようになったら、それは軽すぎのサインかもしれません。その場合はグリップを重くする、鉛でバランス調整するなど、総重量側で微調整するのが現実的です。
ちなみに、アイアンとの重量フローも忘れずに。ドライバーを50g台にしたのに、アイアンが120g台のスチールのままだと、ドライバーだけ極端に軽い違和感が出ることがあります。セット全体で流れを作る意識、大事です。
TR・ブラック・レッドとの比較で選ぶ最適解
ベンタスシリーズの人気拡大に伴い、派生モデルも選択肢に入ってくると思います。ただ、これらはターゲット層が明確に違うんですよね。「色がカッコいいから」「プロが使っているから」という理由だけで選ぶと、けっこう痛い目を見ます。
VENTUS TR BLUE 5S との比較
TR BLUE は、最外装に独自の開繊クロス材(SPREAD TOW FABRIC)を採用し、中間部の捻れと曲げの剛性を高めたモデルです。公式もこの点を「ボールの散らばりを抑制する」効果として説明しています。
フィーリングとしては、BLUE が「全体が滑らかにしなる」のに対し、TR は「手元と中間がしっかりしていて、動く範囲が絞られている」感覚が強くなります。実質的に BLUE より半フレックスから1フレックス硬く感じるという声が多いですね。BLUE 5S では少し頼りない、あるいは切り返しでもっとシャキッとした反応が欲しいという HS43m/s 以上の層にマッチしやすいかなと思います。
ただし前述の通り、26 VENTUS TR BLUE 5S の公式重量は61.0g。BLUE の5Sより重いので、「硬さだけ上げたい」つもりで選ぶと重量まで一緒に上がります。ここは覚えておいてください。
VENTUS BLACK 5S との比較
BLACK は、シリーズ中で最もハードな「元調子・低トルク」モデルです。公式スペックでも調子は「元」と明記されており、24 VENTUS BLACK 5S は59.5g/トルク3.5。手元から先端まで、しなりを極力抑えた性格です。
これは、ハードヒッターが左へのミスを徹底的に消したい場合に選ぶスペックだと考えたほうがいいです。HS42m/s前後の方が選ぶと、球が上がらず、捕まらず、飛距離を大きくロスする可能性が高い。「ベンタスといえばブラック」というイメージだけで手を出すのは、正直おすすめしません。
VENTUS RED 5S との比較
意外と見落とされがちなのが RED です。24 VENTUS RED 5S は59.5g/トルク3.4で、調子は「先中」。つまり先端側が動いてヘッドが走るタイプです。
「ベンタスの安定感は欲しいけど、球が上がらないのは困る」「もう少し捕まってほしい」という方には、実は BLUE より RED のほうが素直に結果が出ることがあります。VeloCore Plus 自体は同じように搭載されているので、方向安定性の土台は共通。そのうえで弾道の高さと捕まりを足したい人向け、というポジションですね。
シャフトの「調子(キックポイント)」がそもそも何を意味するのか怪しい、という方は、図解:ゴルフシャフトのキックポイント(調子)の選び方【完全版】を先に読んでおくと、この比較が一気に腹落ちすると思いますよ。

HS40〜42m/sなら、まずはノーマルの「BLUE 5S」が基準。そこから「もっとしっかり感が欲しい」ならTR、「球を上げたい・捕まえたい」ならRED、という順序で考えるのが失敗しにくいです。
ベンタスブルー5Sと相性の良いヘッドの条件
シャフトの話ばかりしてきましたが、実はここが本題かもしれません。同じシャフトでも、組ませるヘッドで別物になります。モデル名を覚えるより、ヘッド側の「どの数値を見るか」を押さえたほうが長く使える知識になりますよ。
大型・高慣性モーメントヘッドとは好相性
結論から言うと、ベンタスブルー5Sがいちばん輝くのはヘッドが重くて、慣性モーメントが大きいモデルとの組み合わせです。
理由はシンプルで、慣性モーメントの大きいヘッドは「重くて、動かしにくくて、戻しにくい」から。ここに柔らかくてトルクの大きいシャフトを入れると、ヘッドが振り遅れてフェースが開いたまま当たりやすくなります。逆に、先端が暴れずヘッドの捻れを抑えてくれるシャフトなら、その暴れを抑え込める。噛み合うんですよね。
近年のドライバーは、テーラーメイド・キャロウェイ・ピン・コブラといった主要メーカーがどこも高慣性モーメント化を進めています。2026年モデルも各社から登場していますが、モデル名は毎年入れ替わるので、選ぶときは「ヘッド単体重量(スリーブ込み)」と「慣性モーメントの大きさ」を見てください。スリーブ込みで200gに近い、あるいは超えるようなモデルなら、5Sとの組み合わせは検討する価値ありです。
①ヘッド重量(スリーブ込み):総重量とバランスを決める最重要項目。200g前後なら5Sで総重量305g前後に収まりやすいです。
②慣性モーメント:大きいほど直進性は高いが、ヘッドが返りにくい。低トルクシャフトと相性◎。
③重心距離:長いほどフェースが返りにくい。左が怖い人には有利、捕まらない人には不利。
④重心深度・ロフト:深いほど球が上がりスピンも増える。中元調子で弾道が低めに出るなら、ロフトを1度上げるのが手っ取り早い解決策です。
低スピン系ヘッドと組ませるときの注意点
ここは失敗しやすいので、しっかり書いておきます。
ベンタスブルーは先端が動きにくい設計なので、そもそもスピンが増えにくいシャフトです。そこに、重心が浅くて低スピンを売りにしたヘッド(各社の「LS」「◯◯ TRIPLE DIAMOND」といったツアー系モデル)を組み合わせると、どうなるか。スピンが減りすぎて、球が落ちるという現象が起きることがあります。
ヘッドスピードが45m/s以上あるならそれで正解なんですが、40〜42m/s帯でこの組み合わせをやると、キャリーが伸びずに損をしがちです。低スピンヘッド+低スピンシャフト。この掛け算は、思っている以上に効きます。
対策としては、ロフトを上げる(9度なら10.5度へ)、スタンダードモデルやMAX系のヘッドを選ぶ、といったあたりが現実的です。「シャフトで抑えて、ヘッドで上げる」。この役割分担を意識すると、組み合わせで失敗しにくくなりますよ。
純正装着モデルとリシャフト品の違いにも注意
意外と知られていないんですが、メーカーのカスタムオーダーで装着されるベンタスと、シャフト単体で購入してリシャフトするベンタスは、必ずしも同一仕様とは限りません。仕向け先やロットによって、コスメや細かな仕様が異なる場合があります。
また、海外モデルと日本仕様で表記や取り扱いが異なることもあるので、購入時は「どのモデル・どの世代のものか」を必ず確認してください。中古市場で「ベンタスブルー5S」と書かれていても、初代なのか24モデルなのかで性格が変わります。ここは慎重に。
ベンタスブルー5Sを自分好みに調整する方法

市販の完成品や「吊るしのスペック」をそのまま使うのも、もちろんアリです。ただ、カスタムシャフトの醍醐味は、自分のスイングに合わせて微調整できるところ。ここからは少しマニアックですが、ポテンシャルをさらに引き出すための調整法を紹介します。
先端カットで剛性を高める調整法
もしあなたが HS43〜44m/s あって、「5Sだとタイミングによっては少し柔らかく感じる。でもTRや6Sに行くと重すぎるしハードすぎる」という絶妙な悩みを抱えているなら、チップカット(先端カット)が有効な解決策になります。
通常、シャフトの長さ調整はバット側(手元)をカットして行いますが、あえて先端(Tip側)を0.5インチほどカットしてからヘッドに装着することで、挙動を変えることができます。先端をカットすると最も動く部分が短くなるため、振動数が数cpm上昇し、先端の動きがより抑制されます。
これにより「5Sの軽快な振り心地はそのままに、インパクト付近での剛性感だけを少し高める」というカスタマイズが可能になります。捕まりすぎを抑えたい、弾道を少し低く抑えたい、という場合に効いてきます。
先端カットは一度やったら元に戻せません。やりすぎるとベンタスの良さである粘り感が消えてしまうので、まずは0.5インチから。また、先端をカットするとシャフトが短くなるぶん、同じ長さで組むにはバット側のカット量が減り、結果として重量やバランスも変わります。必ず工房と相談してから決めてください。メーカー保証の扱いも事前に確認を。
リシャフトの費用感や、どこに頼むかで迷っている方は、ゴルフパートナーのシャフト交換費用は工賃2,100円〜|持ち込み料金・納期を徹底解説で工賃や納期の目安をまとめています。持ち込みの可否など、事前に知っておくとスムーズですよ。
長さとバランスで振り抜きを改善
ベンタスブルー5Sの「軽量かつ高剛性」という特性を活かして、あえて45.5〜45.75インチといった長めの仕様にするのも、飛距離アップを狙ううえで面白い選択肢です。
物理的にシャフトが長くなれば、遠心力が大きくなりヘッドスピードは上がります。通常、長尺化するとミート率が下がったりシャフトが暴れたりするリスクがありますが、捻れを抑える設計のベンタスであれば、そのデメリットをある程度相殺できる。「長さでスピードを稼ぎ、シャフト性能でミート率を担保する」という、やや攻めのセッティングですね。
ただし、注意点があります。ヘッド重量が重いモデル(200g超)で長尺にすると、スイングバランス(D値)がD4〜D5といった過度な数値になり、振り感が極端に重くなることがあります。この問題への対策は、主に次の2つ。
- カウンターバランス系のグリップを使う:手元側が重いグリップを選ぶことで、数値上のバランスを下げられます。総重量は増えますが、振り感は軽くなる。
- ヘッドウェイトを交換する:純正ウェイトを軽いもの(-3g〜-5g)に交換して、ヘッド重量自体を軽くする。ウェイト交換に対応したモデルなら、いちばん確実な方法です。
これらの調整でD2〜D3といった適正なバランスに収め、長尺のメリットだけを受け取ることが可能になります。
長尺化は、当たれば飛びますが外すと大きく曲がります。まずは現在のクラブで、フェースのどこに当たっているかを確認してみてください。打点が上下左右に散っている状態で長くすると、散らばりがさらに広がるだけです。打点が安定してから長さに手を出す。この順番、けっこう大事かなと思います。
スライサーに合うのかを冷静に検証する

「ベンタスはツアープロ向けのハードなシャフトだから、スライサーには合わないのでは?」という不安、よく聞きます。私も最初はそう思っていました。
確かに、ベンタスブルーは自分からボールを捕まえにいくような「走り系」「捕まり系」のシャフトではありません。この点ははっきりしています。ただ、期待できる効果が別のところにあるんですよね。それが曲がり幅の縮小です。
スライスの原因のひとつに、インパクトでのトウダウン(ヘッドの先が下がる現象)や、フェースが開いて当たった際のギア効果による過度なサイドスピンがあります。VeloCore Plus は、この「ヘッドのブレ」を抑える方向に働く技術です。結果として、大きく曲がっていた球が、より小さいフェードに収まる可能性が出てきます。
つまり「スライスをドローに変える」魔法の杖ではありません。ここは正直に。致命的なスライスを、傷の浅いフェードに変えるという方向での貢献です。「捕まえて飛ばす」のではなく「曲がり幅を抑えてフェアウェイに残す」というマネジメントを重視するなら、スライサーが選ぶ意味は十分にあるかなと思います。
逆に、スライスの原因がスイング軌道そのもの(極端なアウトサイドイン)にある場合は、シャフトを替えても解決しません。そこは道具ではなく練習の領域。ここを混同すると、シャフト沼にはまります。私も一度はまりました。
フェアウェイウッドへの5S採用
ドライバーにベンタスブルー5Sを入れた場合、3番ウッドや5番ウッドのシャフトはどうすべきか。従来のセオリーでは「ドライバーの重量+10g」が基本とされるため、FWには6Sを入れるのが一般的でした。
ただ、最近はFWにもドライバーと同じ5Sを入れるというセッティングも増えています。ドライバーからの振り心地の流れを統一して、違和感を減らすという考え方ですね。特にアマチュアの場合、地面から打つFWは難易度が高く、重いシャフトだとダフリのミスが出やすい。5Sにすることで、軽快に払い打つイメージが出しやすくなる、という理屈です。
ただし、FWはドライバーよりヘッド重量が重いため、そのまま5Sを入れると先端が動きすぎる懸念があります。そこで、FW用に組む際はドライバーよりも先端を多めにカット(0.5〜1.0インチ程度)するのが定番の対処法。これで重量は軽くても、インパクトで当たり負けしない剛性を確保できます。
もし「FWはボールを上げたいから、もっとやさしくしたい」ということであれば、同じシリーズでも先端が動いてボールを拾ってくれる VENTUS RED 5S を FW に入れる組み合わせも有効です。ドライバーはBLUE、FWはRED。悪くない選択かなと思いますよ。
そもそもFW自体が苦手、という方は、やさしいフェアウェイウッドの名器【中古で探すのが正解!】でヘッド側の選び方もまとめています。シャフトを変える前に、ヘッドを見直したほうが早いケースも多いんですよね。
購入前に知っておきたい注意点と失敗しやすいポイント
いい話ばかり並べても仕方ないので、現実的な部分も書いておきますね。
価格と入手方法の目安
藤倉コンポジット公式サイトによると、24 VENTUS シリーズのメーカー希望小売価格は税込55,000円(税抜50,000円)と案内されています。この価格には組立費とグリップ代は含まれていませんので、リシャフトする場合は別途、工賃とグリップ代が必要になります。
入手経路としては、メーカーのカスタムオーダー、フジクラ公式オンラインストア、量販店や工房でのリシャフト、中古市場あたり。それぞれメリットと注意点があります。
| 入手方法 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| メーカーカスタム | 純正スリーブで確実。保証も安心。 | 納期がかかる。長さやバランスの指定に制限があることも。 |
| 工房でリシャフト | 長さ・バランス・振動数まで詰められる。 | 工賃が別途。スリーブの入手が必要。 |
| 量販店 | 試打してその場で相談できる。 | 在庫のあるスペックに選択肢が偏りがち。 |
| 中古 | コストを抑えられる。 | 世代・仕様の見極めが難しい。カット歴が不明なことも。 |
※価格・在庫状況・ラインナップは時期によって変わります。購入前に必ず公式サイトおよび販売店の最新情報をご確認ください。
よくある失敗パターン4つ
最後に、私が見聞きしてきた「もったいない失敗」を挙げておきます。
①重量だけで選んでしまう。「50g台だから軽い」で決めると、想定より硬くて振れない、ということが起こります。重量とフレックスは別の軸。必ずセットで考えてください。
②試打せずに買ってしまう。シャフトは体感の要素が大きいです。ヘッドとの組み合わせで印象が変わるので、可能なら自分のヘッドで試打するのがベスト。フジクラは公式サイトで試打会情報も公開しているので、タイミングが合えば活用したいところ。
③吊るしと工房組みを同じだと思ってしまう。同じ「ベンタスブルー5S」でも、長さ・バランス・グリップが違えば振り心地は別物です。友人のクラブが良かったからといって、同じシャフトを同じスペックで組めるとは限りません。
④シャフトだけ替えて満足してしまう。リシャフト後は、バランスとロフト・ライ角の再確認までがセットです。ここを飛ばすと、せっかくのシャフトが活きません。
シャフト選びの基礎をもう一度おさらいしたい方は、ドライバーシャフトの選び方【初心者向け】飛距離が変わる最適解もどうぞ。重量・フレックス・調子・トルクの4要素を、順番に整理してあります。
ベンタスブルー5Sについてよくある質問
まとめ:ベンタスブルー5Sが合う人と、次にやるべきこと
長くなったので、要点をもう一度だけ整理しますね。
・公式スペックは24 VENTUS BLUE 5Sで58.5g/トルク3.5/中元調子(46.0インチ時)
・組み上げると実重量は50g台中盤。カタログ値との差は「カットするから」
・適合の中心はヘッドスピード40〜44m/s。37m/s以下は別モデル推奨
・振動数は条件で動くので、絶対値より「今のクラブとの差分」で判断
・大型・高慣性モーメントヘッドとは好相性。低スピンヘッドとの併用は上がらなくなる恐れ
・球を上げたい・捕まえたいならBLUEよりREDが素直
・価格やラインナップは変わるので、最終確認は必ず公式サイトで
ベンタスブルー5Sは、ヘッドスピード40〜44m/sのゴルファーにとって、飛距離性能と方向安定性を高いレベルで両立できる、有力な選択肢のひとつだと思います。少なくとも「50g台だから頼りない」ということは、まずありません。
大事なのは、「50g台=シニア・非力向け」「Sフレックス=硬すぎる」という古い固定観念を一度手放すこと。現代のシャフトは、軽量でありながらしっかりした剛性を実現しています。勇気を持って軽量化して、しっかり振り抜く。大型ヘッド全盛のいまのゴルフでは、この考え方がけっこう効いてきますよ。
そのうえで、あなたが次にやるべきことは3つです。
- 今のクラブの数字を知る:総重量・バランス・振動数・長さを工房で測ってもらう。ここが出発点です。
- 自分のヘッドで試打する:シャフト単体の評判ではなく、あなたのヘッドとの組み合わせで判断する。
- 最新スペックを公式で確認する:世代でスペックが変わるので、購入直前にもう一度チェック。
この3つを踏んでから決めれば、「思っていたのと違った」という失敗はかなり減らせるはずです。私のように遠回りしないでくださいね。

