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ゼクシオ14+ アイアンの評価は?違いや試打感を徹底解説

ゼクシオ14+ アイアン Dunlop

こんにちは!ゴルフギアの沼にどっぷりハマっている「19番ホール研究所」のthe19thです。

2025年モデルとして登場した「ゼクシオ 14+ アイアン」、めちゃくちゃ話題になっていますよね。私も発表された時からずっと気になっていました。これまでの「ゼクシオ エックス」から「プラス」という名前に変わって、一体何が進化したのか?前作のエックスとの違いはもちろん、兄弟ブランドのスリクソンとの関係性も気になるところです。ネットの評価を見ると「とにかく飛ぶ!」という声もあれば、一部で「打感が悪い」なんて口コミも見かけたり…。実際の飛距離性能や、試打した人のリアルな感想はどうなんでしょうか。また、専用開発されたシャフトの性能も選ぶ上で重要なポイントですよね。

この記事では、そんなゼクシオ14+ アイアンに関する皆さんの疑問や不安を解消するために、私が徹底的に調べ上げ、実際に試打もしてきた経験から、その性能と評価の真相に迫っていきたいと思います。購入を迷っているあなたの、最後のひと押しになるような情報をお届けできれば嬉しいです!

  • ゼクシオ14+の革新的な技術の全貌
  • 前作エックスや競合モデルとの明確な違い
  • 試打データから分かるリアルな飛距離と評価
  • 購入前に知るべき良い点と注意点
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ゼクシオ14+ アイアンの革新的テクノロジー

ゼクシオ14+ アイアン

さて、まずはこの「ゼクシオ14+ アイアン」が一体どんなクラブなのか、その心臓部であるテクノロジーから詳しく見ていきましょう。単なるモデルチェンジではなく、素材から構造まで、かなり大きな進化を遂げているのが特徴ですね。ダンロップの本気度が伝わってくるような、まさに技術の結晶とも言えるアイアンに仕上がっているんです。

驚異の飛距離を生む新素材VR-チタン

今回のモデルチェンジで最も注目すべきトピックは、間違いなくフェース素材に採用された新開発の「VR-チタン」でしょう。これは単なる素材の変更というレベルの話ではなく、アイアンの設計思想そのものを変える可能性を秘めた、まさに革命的なテクノロジーだと私は感じています。

ダンロップの公式発表によれば、このVR-チタンは世界で初めてゴルフクラブに採用された素材だそうです。(出典:ダンロップゴルフ公式サイト)従来のチタンフェース(Super-TIX 51AFなど)と比較して、強度がなんと約42%も向上しているとのこと。一般的に、金属素材は強度を高めようとすると、どうしても脆さ(もろさ)が増してしまうというジレンマがあります。硬いけど、衝撃でパリンと割れやすいイメージですね。しかし、このVR-チタンは、化学組成にシリコン(Si)などを配合することで結晶構造レベルでの強化を図り、「圧倒的な強度」と「粘り強さ(靭性)」という相反する特性を、極めて高い次元で両立させているのが最大の特徴です。

では、この素材強度がゴルフにおいてどんなメリットをもたらすのか?

答えは、設計自由度の大幅な拡張にあります。素材自体が非常に強いため、フェースの厚みを極限まで薄くすることが可能になりました。特に、アマチュアゴルファーがミスヒットしやすい打点エリアから遠い部分、つまりフェースのトウ(先端)側やヒール(根本)側の肉厚を大胆に削ぎ落とすことができるようになったんです。これにより生み出された重量、いわゆる「余剰重量」は、かつてないほどの量になります。

この余剰重量こそが、ゼクシオ14+の「やさしさ」の根源。この重さをヘッドのソール部分や周辺部に戦略的に再配置することで、重心を極限まで低く、そして深くすることが可能になりました。これにより、オフセンターヒット時でもヘッドがブレにくく(高慣性モーメント)、ボールスピードが落ちにくいという「物理的なやさしさ」が担保されるわけです。VR-チタンの採用は、単にフェースの反発力を高めて飛距離を伸ばすだけでなく、ミスヒットへの強さという、スコアメイクに直結する寛容性を劇的に向上させるための、まさにキーテクノロジーと言えるでしょう。

前作エックスとの違いをスペックで比較

「で、結局のところ、前の『エックス』と何が違うの?」というのが、多くのゴルファーが抱く最大の疑問だと思います。結論から言うと、名前が「14+」に変わったのは、単なるマーケティング上のラベリング変更ではありません。ゼクシオという巨大ブランドの本流シリーズに正式に組み込まれたことで、「アスリートライクな性能を持つ、ゼクシオファミリーの正統な一員」というキャラクターがより明確になりました。

その設計思想の違いが最も顕著に表れているのが、構えた時の顔つき、特にフェースプログレッション(FP値)です。

比較項目 ゼクシオ 14+ (2025) ゼクシオ 14 (スタンダード) ゼクシオ エックス (前作参考)
モデルの性格 直進性と操作性の両立 徹底的なスライス防止 操作性重視
7番ロフト角 28.5° 28.0° 29.0° (参考)
7番FP値 3.0mm (ほぼストレート) 0.5mm (強いグース) 3.0mm前後 (参考)
7番ライ角 62.0° 62.5° 62.0° (参考)
※前作のスペックはあくまで参考値です。必ず公式サイト等で正確な情報をご確認ください。

FP値とは、シャフトの中心線からリーディングエッジがどれだけ前に出ているかを示す数値で、これが小さいほどグースネック(ネックが曲がって見え、フェースが後方に引っ込んでいる形状)が強くなります。表を見てわかる通り、スタンダードモデルの「ゼクシオ14」のFP値が0.5mmと非常に強いグースで、球をしっかり捕まえてスライスを防ぐ設計なのに対し、「ゼクシオ14+」は3.0mm。これは前作エックスの流れを汲むほぼストレートネックに近い形状です。

この形状は、左への引っかけを嫌うゴルファーや、自分で球筋をコントロールしていきたい中・上級者にとって、非常に構えやすく感じられます。ターゲットに対してスクエアに構えやすく、アイアンでラインを出していくイメージが湧きやすい顔つきですね。

さらに細かい点ですが、ライ角もスタンダードモデルより0.5度フラットに設定されています。これも捕まりすぎるのを抑制するための意図的な設計。ロフト角がスタンダードモデルより0.5度寝ている(28.5°)のも見逃せないポイントで、これは飛距離一辺倒ではなく、グリーン上でしっかり球を止めるための適正なスピン量と打ち出しの高さを確保しようという、より実戦的な思想の表れと言えるでしょう。前作エックスのシャープな操作性は継承しつつ、中身はよりハイテクに、そしてゼクシオ本流のやさしさを融合させたのが「14+」の正体なんです。

ゼクシオ14+ アイアン

試打で分かるMAIN FRAME構造の寛容性

フェース素材のVR-チタンが「飛び」のエンジンだとすれば、そのパワーを安定してボールに伝えるためのシャーシ(車体)の役割を果たすのが、「MAIN FRAME(メインフレーム)」構造です。このテクノロジーは、もともとダンロップのハードヒッター向けアスリートブランドである「スリクソン」のZXiシリーズで開発・採用され、その高い性能が証明されてきました。

MAIN FRAMEとは、簡単に言うと、フェース裏面の肉厚を最適化する技術です。コンピューターシミュレーションを駆使して、フェース裏面に無数の溝(ミーリングチャネル)や凹凸をネットワークのように配置。これにより、インパクト時にフェースのどの部分がどれだけ「たわむ」かを精密にコントロールし、フェース全体の反発エリアを最大化させる効果があります。

スリクソン技術の「やさしさ」への応用

ここが面白いポイントなのですが、スリクソンZXiシリーズでは、このMAIN FRAMEを主に「ボールスピードの最大化と操作性の向上」という目的で使っていました。一方でゼクシオ14+では、この技術を「アマチュアゴルファーの打点ブレを救う寛容性(Forgiveness)」を向上させるために応用しているんです。同じ技術でも、味付けを変えることで全く異なる性能を引き出しているわけですね。

実際に試打してみると、その効果は歴然です。練習場のマットでも、少し薄めに入ったかな?とか、トウ寄りでヒットしたかな?というような、いわゆるミスヒットでも、ボール初速が驚くほど落ち込みません。弾道計測器でデータを見ると、スマッシュファクター(ミート率)の数値が非常に安定しているのが分かります。これが何を意味するかというと、「縦距離のブレが極めて少ない」ということ。ラウンドで「完璧に当たったのにショートした」とか「薄く当たって大きくオーバーした」というような、スコアを崩す原因になる縦距離のミスが激減する可能性を秘めています。

この安定感をさらに下支えしているのが、ソール下部に配置された高比重タングステンニッケルウェイトの存在です。VR-チタンフェースの薄肉化で得られた余剰重量を、このタングステンウェイトとしてヘッドのトウ側とヒール側に配置。これにより、重心を極限まで低く、深くすることに成功しています。低重心はボールを高く上げる効果、深重心は直進性を高める効果があり、MAIN FRAMEが生み出す安定したボール初速と相まって、まさに「鬼に金棒」状態のやさしさを実現しているのです。

専用開発シャフト2種類の性能と選び方

どれだけヘッド性能が優れていても、自分に合わないシャフトを選んでしまっては宝の持ち腐れ。その点、ゼクシオ14+はターゲットゴルファーを徹底的に分析し、最適化された2種類の専用シャフトを用意しているのが素晴らしいですね。どちらも名器と呼ばれる市販シャフトをベースに、ダンロップ独自の技術を融合させています。

① SPEEDER NX DST for XXIO(カーボン)

まずカーボンシャフトは、アフターマーケットでも絶大な人気を誇るフジクラコンポジット社の「SPEEDER NX」をベースに開発されています。SPEEDER NXシリーズは、手元側のトルクを締めつつ先端のしなり戻りで飛ばすのが特徴ですが、この専用モデルはそこにダンロップ独自のDST(Dual Speed Technology)を組み込んでいます。

重量帯はSフレックスで50g台後半と、一般的な純正カーボン(40g台後半~50g台前半)よりも少し重めに設定されています。これにより、ヘッドスピードが40m/s~45m/sくらいのゴルファーがしっかり振っても頼りなさを感じず、インパクトで当たり負けしません。挙動は中調子に近く、先端が走りすぎて左に引っかけるような動きが抑えられているため、コントロール性が非常に高いのが特徴です。「軽量スチールはちょっと重くて振り切れないけど、軽すぎるカーボンだとタイミングが合わない…」というゴルファーにとって、まさに理想的な選択肢になるはずです。

② N.S.PRO 950GH neo DST(スチール)

そしてスチールシャフトは、軽量スチールの代名詞とも言える日本シャフト社の「N.S.PRO 950GH neo」がベース。オリジナルの「neo」は、ストロングロフト化が進んだ現代のアイアンでも、球を高く上げてグリーンに止められるように設計された、高弾道が持ち味のシャフトです。

この「neo DST」モデルも、DST技術によって重心位置が手元側に調整されています。これにより、クラブ全体の慣性モーメントを下げずに振り抜きやすさを向上させる効果があります。実際に振ってみると、ヘッドの重さを感じつつもスムーズにフィニッシュまで振り抜ける感覚がありますね。長年950GHシリーズを愛用してきたゴルファーであれば、全く違和感なくスイッチでき、さらに高弾道と振りやすさという恩恵を受けられるでしょう。

忘れてはならない「WEIGHT PLUS」テクノロジー

ゼクシオシリーズを語る上で欠かせないのが、グリップエンドに重量を配置する「WEIGHT PLUS」テクノロジーです。テークバック始動時のヘッド軌道を安定させ、トップ・オブ・スイングの位置を固める効果があります。14+では、やや重めのヘッド重量とのバランスを最適化し、ダウンスイングで自然とヘッドが走り、スピードが上がるように専用の重量配分がなされています。この技術も、振りやすさと安定性の両立に大きく貢献しています。

ソフトステンレスボディが生む絶妙な打感

最後に、見過ごされがちですが、ゼクシオ14+のキャラクターを決定づける重要な要素が、ボディに採用されている「ソフトステンレス(Soft SUS)」です。これは、一般的なアベレージ向けアイアンで多用されるステンレス鋳造(SUS630など)とは一線を画す素材選定と言えます。

多くの飛び系アイアンは、飛距離性能を追求するあまり、打感が硬くなりがちです。フェースの弾きが強いため、「パチン!」という硬質な感触と甲高い音がすることが少なくありません。もちろん、それが好みという方もいますが、軟鉄鍛造アイアンの「ボールがフェースに吸い付くような」柔らかい打感を好む上級者やベテランゴルファーからは、敬遠される一因にもなっていました。

しかし、ゼクシオ14+に採用されているソフトステンレスは、その名の通り非常に柔らかい性質を持っています。これにより、VR-チタンフェースが持つ強い弾き感をボディが適度に吸収・緩和し、角の取れたマイルドなフィーリングを実現しているのです。インパクトの感触は、弾き感の中にボールが少しフェースに乗るような感覚があり、澄んだ中にも落ち着きのある打音と相まって、非常に心地よいものに仕上がっています。

上級者も納得の「調角機能」

そして、このソフトステンレスがもたらすもう一つの大きなメリットが、ショップでのロフト角・ライ角の調整(調角)が可能であるという点です。これは、従来のゼクシオアイアンでは難しかったことであり、画期的な進化と言えるでしょう。

自分のスイングの癖や体格に合わせてライ角を調整することは、出球の方向性を安定させる上で非常に重要です。例えば、球が捕まりすぎる傾向がある人はライ角を少しフラットに、スライスに悩む人はアップライトに調整することで、ミスの幅を大きく減らすことができます。これまで「ゼクシオは好きだけど、調整できないから…」と選択肢から外していた、こだわり派のセミアスリート層にとって、この「調角機能」は非常に大きな魅力となるはずです。まさに、やさしさだけでなく、ゴルファー一人ひとりに寄り添うカスタマイズ性をも手に入れたのが、ゼクシオ14+なのです。

ゼクシオ14+ アイアンのリアルな評価

ゼクシオ14+ アイアン
出典:ダンロップ公式

さて、テクノロジーの話はこれくらいにして、ここからは皆さんが一番知りたいであろう「実際のところ、どうなの?」というリアルな評価に切り込んでいきたいと思います。私自身の試打の感想はもちろん、ネット上の口コミや専門家のレビューなども総合的に分析し、その真価を探っていきます。良い点も悪い点も、包み隠さずお伝えしますね。

良い口コミとネガティブな口コミを分析

まず、様々なメディアや個人のブログ、SNSなどで見られる評価をまとめてみると、やはりその圧倒的な「やさしさ」と「安定性」に対する称賛の声が目立ちます。一方で、フィーリング面など、個人の好みが分かれる部分でネガティブな意見も見受けられます。

【高評価】ポジティブな口コミの傾向

  • とにかく曲がらない、直進性がすごい:「サイドスピンが極端に少なく、左右の曲がり幅が本当に小さい」「大きなミスになりそうな当たりでも、ラフで収まってくれる」といった、方向性の良さを絶賛する声が多数。これは深重心設計と高慣性モーメントの恩恵がしっかり出ている証拠ですね。
  • 楽に高弾道が打てる:「7番で28.5°というストロングロフトなのに、ボールがしっかり上がってくれる」「キャリーでグリーンを狙っていける」など、球の上がりやすさも高評価。低重心設計が効いています。
  • ミスヒットへの強さが異次元:「芯を外しても飛距離の落ち込みが驚くほど少ない」「縦距離が安定するので、番手選びに迷いがなくなる」という、VR-チタンフェースとMAIN FRAME構造の寛容性を体感した声が非常に多いです。
  • 顔つきが良くて構えやすい:「グースが少なく、シャープな顔つきでターゲットに構えやすい」「アスリートモデルのような顔なのに、打つとすごくやさしいギャップが良い」と、特に中上級者からデザイン面での評価が高いです。

一方、どんなに優れたクラブでも万人に受け入れられるわけではありません。ネガティブな口コミにもしっかりと目を向けてみましょう。

【要検討】ネガティブな口コミの傾向

  • 打感・打音が人工的すぎる:「おもちゃみたいな音がする」「樹脂っぽいフィーリングで、ボールを打った手応えが薄い」といった、フィーリング面での厳しい意見。これは後ほど詳しく掘り下げます。
  • 価格が高すぎる:「性能は認めるけど、5本セットで15万円超は手が出ない」「コストパフォーマンスを考えると他にも選択肢がある」という、価格設定に関する声。これは事実ですね。
  • 操作性はあまり高くない:「真っ直ぐ飛ぶ性能に特化していて、意図的に球を曲げるのは難しい」「ドローやフェードを打ち分けたい人には不向きかも」という、オートマチック性能の裏返しとも言える意見です。

これらの評価を総合すると、ゼクシオ14+は「安定した飛距離と方向性を、できるだけやさしく手に入れたい」と考えるゴルファーにとっては最高の武器になる一方で、「軟鉄鍛造特有の打感や、球筋を操る操作性を最優先する」ゴルファーにとっては、少し物足りなさを感じる可能性がある、というキャラクターが浮かび上がってきますね。

「悪い」という評価の真相に迫る

ネガティブな評価の中でも、購入を検討する上で最も気になるのが、やはり「打感が悪い」「打音がおもちゃっぽい」という部分ではないでしょうか。性能が良いのは分かったけど、フィーリングが合わなかったらゴルフの楽しみが半減してしまいますからね。この評価の真相に、もう少し深く迫ってみたいと思います。

この「人工的」と表現されるフィーリングの最大の原因は、やはりチタンフェースとステンレスボディという、異なる素材を組み合わせた「複合構造」にあります。一枚の軟鉄から作られる鍛造アイアンは、インパクトの衝撃がヘッド全体に均一に伝わり、余計な振動が吸収されるため、あの独特の「グシャッ」とした柔らかい打感が生まれます。ボールがフェースに長く乗っているような感覚ですね。

それに対してゼクシオ14+のような複合構造アイアンは、硬く弾きの良いチタンフェースがボールを強く弾き返し、その衝撃や振動を柔らかいステンレスボディが受け止めて減衰させます。この振動の伝わり方が、単一素材のアイアンとは全く異なるため、結果として「金属的でありながらも、角が取れていて、少し乾いたような」独特の打感・打音になるのです。特に、ゼクシオシリーズ伝統の「キーン!」という高く澄んだ金属音(ゼクシオサウンド)を期待して打つと、「あれ?思ったより静かだな…」と感じるかもしれません。この期待値とのギャップが、「樹脂っぽい」「おもちゃみたい」という表現に繋がっているのではないかと私は分析しています。

これは「悪い」のではなく「違う」だけ

重要なのは、このフィーリングが「性能的に劣っている」わけでは全くないということです。むしろ、飛距離性能と寛容性を最大化するために、最新の材料科学と構造力学を駆使した結果、たどり着いたのがこのフィーリングなのです。これを「最新テクノロジーの音」として心地よく感じるか、「伝統的なアイアンの感触とは違う」と違和感を覚えるかは、完全に個人の感性の問題です。

ですから、結論としては、こればっかりは他人の評価を鵜呑みにせず、必ずご自身で試打をして判断してください、ということに尽きます。できれば、普段お使いのアイアンと打ち比べながら、打感、打音、そしてもちろん弾道や飛距離性能をトータルで評価することをおすすめします。もしかしたら、あなたにとっては最高のフィーリングに感じるかもしれませんからね。

競合モデルとの比較で見える立ち位置

ゼクシオ14+ アイアン
出典:ダンロップ公式

2025年から2026年にかけてのゴルフギア市場は、まさに群雄割拠。各メーカーが威信をかけて最新モデルを投入してきます。その中で、ゼクシオ14+がどのような立ち位置にいるのか、主要なライバルと具体的に比較してみましょう。

モデル名 メーカー 特徴 ゼクシオ14+との比較ポイント
PING G440 アイアン PING 絶対的な高さと直進性。大きめのヘッドで安心感が高い。 G440は寛容性に極振りしたモデル。14+はよりシャープな顔つきと振り抜きの良さで勝負。日本のコースやゴルファーの体力には14+のバランスが合う可能性も。
TaylorMade Qi アイアン後継 TaylorMade キャップバックデザイン等による圧倒的な飛距離性能。 飛距離性能は甲乙つけがたいが、打感の柔らかさでは14+に分がある可能性が高い。純正シャフトの完成度もゼクシオの強み。
Callaway Apex / Quantum系 Callaway AI設計フェースによる打点ごとの最適化が進化。 AIフェースの最適化とMAIN FRAMEの寛容性は似た効果を持つ。差別化要因はブランドへの信頼感と、セット全体での重量フローの緻密さ。
※競合モデルの名称やスペックは予測を含みます。

こうして比較してみると、海外ブランドの多くが「飛距離」や「寛容性」といった特定の性能に特化しているのに対し、ゼクシオ14+は、「飛距離」「寛容性」「構えやすさ(顔)」「打感」「振りやすさ」という、ゴルファーがアイアンに求める複数の要素を、極めて高い次元でバランスさせていることが分かります。

特に、日本のゴルファーの体力やスイング特性、そして美的感覚を知り尽くしたダンロップだからこそできる、この「絶妙なバランス感覚」こそが、ゼクシオ14+の最大の強みであり、独自の立ち位置を築いている理由でしょう。海外ブランドの尖った性能も魅力的ですが、「買ってきて、練習もそこそこにコースでいきなり結果を出せる」という「買ってそのまま使える完成度の高さ」は、ゼクシオブランドならではの大きなアドバンテージだと思います。

スリクソンZXi5との選び分けポイント

同じダンロップファミリーである「スリクソン ZXi5 アイアン」との比較で悩む方も非常に多いと思います。私も両方試打しましたが、この2モデルは似ているようでいて、実はターゲット層も設計思想も明確に異なります。どちらが良い・悪いではなく、あなたがゴルフに何を求めるかで選ぶべきクラブが変わってきます。

  ゼクシオ 14+ アイアン スリクソン ZXi5 MKⅡ アイアン
ターゲット層 HS40-45m/s。楽に飛ばしたいセミアスリート HS42m/s~。操作性を重視するアスリート
ヘッド素材 ボディ:ソフトステンレス
フェース:VR-チタン
ボディ:軟鉄(S20C)
フェース:クロムモリブデン鋼
構造 複合素材・中空構造に近い 軟鉄鍛造ボディ+フェース溶接
重視する性能 寛容性・直進性・飛距離 打感・操作性・スピンコントロール
おすすめな人 ・ミスヒットをクラブに助けてほしい
・とにかく真っ直ぐ飛ばしたい
・左へのミスを嫌う
・軟鉄鍛造の打感が絶対条件
・ドロー、フェードを打ち分けたい
・見た目のシャープさを最優先
※スリクソンのスペックは現行モデルを参考にしています。

この表を見ても分かる通り、最も大きな違いは「素材」と「重視する性能」です。スリクソン ZXi5は、あくまでも軟鉄鍛造ボディをベースにしており、プロや上級者が最も重視する「打感」と「操作性」を追求しています。ボールを意のままに操り、コースを戦略的に攻略していくためのツールですね。

一方、ゼクシオ14+は、最新の複合素材を駆使して「いかにミスをミスにせず、安定して飛距離を稼ぐか」という「寛容性」と「オートマチックな性能」を追求したモデルです。もちろん、シャープな顔つきで操作性のイメージも持たせていますが、本質的にはクラブが仕事をしてくれる、やさしいアイアンです。

もしあなたが両モデルで迷っているなら、試打をする際に以下の点をチェックしてみてください。

  • 構えた時に、どちらの「顔」がしっくりくるか?
  • 芯を食った時、どちらの「打感」が心地よいと感じるか?
  • 芯を外した時、どちらの方が飛距離や方向性のロスが少ないか?
  • あなたの持ち球(ドロー、フェード)が、どちらのクラブでより安定して打てるか?

まさに、「スリクソン ZXi5は少し難しいけど、ゼクシオ14のスタンダードモデルでは顔が好みじゃないし、やさしすぎる…」という、広大な「中間層」のゴルファーのニーズを、完璧に満たすために生まれてきたのが「ゼクシオ14+」なのです。

総括:ゼクシオ14+ アイアンは買うべきか

さて、長々と解説してきましたが、いよいよ結論です。「ゼクシオ14+ アイアン」は、果たして「買い」なのでしょうか?

私なりの結論としては、「特定のゴルファー層にとっては、これ以上ないほど投資価値の高い、最高の選択肢になり得る」です。その「特定のゴルファー層」とは、以下のような方々です。

ゼクシオ14+ アイアンはこんなあなたにおすすめ!

  • スコアが90~100前後で伸び悩み、アベレージ向けモデルからのステップアップを考えている中級者。
  • かつてはアスリートモデルを使っていたが、年齢による体力や飛距離の低下を感じているベテランゴルファー。
  • スライスよりも、チーピンなどの左への大きなミスをなくしたいと考えているゴルファー。
  • 難しい理屈は抜きにして、とにかくクラブの力で安定したスコアメイクを目指したい、向上心のあるすべてのゴルファー。

価格設定(5本セット カーボンシャフトでメーカー希望小売価格154,000円)は、決して気軽に手を出せる金額ではありません。しかし、その価格には、世界初採用の新素材「VR-チタン」や、スリクソンで培われた「MAIN FRAME」といった最先端テクノロジーの開発コストが反映されています。何より、ゼクシオブランドが持つ圧倒的な信頼性と、中古市場でも値崩れしにくい高いリセールバリューを考慮すれば、数年間にわたってゴルフを楽しむための「賢い投資」と捉えることもできるでしょう。

2026年に向けて、国内外のライバルメーカーがどのような対抗馬を出してくるかは分かりません。しかし、「日本のゴルファーを誰よりも知り尽くしている」ダンロップが作り上げたこの絶妙なバランス感覚を超えることは、容易ではないだろうと私は予測します。「ゼクシオ14+」は、単なるゼクシオ エックスの後継モデルではありません。これは、軽量アスリートアイアンというカテゴリーの「次世代のスタンダード」を先取りした、極めて戦略的なプロダクトなのです。

この記事が、あなたのクラブ選びの参考になれば、これほど嬉しいことはありません。最終的な判断は、ぜひご自身の目で、手で、感性で確かめてみてください。最高の相棒との出会いを、心から応援しています!

the19th

40代、ゴルフ歴20年の「ギアオタク」サラリーマンです。ベストスコアは73( HC10)。「シングル」の称号まであと一歩のところで、長年足踏みしています。
「その1打は、ギアで縮まる」を信念に、これまで試打してきたクラブは数知れず。給料のほとんどは最新ギアに消えていきます。
このブログは、20年間こだわり続けた「ギア選び」の記録です。

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