ついに発売された待望の第14世代、もうチェックしましたか?私も早速ショップへ足を運び、試打コーナーに張り付いてきましたが、今回は特に「XXIO 14 vs XXIO 14+ ドライバー 違い」について気になっている方が非常に多いようです。これまでの「X(エックス)」という名称から「14+(プラス)」へと統合されたことで、どっちを選べばいいのか、自分に合うモデルは比較するとどちらなのか、迷ってしまうのも無理はありません。ネット上の口コミや評価、試打レビューを見ても情報が錯綜していますが、実はスペックや弾道には決定的な差が存在します。今回は、両モデルの実力を徹底的に解剖し、あなたのゴルフを変える1本を見つけ出します。
- 世界初採用のVRチタンフェースが生み出す驚異的な初速性能の秘密
- スタンダードモデルと14+で明確に異なる重量フローとターゲット層
- ついに搭載されたQTS(調整機能)の互換性とスリクソンユーザーへの恩恵
- ヘッドスピードやスイングタイプに基づいた失敗しないモデル選びの基準
XXIO 14 vs XXIO 14+ドライバーのスペックの違い

まずは、両モデルの基本となるスペックや搭載されているテクノロジーの違いから見ていきましょう。見た目は似ていますが、中身は「似て非なるもの」と言っても過言ではありません。カタログ数値だけでは見えてこない、設計者の意図や実際の挙動について深掘りしていきます。
VRチタンフェースの飛距離性能
今回のゼクシオ14シリーズにおける最大のトピックであり、技術的な心臓部とも言えるのが、フェース素材の完全刷新です。ゴルフクラブの歴史において、フェース素材の変更は非常に大きな意味を持ちますが、今回採用されたのは世界初となる「VR-チタン」という新素材。これが単なるマイナーチェンジではなく、構造改革レベルの進化をもたらしています。
具体的に何がすごいのかと言うと、素材そのものの強度が劇的に向上している点です。従来のチタン合金(Super-TIX 51AFなど)と比較して、引張強度が約40%もアップしているとのこと。素材が強くなれば、当然ながらフェースをより薄く作ることができますよね。この「薄肉化」こそが、反発性能を引き上げるための最大の鍵なんです。
この強靭な新素材を活かして設計されたのが、今回搭載された「ULTiFLEX(アルティフレックス)」フェース構造です。フェースの中心部と周辺部の肉厚を複雑かつ精密に変化させることで、インパクト時のフェース全体のたわみ量を最大化させています。メーカーの発表データによると、反発係数がルール上限に迫る「高初速エリア」が、前作(ゼクシオ 13)と比較してなんと約183%も拡大しているそうです。1.8倍以上広くなったというのは、ちょっと信じがたい数値ですが、実際に打ってみるとその意味がよく分かります。
私が試打して最も驚いたのは、ナイスショットした時の飛びではなく、「ミスショットした時の飛び」でした。アマチュアゴルファー、特にアベレージ層の我々は、毎回芯で捉えられるわけではありません。トウ側に外したり、ヒール側で擦ったりすることが日常茶飯事です。しかし、このゼクシオ14でヒール気味にヒットした際、「あ、飛距離落ちたな」と思って弾道計測器を見ると、予想に反して初速がほとんど落ちていないんです。
芯を外しても飛ぶメカニズム
これは、フェース周辺部のたわみが効果的に機能し、オフセンターヒット時のエネルギーロスを最小限に食い止めている証拠です。これまでのドライバーなら「ボテッ」と失速していたような当たりでも、ゼクシオ14ならフェアウェイバンカーを越えていってくれる。この「平均飛距離の底上げ」こそが、VRチタンフェースがもたらす最大の恩恵だと言えます。一発の最大飛距離も魅力的ですが、スコアを作るのは間違いなく「死なないミスショット」ですからね。
進化したActivWingの効果
2022年モデルのゼクシオ12から導入され、その独特な形状で話題を呼んだ「ActivWing(アクティブウイング)」も、本モデルで第2世代へと正統進化を遂げました。クラウンのヒール寄りに設けられたあの突起、最初は「本当に効果あるの?」と半信半疑だった方も多いと思いますが、今やゼクシオのアイデンティティとも言える重要な機能パーツになっています。
今回の進化ポイントは、突起形状が従来の1段から「2段式のステップ(階段状)」に変更されたことです。さらに、クラウン側だけでなくソール側にも同様の整流フィンを設けることで、ヘッド全体を包み込む空気の流れをよりスムーズに制御できるようになりました。まるでF1マシンの空力パーツのようなこだわりようですが、これがスイングに与える影響は絶大です。
そもそも、ダウンスイングの前半(ハーフウェイダウン付近)では、ヘッドに対して強烈な遠心力と空気抵抗がかかります。これにより、ヘッドは「トウダウン(先が下がる)」したり、「フェースが開く」方向へ動こうとします。これがインパクトでの打点のズレや、スライスの原因になるわけです。ActivWingは、この区間で翼のような揚力を発生させ、ヘッド挙動を安定させる役割を果たします。
実際に振ってみると、トップから切り返した直後のヘッドの「暴れ」が少ないことに気づきます。意図的に操作しようとしなくても、ヘッドが勝手に正しい軌道に乗ってくれるような、不思議なオートマチック感があるんです。メーカー曰く、これにより打点のバラつきが23%低減されるそうですが、体感的にも「ミート率が上がった」と感じるゴルファーは多いはずです。特に、スイング軌道が安定しない100切り目標レベルの方や、疲れが出てくる後半のホールで、この「見えない空力のレール」が大きな助けになってくれるでしょう。
重さと長さの決定的な比較
「ゼクシオ 14」と「ゼクシオ 14+」を選ぶ際、スペック表の中で最も注目すべきなのが「重量」と「長さ」です。ここには、ターゲットユーザーに対する明確なメッセージと、設計思想の決定的な違いが表れています。正直なところ、ここを見誤ると「軽すぎて手打ちになる」あるいは「重すぎて振り切れない」という悲劇が起きますので、慎重に比較していきましょう。
| 比較項目 | ゼクシオ 14 (Standard) | ゼクシオ 14+ (Plus) |
|---|---|---|
| クラブ長さ | 46.0インチ (長尺) | 45.75インチ (操作性) |
| シャフト重量(S) | 41g | 46g |
| シャフト重量(R) | 36g | 42g |
| トルク | 6.8 (走り系) | 5.9 (安定系) |
| 総重量目安(S) | 280g台後半 | 300g (ジャスト) |
まず、スタンダードモデルである「ゼクシオ 14」は、徹底した軽量化が図られています。純正のMP1400シャフト装着時(Rフレックス)の総重量は281g。これは、一般的な男性用ドライバーの中ではかなり軽い部類に入ります。さらに、長さを46.0インチという長尺設定にすることで、軽い力でもヘッドスピードを上げ、遠心力で飛ばす設計になっています。
この「軽さ×長尺」の組み合わせは、ヘッドスピードが落ちてきたシニア層や、力まないスイングで飛ばしたいゴルファーにとっては最適解です。フィニッシュまで一気に振り抜ける爽快感は、やはり本家ゼクシオならではの味付けと言えるでしょう。
一方で、「ゼクシオ 14+」は全く異なるアプローチをとっています。Sシャフト装着時の総重量は「300g」ジャストに設定されており、長さも0.25インチ短い45.75インチを採用しています。この「300g」という数値は、アスリートゴルファーやパワーのある40代〜50代にとっての「黄金スペック」です。軽すぎると手先で悪さをしてしまいますが、ある程度の重量があることで、体幹を使ったスイングがしやすくなり、スイングテンポも安定します。
また、シャフト特性も異なります。「14」のシャフトはトルクが大きく(6.8)、しなり戻りを活用してヘッドを走らせるタイプ。対して「14+」のSPEEDER NX DSTはトルクを締め(5.9)、叩きにいってもヘッドが暴れない剛性感を持たせています。もしあなたが、「最近ドライバーが軽すぎて、手元が浮くミスが出る」と感じているなら、それはクラブ重量のアンマッチが原因かもしれません。重量選びの重要性については、以前まとめた以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
ドライバーバランス表と適正目安!ヘッドスピード別の調整ガイド
14+のマットブラックと形状
性能だけでなく、構えた瞬間に目に入る「顔(ヘッド形状)」や「デザイン」も、メンタルに大きく影響する重要な要素です。ここにも、両モデルのターゲットの違いが色濃く反映されています。
「ゼクシオ 14」は、歴代モデルの伝統を受け継ぐ高輝度メタリック塗装が施されています。深みのあるネイビーや鮮やかなレッドのヘッドは、太陽の下で美しく輝き、所有感を満たしてくれます。形状としては、ヒール側にボリュームを持たせた丸型で、視覚的に「ボールがつかまる」イメージを強く与えてくれます。スライスに悩むゴルファーが構えた時、「これなら右に行かなそうだな」と安心できる顔つき。これがゼクシオの優しさの入り口なんです。
対照的に、「ゼクシオ 14+」は完全にアスリート仕様の顔つきです。最大の特徴は、近年の海外ブランドやツアーモデルで主流となっている「マットブラック(艶消し)」のクラウンを採用している点です。光の反射を抑えたマットな質感は、ヘッドを引き締めて小さく見せる効果(収縮色)があり、非常に精悍な印象を与えます。
形状も、トウ側を少し逃がした洋ナシ型に近いシルエットになっており、いわゆる「逃げ顔」に仕上がっています。これは、左へのミス(チーピンや引っ掛け)を恐れるフッカーやハードヒッターにとって、「左に行かないイメージ」を持たせてくれる重要なポイントです。黒一色の塊感があるヘッドは、ターゲットに対してスクエアに構えやすく、集中力を高めてくれる効果もあります。「やさしいクラブは欲しいけど、見た目が野暮ったいのは嫌だ」というこだわり派の方も、この14+のルックスなら納得できるはずです。
QTS調整機能とスリーブ互換性
今回のゼクシオ14シリーズにおいて、古くからのファンを最も驚かせたニュースの一つが、ついにスタンダードモデルにも「QTS(Quick Tune System)」、いわゆるカチャカチャ機能が搭載されたことではないでしょうか。これまでゼクシオのレギュラーモデルは、「調整機能をつけるとネック部分が重くなり、重心設計が崩れる」という理由で、頑なに接着式ネックを採用してきました。
しかし今回、メーカーはショートホーゼル化と部品単位での徹底的な軽量化を行うことで、従来システム比で約2gの軽量化に成功。これにより、ゼクシオ特有の深低重心や振り心地を損なうことなく、ついに調整機能の実装を実現しました。ロフト角、ライ角、フェース角を12通りのポジションから調整できるため、コースコンディションやその日の調子に合わせて微調整が可能になったのは大きな進歩です。
これが何を意味するか、お分かりでしょうか?つまり、すでにスリクソンのドライバーを使っていて、「Ventus」や「Tour AD」、「Diamana」といった高価なカスタムシャフトをお持ちの方は、そのシャフトをそのままゼクシオ14+のヘッドに挿して使えるということです。「最近スリクソンだと後半キツくなってきたから、ヘッドだけゼクシオに変えて、シャフトはお気に入りのまま使いたい」というセッティングが、追加投資なしで実現できるのです。これは、スリクソンとゼクシオの間を行き来する「ゼクシオ以上スリクソン未満」の層にとって、革命的なメリットと言えるでしょう。
XXIO 14 vs XXIO 14+ドライバーの違いと選び方


ここまでスペックや技術的な背景を詳しく見てきましたが、最終的に重要なのは「実際に打った時にどうなるか」そして「自分にはどちらが合っているのか」という点です。ここからは、試打データや実戦での弾道特性に基づき、あなたに最適な一本を選び抜くためのガイドラインを提示します。
ヘッドスピード別の適正モデル
ドライバー選びにおいて、最もシンプルかつ信頼性の高い指標となるのがヘッドスピード(HS)です。もちろんスイングタイプによって多少の前後はありますが、私の試打経験と市場のポジショニングを照らし合わせると、以下のような明確な境界線が見えてきます。
ゼクシオ 14 (Standard) の守備範囲
推奨HS:35m/s ~ 40m/s 前後
このゾーンのゴルファーは、ボールを高く上げるためのパワーが不足しがちで、キャリーが出ずに飛距離をロスしているケースが多く見られます。ゼクシオ14は、長尺効果と深低重心設計により、スイングスピードを補いながらオートマチックに高弾道を生み出してくれます。「最近、飛距離が落ちてきたな」と感じる方や、力まずにポーンと遠くへ飛ばしたい方には、迷わずこちらをおすすめします。
ゼクシオ 14+ (Plus) の守備範囲
推奨HS:40m/s ~ 45m/s 前後
このゾーンは、従来のゼクシオ(レギュラー)ではシャフトが柔らかすぎて暴れてしまい、かといってプロモデルのスリクソンZX5では球が上がりにくい、という「クラブ選びの難民」になりやすい層です。14+は、まさにこの層を救うために生まれました。しっかり振っても当たり負けしない300gの重量感と、叩いても左に行きにくいヘッド特性は、HS42m/s前後のゴルファーにとって「やっと出会えた適正クラブ」となるでしょう。
特にHS42m/sあたりが両モデルの分岐点になります。この付近の方は、ご自身が「リストターンを使ってヘッドを走らせるタイプ(14向き)」なのか、「ボディターンで押していくタイプ(14+向き)」なのかによっても適正が変わりますので、フィッティングでの確認を強くおすすめします。
スピン量と弾道高さの特性
「どっちが飛ぶ?」という問いに対する答えは、あなたの現在の弾道悩みによって変わります。なぜなら、両モデルは「飛ばし方(弾道の質)」が根本的に異なるからです。
「ゼクシオ 14」は、バックスピン量を適度に確保し(2500rpm〜3000rpm想定)、打ち出し角を最大化する設計になっています。ヘッドスピードが遅めの方は、スピンが少なすぎるとボールが空中に留まれず、ドロップしてキャリーが落ちてしまいます。14は、これを防ぐために「高弾道・ハイドロー」で滞空時間を長くし、キャリーで飛ばすスタイルです。フェアウェイ右サイドから、高い放物線でセンターに戻ってくるような美しいドローボールが打ちやすいのが特徴です。
一方、「ゼクシオ 14+」は、重心をやや浅めに設定することでバックスピン量を抑え込んでいます(2000rpm〜2500rpm想定)。ある程度ヘッドスピードがある人が高打ち出しのクラブを使うと、スピンが増えすぎて「吹け上がり」が発生し、前に進まない弱い球になってしまいます。14+は、これを防ぐ「中強弾道・低スピン」設計。風に負けない強いライナー性の弾道で、ランも含めてトータル飛距離を稼ぐスタイルです。
「球が上がりすぎて飛ばない」悩みなら14+、「球が上がらなくて飛ばない」悩みなら14。この法則を覚えておくだけで、モデル選びの失敗は激減します。
打音の違いと打感の評価
「ゼクシオの音」は、もはや性能の一部と言っても過言ではありません。爽快な打球音は脳に快感を与え、リズム良いスイングを促す効果があると言われています。しかし今回の14シリーズでは、ターゲットの好みに合わせて音のチューニングも変えてきています。
スタンダードの「14」は、期待通りの「ゼクシオサウンド」です。インパクトの瞬間に「カキン!」と響き渡る高く澄んだ金属音は、練習場でも一際目立ちます。「ちゃんと当たった!」というフィードバックが明確で、打っていてとにかく気持ちが良い。この爽快感を求めてゼクシオを使い続けるファンが多いのも納得です。
対して「14+」は、音のピッチ(高さ)を意図的に下げています。アスリートゴルファーは、甲高い金属音よりも、ボールがフェースに吸い付くような重厚な音を好む傾向にあります。そのため、14+は「バシッ」という短く引き締まった音にチューニングされており、聴覚的にも「叩ける」「重い球が打てる」というイメージを演出しています。打感も、弾き感の中にしっかりとした「乗り感(フェースに乗っている感覚)」があり、ドローやフェードを打ち分けるイメージが出しやすい仕上がりになっています。
発売日とレフティモデル情報
購入の意思が固まったら、次は発売日の確認です。特に左利き(レフティ)の方は、右利き用と発売時期が異なるのが通例ですので、スケジュールをしっかり把握しておきましょう。
レフティモデルは、右利き用から約2ヶ月遅れての登場となります。「年明けの初打ちには間に合わせたい!」というレフティの方は、予約開始のタイミングを見逃さないようにしてください。また、カスタムシャフトを検討されている方は、納期が通常よりもかかる場合があるため、早めの注文が吉です。
レッドなどカラーバリエーション
最後に、所有欲を満たすカラーリングについてです。長年ゼクシオを使っている方の中には、「還暦を迎えたから赤いゼクシオにしたい」という方や、「仲間と同じ色のクラブは使いたくない」という方も多いでしょう。
「ゼクシオ 14(スタンダード)」に関しては、メインカラーの「ネイビー(ブルー)」に加え、今回も伝統の「レッド」カラーがラインナップされることが濃厚です。特に日本市場においてレッドモデルは根強い人気があり、プレミアム感を演出する重要な選択肢となっています。性能は全く同じですが、赤いヘッドは緑の芝生の上で非常に映えますし、闘争心を掻き立ててくれる色でもあります。
一方で、「ゼクシオ 14+」については、プロ・アスリートライクな世界観を崩さないよう、「マットブラック」を中心とした展開となります。こちらはカラーバリエーションで遊ぶというよりは、硬派な黒一色で統一されたギア感を愉しむモデルと言えるでしょう。ただし、一部の店舗限定やメーカー直販サイトなどで、カスタムカラー対応が行われる可能性もゼロではありませんので、公式情報の更新をチェックしておくと良いでしょう。
XXIO 14 vs XXIO 14+ドライバーの違い総括
ここまで「XXIO 14」と「XXIO 14+」の違いを徹底比較してきましたが、いかがでしたでしょうか。最後に、あなたがどちらを選ぶべきか、結論をまとめます。
どちらのモデルも、新開発のVRチタンフェースによる「芯を外しても飛ぶ」という基本性能は共通しています。あとは、ご自身のパワーやスイングタイプ、そして好みの顔や音に合わせて選ぶだけです。決して安い買い物ではありませんので、この記事を参考に予備知識を持った上で、ぜひお近くのゴルフショップで実際に試打をしてみてください。店員さんのアドバイスも聞きながら、納得のいく一本に出会えることを願っています。




