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【徹底解説】ツアーAD DIが合う人の特徴とスペック選び

【徹底解説】ツアーAD DIが合う人の特徴とスペック選び Column

こんにちは!あなたのゴルフライフに新たな発見をお届けする「19番ホール研究所」のthe19thです。

2009年の登場以来、ゴルフシャフトの世界で「不朽の名作」として君臨し続けるグラファイトデザインのTour AD DI。松山英樹プロが長年愛用し続けることでも有名で、その鮮やかなオレンジ色は多くのゴルファーの憧れですよね。ただ、その一方で「DIって、一体どんな人が合うんだろう?」という疑問もよく耳にします。

長年プロから高い評価を得ているけれど、自分のスイングタイプとの相性はどうか。DIのキックポイントや弾道特性をしっかり理解したい。ヘッドスピードに合ったフレックスやスペックの選び方が知りたいし、ドライバーだけでなくハイブリッド用のモデルについても知りたい。最近よく聞くベンタスや、同じTour ADシリーズのIZやXCとの比較も気になるところ。さらに、オレンジとブラックカラーの違いはあるのか…など、気になるポイントはたくさんあると思います。

この記事では、そんなTour AD DIに関するあらゆる疑問を解消するために、基本的な性能からマニアックな比較情報まで、徹底的に深掘りしていきます。この記事を読み終える頃には、あなたが「DIの適合者」なのかどうかが、ハッキリと見えてくるはずですよ!

  • DIが15年以上も評価され続ける理由
  • あなたのスイングタイプとの相性診断
  • ヘッドスピードに合うスペックの選び方
  • ベンタスなど人気シャフトとの違い
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  1. グラファイトデザイン ツアーAD DIが合う人の特徴
    1. 15年愛されるDIの評価と設計思想
      1. 豆知識:ナノアロイ・テクノロジーの凄さとは?
    2. 粘り系の剛性分布とキックポイント
      1. 手元部(Butt):切り返しのタイミングを生む「しなやかさ」
      2. 中間部(Mid):エネルギーを蓄積する「エンジン」
      3. 先端部(Tip):インパクトを受け止める「鋼の砦」
    3. 高打ち出し低スピン弾道になる理由
      1. 第1段階:中間部のしなり戻りによる「打ち出し角の確保」
      2. 第2段階:先端部の剛性による「スピン量の抑制」
    4. 左を嫌うスイングタイプとの相性
      1. 最適なスイングタイプ:タメのあるボディターンスインガー
      2. 解決できる悩み:チーピン・引っかけ・吹け上がり
    5. 松山英樹がDIを使い続ける理由
      1. 松山プロのスイングとDIの完璧なマリアージュ
      2. ヘッドを替えても、シャフトは替えない「基準」
  2. グラファイトデザイン ツアーAD DIに合う人のスペック選び
    1. ヘッドスピード別の推奨フレックス
      1. フィッティングでの試打が成功への近道
    2. ドライバーとハイブリッドの選び方
      1. アイアンシャフトとの重量フロー目安
    3. ベンタスブルーやブラックとの比較
    4. Tour ADのIZやXCとの違いは?
      1. Tour AD IZ (Into the Zone)
      2. Tour AD XC (Xtra Carry)
      3. Tour AD CQ (Conquest)
    5. ブラックカラーのスペックは同じ?
      1. 色がもたらす心理的効果(プラセボ効果)
      2. コスメティックの変遷と所有欲
    6. グラファイトデザイン ツアーAD DIが合う人の総括
      1. 【最終結論】Tour AD DIは、こんなあなたに最高のパートナーとなる!

グラファイトデザイン ツアーAD DIが合う人の特徴

まずは、グラファイトデザイン ツアーAD DIが、なぜこれほどまでに長くトップシーンで愛され続けているのか、その本質的な特徴や性能に迫っていきましょう。設計思想から弾道のメカニズム、そして松山英樹プロが手放さない理由まで、DIの基本的な性格を理解すれば、「合う人」の輪郭が見えてきますよ。

15年愛されるDIの評価と設計思想

Tour AD DIが市場にデビューしたのは2009年。もう15年以上も前のモデルですが、今なおPGAツアープロのキャディバッグに収まり、私たちアマチュアゴルファーの市場でも常にベストセラーの一角を占めているのは、正直言って異常なことかもしれません。これだけ用具の進化が激しい世界で、なぜDIは「生きた伝説」であり続けられるのでしょうか。その答えは、モデル名である「DI = Deep Impact(ディープ・インパクト)」に込められた、揺るぎない設計思想に隠されています。

開発された2000年代後半は、ドライバーヘッドが460ccまで大型化し、慣性モーメント(MOI)が飛躍的に増大した時代でした。ヘッドが大きく、重くなったことで、インパクトの衝撃も増大。従来のシャフトではヘッドの挙動が不安定になり、当たり負けしてエネルギーロスが生まれるという課題が浮上していました。DIが目指したのは、まさにこの課題の克服。つまり、インパクトでヘッドがブレることなく、ボールを芯で分厚く捉え、深く押し込んでいくような強靭さの実現でした。

この難題を解決したのが、当時最先端の素材技術であった東レ株式会社の「ナノアロイ・テクノロジー」の採用です。グラファイトデザインは、この革新技術をシャフトの最も重要である先端部にいち早く導入しました。(出典:グラファイトデザイン公式サイト「Tour AD DI」

豆知識:ナノアロイ・テクノロジーの凄さとは?

少しマニアックな話になりますが、カーボンシャフトは炭素繊維を樹脂(レジン)で固めて作られています。通常、シャフトの剛性を高めようとすると、硬い炭素繊維を使うため、どうしても粘り気がなくなり「ただ硬いだけの棒」のようなフィーリングになりがちです。しかし、ナノアロイ技術は、この樹脂の構造をナノメートル(1メートルの10億分の1!)という超微細なレベルで制御することで、複数の樹脂を強固に結びつけます。これにより、カーボン繊維同士の結着力が飛躍的に高まり、「高い剛性」と「しなやかな粘り(衝撃吸収性)」という、本来ならトレードオフの関係にある性能を両立させることが可能になったんです。DIの「硬いのに硬く感じない」という独特の打感は、この技術の賜物なんですね。

結果として、Tour AD DIは「振った分だけ忠実にボールにエネルギーを伝え、決して暴れない」という絶対的な信頼性を獲得しました。次々と新しいコンセプトのシャフトが登場しては消えていく中で、DIが持つこの「普遍的な高性能」こそが、15年以上にわたってトッププロとアマチュアから支持され続ける最大の理由と言えるでしょう。

粘り系の剛性分布とキックポイント

Tour AD DIの性能を語る上で、カタログスペックの「中調子」という言葉だけでは、その本質を到底理解することはできません。DIの真髄は、シャフトの各部分が明確な役割を持つ、その絶妙な剛性分布(EIプロファイル)にあります。このプロファイルこそが、DIを「粘り系」シャフトの最高峰たらしめているのです。

シャフトの動きをスイングの流れに沿って見ていくと、その設計意図がよくわかります。

手元部(Butt):切り返しのタイミングを生む「しなやかさ」

手元側はガチガチに固めず、標準的な硬さに設定されています。これにより、トップからの切り返しでシャフトが「グッ」としなる感覚をプレーヤーに伝えてくれます。この適度なしなりが、ダウンスイングへのスムーズな移行を促し、自然な「タメ」を作る手助けをしてくれるんです。テンポが速いヒッタータイプだと少し頼りなく感じる可能性もありますが、多くのゴルファーにとっては、この部分がタイミングの取りやすさに直結しています。

中間部(Mid):エネルギーを蓄積する「エンジン」

シャフトの真ん中にあたる中間部も、手元側と同様に標準的な硬さです。ここがダウンスイング中に最も大きくしなり、スイングのエネルギーを最大限に蓄積する「エンジン」の役割を果たします。もしここが硬すぎると、シャフト全体が一本の棒のようになり、振り心地が悪くなるだけでなく、ヘッドを加速させることも難しくなります。DIの振りやすさは、この中間部が適切に仕事をしてくれるからこそ生まれるんですね。

先端部(Tip):インパクトを受け止める「鋼の砦」

そして、Tour AD DIの核心部が、ナノアロイ・テクノロジーで強化された先端部です。手元から中間で作ったしなりとエネルギーをインパクトで爆発させる際、この極めて硬い先端部がヘッドの余計な挙動(インパクトの衝撃によるトゥダウンやフェースのねじれ)を鉄壁のごとく抑制します。これにより、芯を外した時でも当たり負けせず、エネルギーロスを最小限に抑え、ボールを力強く前へ押し出すことができるのです。

「粘り系」と「弾き系」の決定的な違い

多くの「弾き系」と呼ばれるシャフトは、先端側がしなり戻るスピードを利用してボールを弾き飛ばそうとします。一方、「粘り系」のDIは、先端をあえて動かさず固定することで、インパクトゾーンでボールを長くフェースに乗せ、「粘って、押し込む」ことで飛ばします。このフィーリングの違いが、打感や操作性を重視するプレーヤーに長年愛される理由です。

このように、「手元と中間は素直にしなって仕事をし、先端は一切ブレずにインパクトを受け止める」という役割分担の明確さこそが、Tour AD DIの剛性分布の正体であり、多くのゴルファーを虜にする魅力の源泉なのです。

高打ち出し低スピン弾道になる理由

ここで多くのゴルファーが抱く疑問が、「先端が硬いシャフトなのに、なぜ高打ち出しになるの?」という点でしょう。一般的に、先端剛性が高いシャフトはヘッドが返りにくく、ロフトが立ったままインパクトを迎えやすいため、「低打ち出し・低スピン」になる傾向があります。しかし、Tour AD DIの公式な特性は「High Launch(高打ち出し) & Low Spin(低スピン)」。これは一見矛盾しているように思えますが、DI独自の剛性分布がもたらす巧みなメカニズムによって実現されています。

この不思議な弾道が生まれるプロセスは、インパクト直前のコンマ数秒で起こる2段階の動きに集約されます。

第1段階:中間部のしなり戻りによる「打ち出し角の確保」

ダウンスイングで蓄積されたエネルギーが解放されるインパクト直前、シャフトの中間部が「ビュンッ」と大きくしなり戻ります。この動きは、ヘッドを僅かに下から上へと動かす効果を生み、インパクト時のロフト角を動的に増大させます。これが「動的ロフト」と呼ばれる現象で、ボールを高く打ち出すための十分な角度を確保する役割を果たします。もしシャフト全体が硬いだけなら、この動きは生まれず、ただの低いライナーになってしまうでしょう。

第2段階:先端部の剛性による「スピン量の抑制」

しかし、ただヘッドが上を向くだけでは、ボールが吹け上がってしまうだけです。ここでDIの真骨頂である強靭な先端部が仕事 をします。中間部がしなり戻って打ち出し角を確保したまさにその瞬間、硬い先端が「壁」となり、インパクトの衝撃でヘッドが必要以上に上を向いたり(ロフトが増えすぎたり)、フェースがブレたりするのをピタッと抑制するのです。特に、オフセンターヒット時に発生しやすいギア効果(フェースの重心から外れて当たることで発生するサイドスピンやバックスピンの増加)による吹け上がりを強力に防ぎます。

この「中間部で打ち出し角を作り、先端部でスピンを殺す」という二段階ロケットのような挙動こそが、DIの「高打ち出し・低スピン」の秘密です。高く打ち出されたボールは、余分なバックスピンがないため、空気抵抗に負けずに前へ前へと突き進み、着弾してからもランが期待できる、いわゆる「棒球」になります。これこそが飛距離と安定性を両立させる理想的な弾道であり、「Deep Impact」という名の所以でもあるのです。

左を嫌うスイングタイプとの相性

Tour AD DIの設計思想と弾道特性を理解すると、このシャフトがどのようなゴルファーにとって最高の相棒となるかが、非常に明確に見えてきます。結論から言えば、DIは「左へのミスを恐れるハードヒッター」や「自分のスイングでボールをコントロールしたいアスリートゴルファー」に最も適しています。

その理由を、スイングタイプと悩みの両面からさらに詳しく見ていきましょう。

最適なスイングタイプ:タメのあるボディターンスインガー

DIの性能を最大限に引き出せるのは、切り返しで急激な負荷をかけるのではなく、ゆったりとしたリズムでトップを作り、しっかりと「タメ」を意識しながら体の回転(ボディターン)でボールを運んでいくタイプのゴルファーです。DIの手元から中間にかけてのマイルドなしなりは、このようなスムーズな動きと同調しやすく、プレーヤーが意図するタイミングでエネルギーを解放するのを助けてくれます。手先の操作(リストターン)を多用してボールを捕まえにいくタイプだと、DIの「先端が走らない」特性が裏目に出て、フェースが戻りきらずに右へのプッシュアウトを誘発する可能性が高くなります。DIは、シャフトに仕事をさせるのではなく、あくまでスイングの主役は自分で、シャフトには忠実なサポート役を求めるゴルファーに完璧にマッチします。

解決できる悩み:チーピン・引っかけ・吹け上がり

ゴルファーがDIを選ぶ最大の動機は、多くの場合「左へのミスを消したい」という切実な願いです。チーピンや強いフックは、スコアを崩すだけでなく、メンタルにも大きなダメージを与えますよね。DIの強靭な先端部は、インパクト時にフェースが被りすぎる(左を向きすぎる)動きを物理的に抑制してくれます。これにより、「どれだけ強く振っても、絶対に左には巻かない」という絶大な安心感が生まれます。この安心感があれば、ゴルファーは左サイドのOBを恐れることなく、思い切って体を回転させ、フィニッシュまで振り抜くことができるようになります。

また、バックスピン量が多すぎてボールが吹け上がり、飛距離をロスしているゴルファーにとっても、DIの低スピン性能は大きな武器になります。特に、ダウンブロー軌道でインパクトを迎えるタイプのプレーヤーはスピンが増えやすい傾向にあるため、DIの恩恵をより強く感じられるでしょう。

注意:DIが合わないゴルファーとは?

ここまで見てきたように、DIは本質的に「捕まえてくれる」シャフトではありません。そのため、慢性的なスライサーや、パワー不足でボールが上がらない方が使うと、しなりを感じられないまま右に力なく抜ける球ばかりになり、症状を悪化させる危険性があります。DIを検討する際は、ある程度自分でボールを捕まえる技術を持っていることが前提となると言えるでしょう。

松山英樹がDIを使い続ける理由

Tour AD DIの性能と信頼性を最も雄弁に物語っているのが、他ならぬ松山英樹プロの存在です。彼はアマチュア時代にアジアアマを制した時から、マスターズを制覇し、世界のトップで戦い続ける現在に至るまで、ドライバーとフェアウェイウッドのシャフトをほぼ一貫してTour AD DIで通しています。毎年、数えきれないほどの最新シャフトがプロトタイプとしてツアーに投入される中で、なぜ彼は15年以上も前のモデルを選び続けるのでしょうか。

その理由は、彼のスイングとDIの特性が、もはや一心同体と言えるほど完璧にシンクロしているからに他なりません。

松山プロのスイングとDIの完璧なマリアージュ

松山プロのスイングの最大の特徴は、ゆったりと大きく上げたトップで一瞬「間」が生まれること、そしてそこから強烈な体重移動と体の捻転差を使って、分厚いインパクトを迎える点にあります。このスイングには、以下のようなシャフトの性能が求められます。

  1. 切り返しでタイミングが取りやすいこと:トップの「間」からスムーズにダウンスイングに移行するためには、手元側が適度にしなり、シャフトの重みを感じられることが重要です。DIの手元側のマイルドさが、このリズム作りに貢献しています。
  2. 強烈な負荷に耐えうること:世界トップクラスのヘッドスピードとパワーが生み出すダウンスイング中の強烈な負荷に対し、シャフトが変形しすぎてはインパクトが安定しません。DIの強靭な先端部は、この過酷な要求にびくともせず、ヘッドの軌道を安定させます。
  3. 操作性とフィーリングが一致すること:ドローもフェードも打ち分ける彼にとって、振った分だけ素直に反応してくれる「癖のなさ」は絶対条件。DIの粘り系の挙動は、彼の繊細な感覚に忠実に応えてくれます。

彼のセッティングを見ると、その要求の高さがうかがえます。ドライバーにDI-8TX、3WにDI-9TX、5WにはDI-10TXという、現代ツアーでも極めて稀な超重量級のスペック。これは、彼のパワーを受け止めるためだけでなく、この「重さ」と「硬さ」が彼のスイングリズムに完璧に合致している証拠と言えるでしょう。

ヘッドを替えても、シャフトは替えない「基準」

また、彼のクラブセッティングで興味深いのは、ドライバーはスリクソン、3Wはテーラーメイド、5Wはコブラと、ウッド類のヘッドメーカーがバラバラな点です。それでも振り心地に違和感なくプレーできるのは、全てのクラブにTour AD DIという「共通の物差し(基準)」を入れているからです。これは、私たちアマチュアが学ぶべき非常に重要なセッティング術です。自分にとっての「基準となるシャフト」を見つけることができれば、ヘッドを最新モデルに交換しても、フィーリングを大きく変えることなく移行できるのです。松山プロにとって、Tour AD DIはもはや体の一部であり、彼のゴルフを支える揺るぎない「背骨」のような存在なのかもしれませんね。

グラファイトデザイン ツアーAD DIに合う人のスペック選び

さて、ここまででTour AD DIの基本的な性格や、どのようなゴルファーに合うのかが、かなり具体的に見えてきたかと思います。ここからは、いよいよ実践編。数あるラインナップの中から、あなたにとっての「運命の一本」を見つけ出すための、具体的なスペック選びについて詳しく解説していきます。ヘッドスピードの目安から、ライバルとなる人気シャフトとの徹底比較まで、購入前に知っておきたい情報を網羅しました。

ヘッドスピード別の推奨フレックス

Tour AD DIは、軽量な50g台からプロ用の80g、90g台まで、非常に幅広い重量帯とフレックスが用意されています。この選択肢の多さが魅力である一方、選び方を間違えると「宝の持ち腐れ」になってしまう危険性もはらんでいます。特に、憧れだけで自分にはハードすぎるスペック(オーバースペック)を選んでしまうのは最も避けたい失敗です。シャフトが硬すぎると、しなりを全く感じられず、ボールが上がらない「ドロップ」というミスが出やすくなります。逆に柔らかすぎる(アンダースペック)と、インパクトでヘッドが暴れてしまい、左右に散らばる原因になります。

そこで、一般的なヘッドスピード(ドライバー)の目安と、推奨されるスペックを以下の表にまとめてみました。ぜひ、ご自身のスペック選びの参考にしてみてください。

ヘッドスピード (ドライバー) 推奨スペック こんな方にオススメ
38m/s ~ 42m/s DI-5 (R2/R1/S) 平均的なヘッドスピードの方や、シニアゴルファーに。軽量ながら先端がしっかりしているので、当たり負けせず飛距離を伸ばせます。R2フレックスまであるのが嬉しいポイントですね。
43m/s ~ 46m/s DI-6 (S/X) アマチュアアスリートゴルファーの、まさにボリュームゾーン。特にDI-6Sは、多くのゴルファーにとって基準となる「黄金スペック」と言えるでしょう。迷ったらまずこれを試す価値ありです。
47m/s ~ 50m/s DI-6 (TX) / DI-7 (S/X) かなりのパワーヒッター向け。ボール初速が速く、インパクトの衝撃が大きい方は、60g台でもTXフレックスを検討したり、70g台に重量を上げることで安定性が増します。
50m/s 以上 DI-7 (TX) / DI-8 (TX) 学生アスリートやプロレベルの領域。松山英樹プロのように、圧倒的なパワーをロスなくボールに伝えるためには、シャフトにも相応の剛性と重量が求められます。

フィッティングでの試打が成功への近道

この表は、あくまで一般的な目安です。同じヘッドスピードでも、切り返しのテンポが速い人は少し硬め、ゆったりした人は少し柔らかめが合うなど、スイングタイプによって最適なスペックは変わってきます。可能であれば、量販店や工房などで専門のフィッターに相談し、実際に試打させてもらうことを強くお勧めします。その際は、弾道計測器で打ち出し角やスピン量、左右のブレ幅などのデータを確認しながら選ぶと、より客観的に自分に合った一本を見つけられますよ。

ドライバーとハイブリッドの選び方

Tour AD DIの隠れた魅力の一つが、ドライバーからフェアウェイウッド、そしてハイブリッド(ユーティリティ)まで、同じフィーリングで揃えられる点です。セッティング全体の流れを重視するゴルファーにとって、これは非常に大きなメリットと言えるでしょう。

特に悩ましいのがハイブリッドのシャフト選び。アイアンからの流れを重視してスチールシャフトを入れる人もいれば、ウッドからの流れでカーボンを入れる人もいて、正解がないのが難しいところです。しかし、中途半端なスペックを入れると、左に引っかけるミスが出やすくなるクラブでもあります。

その点、DIハイブリッドはウッド用のDIと全く同じ設計思想(手元・中間がしなり、先端が硬い)で作られているため、ドライバーと同じ感覚で振ることができます。左へのミスを抑制する特性も、ハイブリッドにはまさにうってつけです。重量帯も70g台から100g台まで細かくラインナップされているため、ご自身のアイアンシャフトとの重量フローをきれいに繋ぐことができます。

アイアンシャフトとの重量フロー目安

  • アイアンが90g台スチール(例: N.S.PRO 950GH neo):DI Hybrid 75 or 85
  • アイアンが105g台スチール(例: MODUS3 TOUR 105):DI Hybrid 85 or 95
  • アイアンが120g台スチール(例: Dynamic Gold S200):DI Hybrid 95 or 105

一般的に、ハイブリッドはアイアンよりも少し軽いシャフトを選ぶと、振り心地の流れが良くなると言われています。ドライバーからウェッジまで、番手ごとに重量が徐々に重くなっていく「重量フロー」を意識することで、どのクラブを持っても同じリズムでスイングしやすくなりますよ。

ベンタスブルーやブラックとの比較

現代のシャフト市場において、Tour AD DIの最大のライバルと言えるのが、フジクラの「Ventus(ベンタス)」シリーズです。PGAツアーでの使用率はDIと双璧をなしており、特にハードヒッターからの絶大な支持を得ています。DIを検討している方なら、必ず比較対象として頭に浮かぶシャフトではないでしょうか。ここでは、特に人気の「Ventus Blue」と「Ventus Black」との違いを深掘りしてみましょう。

これらのシャフトの最大の違いは、剛性分布と、それによって生まれるフィーリングにあります。

特性 Tour AD DI Ventus Blue (VeloCore) Ventus Black (VeloCore)
キックポイント 中調子 中元調子 元調子
剛性フィーリング 中間がマイルドにしなる「粘り」 全体的にしっかり。先端も硬い 全体がしならない「鉄の棒」
つかまり度 ニュートラル〜やや逃がす ニュートラル〜逃がす 絶対に捕まらない
スピン量 低〜中スピン 低スピン 超低スピン
合うゴルファー シャフトのしなりを感じたいハードヒッター シャープに振って叩きたいヒッター 左へのミスを絶対に消したい超パワーヒッター

Ventusシリーズの共通点は、先端剛性を極限まで高める「VeloCoreテクノロジー」にあります。これにより、インパクト時のねじれを徹底的に排除し、超低スピンの強弾道を生み出します。特にVentus Blackは、手元から先端まで全体が非常に硬く、シャフトの動きをほとんど感じさせません。これは、自分のパワーだけでボールを叩き潰していくタイプのヒッターに最適です。

一方、Tour AD DIは、強靭な先端を持ちつつも、中間部がしなることでプレーヤーに「タメ」や「タイミング」を与えてくれるのが最大の違いです。この「遊び」があるおかげで、多くのゴルファーが振りやすさを感じます。どちらが良い悪いではなく、完全に好みの世界ですが、以下のように考えると分かりやすいかもしれません。

  • 「Ventusは硬すぎて棒に感じるけど、もう少し安定性が欲しい」→ Tour AD DIがフィットする可能性大。
  • 「DIはタイミングが取りやすいけど、もう少しシャープさが欲しい」→ Ventus Blueを試す価値あり。
  • 「DIでもまだ捕まってしまう、とにかく左が怖い」→ Ventus Blackが最終兵器になるかも。

ベンタスシャフトの特性については、【試打レビュー】フジクラ VENTUS TRシリーズの特徴と評価の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ合わせて読んでみてください。

Tour ADのIZやXCとの違いは?

ライバルは社外だけではありません。同じグラファイトデザインのTour ADファミリーの中にも、DIと比較検討すべき魅力的なモデルがたくさん存在します。ここでは、特にキャラクターが近い、あるいは対極にある代表的なモデルとの違いを整理してみましょう。DIを基準点として各モデルの立ち位置を理解すると、より自分に合った一本が見つかるはずです。

Tour AD IZ (Into the Zone)

DIの正統後継モデルと評されることが多いのが、このIZです。剛性分布はDIに非常に似ていますが、DIよりも中間部をわずかに柔らかく、先端部をさらに硬く設定しています。この設計により、DIよりもインパクト時の打ち出し角が高くなりやすいのが特徴です。「DIの粘り感やタイミングの取りやすさは大好きだけど、もう少し楽にボールを上げたい」と感じるゴルファーにとっては、まさに理想的な選択肢となるでしょう。デザインもDIより現代的で、乗り換えを検討する人も多い人気モデルです。

Tour AD XC (Xtra Carry)

DIをさらにハードにした、アスリート向けのモデルがXCです。DIよりも手元側の剛性を高め、中間から先端にかけてのしなりを極限まで抑えています。その結果、フィーリングはDIよりも硬質で、弾道はさらに低く、スピン量も少なくなります。「DIでもまだ捕まりすぎる」「吹け上がりが抑えきれない」という、まさにトップアマやプロレベルのハードヒッターをターゲットにしたシャフトです。松山プロも一時期テストしていたことがありますが、アマチュアが手を出すには相当なパワーと技術が求められる、手強い一本と言えます。

Tour AD CQ (Conquest)

DIとは全く逆のキャラクターを持つのが、先調子系のCQです。手元側が硬く、先端側が大きくしなり戻ることで、ヘッドを加速させ、ボールをしっかり捕まえてくれます。まさに「弾き系」の代表格で、ボールに高い打ち出しと大きなキャリーを与えてくれます。「DIを試したけど、全然捕まらないし、球も上がらなかった」というゴルファーが次に試すべきシャフトは、このCQかもしれません。自分の力で捕まえにいくDIとは対照的に、シャフトが仕事をしてくれるタイプのモデルですね。

他にも魅力的なTour ADファミリー

近年では、大型ヘッドとの相性を追求した「UB」、Ventus Blackへの対抗馬ともいえる元調子系の「VF」、そしてDIのフィーリングを最新素材で再解釈した「GC」や「FI」など、次々と新しいモデルが登場しています。DIを基準として、自分の求める弾道やフィーリングに合わせてこれらのモデルを試していくと、シャフト選びの迷路から抜け出せるかもしれませんよ。

ブラックカラーのスペックは同じ?

Tour AD DIの象徴といえば、誰もの記憶に残る鮮やかな「オレンジ」カラーですよね。しかし、2021年以降、クールで精悍な印象の「ブラックカラー」がラインナップに加わり、人気を博しています。ここで気になるのが、「色によって性能に違いはあるのか?」という点です。

この疑問に対するグラファイトデザイン社の公式な答えは、「No」です。つまり、オレンジもブラックも、表面の塗装が違うだけで、使用しているカーボン素材や積層設計、剛性分布といったシャフト自体のスペックや性能は全く同一です。

ではなぜ、わざわざカラーバリエーションが用意されているのでしょうか。それには、性能以外の、ゴルファーの感性に訴えかける重要な理由があります。

色がもたらす心理的効果(プラセボ効果)

クラブを構えた時の見た目は、ゴルファーのスイングに少なからず影響を与えます。ブラックカラーのシャフトは、視覚的に引き締まって見えるため、

  • 「シャープに見えて、速く振れる気がする」
  • 「ヘッドとの一体感が出て、操作しやすそうに感じる」
  • 「オレンジは少し派手だけど、ブラックならどんなヘッドにも合わせやすい」

といった心理的な効果を感じるゴルファーが少なくありません。これはプラセボ効果の一種かもしれませんが、ゴルフはメンタルのスポーツ。自分が「カッコいい」「振れそう」と思えるクラブを使うことは、パフォーマンスに直結する重要な要素です。科学的な性能差はなくても、フィーリングが合う方を選ぶ価値は十分にあると言えます。

コスメティックの変遷と所有欲

Tour AD DIは15年以上の歴史の中で、デザインも少しずつ進化してきました。2009年当初のオリジナルデザインから、2020年にはロゴデザインが現代的に刷新され、そしてブラックカラーが追加されました。2025年にはハイブリッド用にもブラックが投入される予定で、選択肢はさらに広がっています。自分のキャディバッグに入っているクラブが、性能だけでなく見た目も気に入っているというのは、ゴルフの楽しみを増幅させてくれます。性能が同じだからこそ、純粋に自分の好みでカラーを選べるというのは、DIならではの贅沢な悩みかもしれませんね。

グラファイトデザイン ツアーAD DIが合う人の総括

さて、ここまでTour AD DIというシャフトを、設計思想からスペック選び、ライバルとの比較に至るまで、あらゆる角度から徹底的に深掘りしてきました。15年以上も前に設計されたシャフトが、なぜ今もなお一線級であり続けるのか、その理由をご理解いただけたのではないでしょうか。

最後に、この記事の結論として、「グラファイトデザイン ツアーAD DIが合う人」とはどんなゴルファーなのか、その人物像を明確にまとめて締めくくりたいと思います。

【最終結論】Tour AD DIは、こんなあなたに最高のパートナーとなる!

  • 左へのミス(チーピン・引っかけ)を恐れずに振り抜きたいアスリートゴルファー
    DIの強靭な先端が、左への過剰なフェースターンを抑制。「左を消せる」という安心感は、あなたのスイングをより大胆にしてくれるはずです。
  • インパクトでの「ボールを押す感覚」や「分厚い打感」を大事にしたい感性派
    弾き感よりも、ボールがフェースに長く乗る「粘り」や「押し込み感」を求めるなら、DIのフィーリングは唯一無二のものとなるでしょう。
  • ドライバーからハイブリッドまで、同じ振り心地でセッティングを統一したいこだわり派
    ウッドからハイブリッドまで一貫したフィーリングを提供してくれるDIは、クラブセッティングに「流れ」と「基準」を求めるあなたにとって理想的な選択です。
  • 松山英樹プロのように、切り返しでゆったりタメを作るスイングを目指している人
    DIのしなやかな中間部は、スムーズな切り返しと自然なタメの形成をサポートします。理想のスイングを築き上げる上での、良き指導役にもなってくれます。

もちろん、その一方で、Tour AD DIがすべての人にとっての正解でないことも事実です。慢性的なスライサーや、ヘッドスピードが足りずにボールが上がらない方、シャフトの力を使って楽にオートマチックに飛ばしたい方にとっては、DIは性能を発揮できず、「ただ硬くて重い、難しい棒」と感じられてしまう可能性もあります。

大切なのは、憧れや評判だけで選ぶのではなく、ご自身のスイングタイプ、パワー、そしてゴルフで何をしたいのかを客観的に見極めること。その上で、適切な重量とフレックスを選びさえすれば、Tour AD DIはあなたのゴルフ人生を何年も、何十年も支え続けてくれる「最高の相棒」となるポテンシャルを秘めています。

この記事が、あなたのシャフト選びの長い旅に、一つの明確な道しるべとなれたなら、これほど嬉しいことはありません。

the19th

40代、ゴルフ歴20年の「ギアオタク」サラリーマンです。ベストスコアは73( HC10)。「シングル」の称号まであと一歩のところで、長年足踏みしています。
「その1打は、ギアで縮まる」を信念に、これまで試打してきたクラブは数知れず。給料のほとんどは最新ギアに消えていきます。
このブログは、20年間こだわり続けた「ギア選び」の記録です。

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