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歴代ゼクシオアイアンの名器はどれ?中古選びのポイント解説

歴代ゼクシオアイアン 名器 Dunlop

こんにちは!「19番ホール研究所」のthe19thです。

ゴルフ仲間とクラブハウスで談笑していると、いつの間にか始まっているのが「結局、歴代ゼクシオアイアンの名器ってどれなの?」という熱い議論。特に中古市場には魅力的なモデルがズラリと並んでいて、初代から最新モデルまで、どれが自分のゴルフに合うのか本気で迷ってしまいますよね。私自身も、過去のモデルそれぞれの評価や技術的な背景を調べるのに、かなりの時間を費やしてきました。中でもゼクシオ7やゼクシオ8、そして根強いファンがいるゼクシオ9あたりは「名器」として頻繁に名前が挙がりますが、具体的に打ち比べてみると何が違うのか、ゴルフ初心者にとってはどれが本当にやさしいのか、自分に最適なシャフトやロフト角はどれなのか、など比較してみないと分からないことだらけだと思います。さらに、マニアの間で囁かれる隠れた名器、ゼクシオ4代目の存在も気になるところです。

この記事では、そんな尽きないクラブ探しの旅に出ているゴルファーのために、数ある歴代ゼクシオアイアンの中から特に「名器」と評価されるモデルを厳選し、その人気の理由や技術的な特徴、そして最も重要な「失敗しない中古での選び方」まで、私のこれまでの知識と試打経験を総動員して、徹底的に掘り下げていこうと思います。この記事を読み終える頃には、あなたにピッタリの一本がきっと見つかるはずです。

  • 歴代ゼクシオの名器と呼ばれるモデルとその具体的な特徴
  • 特に人気の高い7代目、8代目、9代目の性能や打感の違いを徹底比較
  • 中古クラブ選びで絶対に外せないシャフトや状態のチェックポイント
  • あなたのプレースタイルや目的に合った最適なモデルが見つかる
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歴代ゼクシオアイアンの名器と評価される理由

2000年に「21世紀のゴルフスタンダード」を掲げて鮮烈なデビューを飾って以来、日本のゴルフ市場で圧倒的な存在感を放ち続けてきたゼクシオ。なぜこれほどまでに多くのゴルファーから長きにわたって愛され、「名器」と呼ばれるモデルを次々と生み出すことができたのでしょうか。その成功の軌跡をたどりながら、各世代の名器が持つ普遍的な魅力と、時代を切り拓いた革新性に迫っていきます。

初代から続くやさしい設計思想

ゼクシオがアマチュアゴルファーの絶対的な味方であり続ける理由、それは初代モデルから一貫して受け継がれている「やさしさ」への徹底したこだわりにあると私は思います。その設計思想の核となっているのが、今やゼクシオの代名詞ともいえる「チタンフェース」と「ステンレスボディ」の複合ヘッド構造です。

この構造がもたらすメリットは計り知れません。まず、フェース素材に採用されているチタンは、ステンレスに比べて比重が軽く、かつ強度が高い金属です。これにより、フェース面を極限まで薄く設計することが可能になり、インパクト時にフェースが大きくたわんでボールを力強く弾き出す、いわゆるトランポリン効果を最大化できるのです。これが、非力なゴルファーでも楽に飛距離を稼げる大きな要因となっています。

さらに重要なのが、この構造によって生み出される「余剰重量」の存在です。フェースを軽くした分、余った重量をヘッドのソール(底面)周辺や後方部に戦略的に配置することができます。これにより、ヘッドの重心を極めて低く、そして深く(これを「低・深重心化」と言います)設計できるため、ボールが上がりやすく、かつスイートエリアが劇的に拡大します。結果として、多少芯を外したミスヒットでも、飛距離のロスや方向性のブレが最小限に抑えられるという、アマチュアにとって夢のような寛容性が生まれるわけです。

ゼクシオ黎明期の技術進化

  • 初代 (2000年): 「クローアンダーカット」という深いキャビティ構造と「スルーチタンフェース」で、低重心化とスイートエリア拡大の基礎を確立。
  • 2代目 (2002年): より高強度な「SP700チタン」をフェースに採用し、反発性能をさらに向上。「ツインAXソール」で抜けの良さも追求。
  • 3代目 (2004年): フェースだけでなくボディもたわませる「インパクトパワーボディ」という概念を導入し、高反発エリアをヘッド全体に拡大。

このように、ゼクシオは初代から「いかにしてアマチュアゴルファーのミスを助け、ゴルフを簡単で楽しいものにするか」という命題に真摯に向き合い続けてきました。このブレない哲学こそが、20年以上にわたりトップブランドとして君臨し続ける最大の理由だと私は確信しています。

隠れた名器ゼクシオ4代目の実力

歴代モデルを語る上で、7代目や8代目のようなスター選手の影に隠れがちですが、クラブ好きやベテランゴルファーの間で「実はあれが一番良かった」と囁かれる存在、それが2006年に発売された4代目、通称「オールニューゼクシオ」です。

このモデルが「隠れた名器」と称される最大の理由は、その完成された「オートマチックなやさしさ」にあると思います。技術的には、前モデルまで培ってきた低重心設計をさらに突き詰めた点に特徴があります。バックフェースのアンダーカット(えぐり)はトップブレードの裏側にまで達するほど深く、これ以上ないほどの低重心化を実現。さらに、ソールには比重の重い「タングステンニッケルウェイト」を装着することで、深重心化も徹底しています。

この設計がもたらす恩恵は絶大で、とにかくボールが楽に上がります。本当に、払い打つだけで、アイアンが勝手に仕事をしてボールを高く打ち出してくれる感覚です。当時のユーザー評価を見ても、「こんなに簡単なアイアンは初めて」「キャビティなのに重く伸びる強い球が出る」といった絶賛の声が相次ぎました。特に、ボールが上がらずに飛距離をロスしていたゴルファーや、すくい打ちの癖が抜けきらない初心者の方にとっては、今でもこれ以上の”コーチングクラブ”はないかもしれません。

打感は「カチン」というやや弾き感のある音ですが、これがまた「飛んでいる!」という爽快感を演出してくれます。中古市場では、その性能の高さに反して非常にリーズナブルな価格で取引されており、1万円台前半で状態の良いセットが見つかることも少なくありません。コストパフォーマンスという観点で見れば、歴代モデルの中でも間違いなくトップクラスです。もしショップで見かけたら、ぜひ一度手に取ってみる価値のある、まさに知る人ぞ知る名器と言えるでしょう。

不動の人気を誇るゼクシオ7アイアン

もし「ゼクシオの名器を一つだけ選べ」と言われたら、おそらく最も多くのゴルファーがこのモデルの名前を挙げるでしょう。それが、2012年に登場し、ゴルフ界に衝撃を与えた7代目、XXIO7です。発売から10年以上が経過した現在でも、中古市場での取引量は常にトップクラス。その人気は衰えることを知らず、「不動の名器」としての地位を確立しています。

なぜXXIO7はこれほどまでに愛されるのか。その核心は、クラブ設計の常識を覆した革新技術「デュアルスピードテクノロジー」の搭載にあります。

デュアルスピードテクノロジーの革新性

それまでのクラブ開発では、「ヘッドを軽くして速く振る」か「ヘッドを重くしてインパクトのエネルギーを上げる」かの二者択一が常識でした。しかし、ゼクシオはこの相反する要素の両立に成功したのです。

  1. 振りやすさの向上(ヘッドスピードUP): シャフトの重心を手元側にずらし、クラブ全体の重量バランスを調整(軽量化も含む)。これにより、ゴルファーが感じるクラブの重さ(スイング慣性モーメント)が低減され、無意識のうちにヘッドスピードが向上します。
  2. ボール初速の向上(運動エネルギーUP): 「振りやすく」した一方で、ヘッド本体の重量は前モデルよりも増加させています。これにより、インパクト時の衝突エネルギーが大きくなり、ボール初速が格段にアップします。

つまり、「速く振れるのに、ヘッドは重い」という、まさに”いいとこ取り”を実現した画期的な技術だったのです。

このテクノロジーの効果は絶大で、多くのゴルファーが「今までと同じ感覚で振っているのに、なぜか飛距離が伸びる」という魔法のような体験をしました。力む必要がないためスイングも安定し、結果としてスコアメイクにも繋がったのです。

さらに、XXIO7の魅力は性能だけではありません。女子プロゴルファーの古閑美保さんが「イケメン顔」と評したように、ヘッド形状の美しさも特筆すべき点です。トップブレードの厚み、グースネックの度合い、フェースの大きさといった要素が絶妙なバランスで融合しており、アドレス時に構えた瞬間、スッとターゲットに集中できる安心感があります。この感性に訴えかける完成度の高さも、長く愛される理由の一つでしょう。まさに、ゼクシオの歴史における一つの到達点と言えるモデルです。

完成度の高さで評価されるゼクシオ8

7代目が打ち立てた金字塔を、さらに洗練させ、成熟の域にまで高めたモデル。それが、2014年に発売された8代目、XXIO8です。多くのクラブアナリストや上級者が「歴代ゼクシオで最も完成度が高い」と口を揃える、まさに傑作アイアンです。

XXIO8は、7代目で大成功を収めた「デュアルスピードテクノロジー」のコンセプトを継承しつつ、新たに「スイング慣性モーメント」という、より深い領域にまで踏み込んで設計されています。これは、プロとアマチュアのスイングの違いを徹底的に分析し、「いかにアマチュアが効率よくヘッドを加速させられるか」を追求したものです。

具体的には、グリップ重量をグラム単位で軽量化し、シャフトの重心をさらに手元側に寄せることで、テークバックからトップ、そして切り返しにかけての動作が非常にスムーズになるよう設計されています。アマチュアにありがちな、切り返しで力んでしまう動きをクラブ側が自然に抑制し、ヘッドが理想的な軌道を描きながら走りやすくなるのです。

そして、ユーザーから最も高く評価されているのが、歴代でもトップクラスと評される打感の柔らかさです。チタンフェースのアイアンは、その反発性能の高さから「カキン」という硬めの打感になりがちですが、このXXIO8はフェース構造の進化により、まるで軟鉄鍛造アイアンかのようなマイルドなフィーリングを実現しています。ボールがフェースに食いつき、ゆっくりと押し出されていくような感覚は、一度味わうと病みつきになるゴルファーが続出しました。

「戻ってくるゴルファー」が多いのもXXIO8の特徴
新しい9代目や10代目を試したものの、「やっぱり8代目の打感と安定感が忘れられない」と、再びXXIO8に戻ってくるゴルファーが非常に多いことでも知られています。これは、このモデルがいかにゴルファーの感性にマッチし、高い満足度を提供していたかの証左と言えるでしょう。

飛距離性能、方向安定性、そして何より心地よい打感。全ての要素が極めて高い次元で融合しており、まさに「アイアンに求めるすべてがここにある」と言っても過言ではないほどの完成度を誇ります。長く付き合える最高のパートナーを探しているなら、このXXIO8は最有力候補になるはずです。

飛距離と操作性を両立したゼクシオ9

7代目、8代目と続いたゼクシオ黄金時代の流れを汲み、新たなアプローチでゴルファーのパフォーマンス向上を目指したのが、2016年発売の9代目、XXIO9です。このモデルは、単なる進化ではなく、「スイングそのものを変える」という野心的なコンセプトを掲げた意欲作でした。

その核心技術が、「ヘッド軌道を最適化する」という新発想です。XXIO9では、ヘッド重量を前作よりもさらに重くする一方で、シャフトは一層の軽量化と手元重心化を推し進めました。これにより、ダウンスイングの初期段階で手首のコックがほどけてしまう(アーリーリリース)のをクラブが抑制し、ヘッドが身体の近くを通るインサイド軌道を描きやすくなるよう誘導します。その結果、インパクトゾーンでヘッドが最大限に加速し、ボールにエネルギーを効率よく伝えられるというメカニズムです。

そして、このXXIO9が歴代モデルの中で極めて重要な位置を占める理由がもう一つあります。それは、7番アイアンのロフト角が30度に設定された最後の世代であるという点です。

「ロフト30度」の価値

次世代のXXIO X以降、ゴルフ界全体のストロングロフト化(飛び系アイアンの流行)の波に乗り、ゼクシオも7番で29度、28度とロフトを立てていきます。これにより飛距離性能は向上しましたが、一方で「飛びすぎて番手間の距離が空いてしまう」「スピンが減ってグリーンで球が止まりにくい」といった声も聞かれるようになりました。

その点、XXIO9のロフト30度は、現代の基準で見れば十分に飛距離を確保しつつも、アイアン本来の役割である「高さでグリーンを狙い、スピンで止める」という機能をしっかりと維持している絶妙な設定です。まさに、飛距離性能とスコアメイクに不可欠な操作性を両立した、最後のバランス型名器と言えるでしょう。

また、ソール内部に高比重のタングステンニッケルウェイトを配置するなど、ヘッド構造もより複雑な「5ピース構造」へと進化。これによりシリーズ史上最も低い重心を実現し、どんなライからでもオートマチックに高弾道を打てるやさしさも備えています。「飛距離も欲しい、でもアイアンとしての機能性も譲れない」という、わがままなゴルファーの要求に応えてくれる最後の砦。それがXXIO9なのです。

歴代ゼクシオアイアンの名器を中古で選ぶ比較

さて、ここからは名器たちの魅力を理解した上で、実際に中古で最高の1本を見つけ出すための、より実践的な比較と選び方のポイントを解説していきます。特に人気の高いモデルの違いや、初心者が陥りがちな失敗を防ぐための注意点など、具体的な情報を交えながら詳しく見ていきましょう。

7と8の違いをスペックで徹底比較

中古アイアンを探し始めると、多くの人がXXIO7とXXIO8のどちらを選ぶべきかという嬉しい悩みに直面します。どちらも素晴らしい名器ですが、似ているようでいて、実はキャラクターが異なります。ここで両者の違いを明確にしておきましょう。

XXIO7 vs XXIO8 詳細スペック比較(7番アイアン)

項目 XXIO 7 (2012) XXIO 8 (2014)
ロフト角 30度 30度
クラブ長 37.0インチ 37.0インチ
コンセプト デュアルスピードテクノロジー(振りやすさ重視) スイング慣性モーメント最適化(スイング効率重視)
打感・打音 弾き感のある「カキン」という爽快な音 シリーズ屈指の柔らかくマイルドな打感
寛容性 高い 非常に高い(特にフェース下部に強い)
ヘッド形状 シャープで美しい「イケメン顔」 やや丸みがあり安心感のある形状
中古相場目安 1.5万~3.0万円 2.5万~3.5万円

※中古相場は2024年現在の目安であり、クラブの状態やシャフトによって大きく変動します。正確な価格は販売店でご確認ください。

スペック上の数値はほぼ同じですが、その目指した方向性には明確な違いがあります。

  • XXIO7は「アスリート系」の爽快感
    デュアルスピードテクノロジーによるシャープな振り心地と、弾き感のある打音が特徴です。「クラブを積極的に振っていきたい」「打った瞬間に飛んでいく爽快感を味わいたい」というゴルファーには、XXIO7がピッタリかもしれません。美しいヘッド形状を好む方にもおすすめです。
  • XXIO8は「アベレージの味方」の安心感
    スイング効率を追求した設計と、何よりそのマイルドな打感が最大の魅力です。「力まず、安定したスイングでスコアをまとめたい」「ミスヒットをクラブに助けてほしい」という方には、XXIO8が最高のパートナーになるでしょう。少しトップ気味の当たりが多い方にも、このモデルの寛容性は大きな助けとなります。

結論として、より心地よい打感と究極のやさしさを求めるならXXIO8振り抜きの良さとコストパフォーマンスを最優先するならXXIO7、という選び方が、一つの明確な指針になるかなと思います。どちらを選んでも後悔することは少ない、というのがこの2モデルの凄いところですね。

初心者におすすめの中古モデルの選び方

「これから本格的にゴルフを始めたい」「付き合いで買ったけど、もっと楽なクラブが欲しい」という初心者の方に、私が自信をもっておすすめできるのは、やはりXXIO7かXXIO8です。最新モデルが10万円以上する中で、この2モデルは驚くほどのコストパフォーマンスを誇ります。

なぜこの2モデルが初心者にとって最適なのか、その理由は3つあります。

  1. 圧倒的な「やさしさ」と「寛容性」
    ゴルフを始めたばかりの頃は、ボールがクラブの芯に当たることの方が少ないですよね。この2モデルは、そうしたミスヒットを徹底的にカバーしてくれる設計になっています。少し芯を外しても、驚くほど飛距離が落ちず、まっすぐ飛んでくれる。この「クラブが助けてくれる」という体験は、上達へのモチベーションを維持する上で非常に重要です。「ナイスショット!」の回数が増えれば、ゴルフはもっと楽しくなりますからね。
  2. 今でも通用する十分な性能
    発売から10年近く経ちますが、その基本性能は決して現代のクラブに見劣りしません。特にアマチュアが必要とする「飛距離」「上がりやすさ」「方向性」といった要素は、最新モデルと比較しても遜色ないレベルです。まずはこのクラスのクラブでしっかりとスイングの基礎を作り、ゴルフの楽しさを存分に味わうことが、遠回りのようで一番の上達への近道だと私は思います。
  3. 驚異的なコストパフォーマンス
    これが最大の魅力かもしれません。性能が保証された「名器」が、モデルによっては1万円台から手に入る可能性があります。ゴルフはお金がかかるスポーツですが、クラブにかける初期投資を賢く抑えることで、その分をレッスンやラウンド費用に充てることができます。賢く始めて、長く楽しむ。そのための最適な選択肢が、ここにあるのです。

もし予算に少し余裕があるなら、より打感が良く、ミスへの許容範囲が広いXXIO8を選ぶのがベストかもしれません。しかし、まずは安く始めてみたいという方には、XXIO7が最高の入門クラブになることは間違いありません。

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失敗しないシャフト選びのポイント

中古アイアン選びで、ヘッドのデザインや状態にばかり目が行きがちですが、実は最も重要なのがシャフト選びです。自分に合わないシャフトを選んでしまうと、せっかくの名器もその性能を全く発揮できません。特にゼクシオには、知っておくべき特有のポイントがあります。

ゼクシオ純正カーボンシャフト(MPシリーズ)の特性を理解する

ゼクシオのアイアンに標準で装着されている「MP」と名の付く純正カーボンシャフトは、同じフレックス(硬さ)表記の他社製品と比べて、意図的にかなり柔らかく設計されています。これは、シャフトのしなりを最大限に活かして、非力なゴルファーでもヘッドを走らせ、飛距離を伸ばせるようにするためです。

この特性を知らずに選ぶと、ミスマッチが起こりがちです。以下を目安にしてみてください。

  • 普段、他社メーカーで「R」や「SR」を使っている方 → ゼクシオでは「S」を試してみる価値があります。
  • 普段、他社メーカーで「S」を使っている体力のある方 → 純正カーボンではなく、スチールシャフト(N.S.PRO 920GH for XXIOなど)が装着されたモデルを検討するのが賢明です。

ご自身のドライバーのヘッドスピード(HS)を基準にすると、より分かりやすいかもしれません。

  • HS 38m/s 以下の方: 純正カーボン「R」が最適
  • HS 38m/s ~ 42m/s の方: 純正カーボン「SR」または「S」
  • HS 42m/s 以上の方: スチールシャフト

これはあくまで目安ですが、中古ショップで試打できる機会があれば、必ず自分の感覚を信じて選んでください。

グリップ交換の注意点

もう一つ見落としがちなのがグリップです。ゼクシオのアイアンは、ヘッドの重さを感じやすくするために、非常に軽い専用グリップ(30g台~40g台)が装着されています。これを、市販の一般的なグリップ(約50g)に交換してしまうと、クラブの重量バランス(スイングウェイト)が大きく変わり、ヘッドが軽く感じられて非常に振りにくくなってしまいます。もしグリップが消耗している場合は、必ず同じような重量帯の軽量グリップに交換するよう、ショップの店員さんに相談してください。

新旧モデルのロフト角と飛距離性能

ゼクシオアイアンの進化の歴史は、そのまま日本のアイアン市場におけるロフト角の変化の歴史と重なります。特に、XXIO9とその後継モデルであるXXIO X(テン)の間には、設計思想を分ける大きな境界線が存在します。

XXIO 9まで: バランス重視の「狙う」アイアン

初代から9代目までのモデルは、7番アイアンのロフト角が32度から始まり、徐々にストロング化しつつも30度で留まっていました。このロフト設定は、十分な飛距離性能と、グリーン上でボールを止めるための適度なスピン量を両立させることを意図した、いわば「黄金比」でした。

  • 弾道: 高く上がり、頂点から緩やかに落下する、いわゆる「放物線」を描きます。
  • メリット: スピンが効いているため、グリーンにキャリーで落ちてからランが少なく、ピンをデッドに狙っていけます。番手ごとの飛距離の差(距離の階段)が安定しており、縦距離のコントロールがしやすいのが特徴です。
  • 対象ゴルファー: 飛距離よりも、スコアメイクに不可欠な「狙った距離を正確に打つ」ことを重視するゴルファー。

XXIO X以降: 飛距離特化の「飛び系」アイアン

2017年のXXIO Xから、7番アイアンのロフトは29度、さらに11代目では28度へと、一気にストロングロフト化が進みます。これは、飛距離不足に悩む多くのアマチュアゴルファーの要望に応えるための進化でした。

  • 弾道: 高い打ち出しから、前へ前へと突き進む「弾丸ライナー」に近い強弾道になります。最高到達点は旧モデルと同等かそれ以上ですが、落下角度が浅くなる傾向があります。
  • メリット: とにかく飛びます。旧モデルと比較して、1番手から1.5番手上の飛距離が楽に出せます。今まで6番アイアンで打っていた距離を、より短くやさしい7番アイアンで狙えるようになります。
  • 対象ゴルファー: 加齢などによる飛距離の低下に悩んでいるゴルファー。アイアンでもっと飛距離を稼ぎたいと考えている方。

どちらが優れているという話ではなく、あなたがアイアンに何を最も求めるかで選ぶべきモデルが変わってきます。スコアメイクの安定性を求めるならXXIO9以前、失った飛距離を取り戻したいならXXIO X以降、という大きな指針を持つと、モデル選びがスムーズになるでしょう。

コスパ最強モデルはこれだ

さて、ここまで様々な角度から歴代の名器を分析してきましたが、「結局のところ、今買うならどれが一番お買い得で満足度が高いの?」という問いに対して、私が一つの答えを出すならば、それは間違いなくXXIO8(8代目)です。

その理由は、これまで述べてきたことの集大成になりますが、改めて3つのポイントに集約できます。

なぜXXIO8が「コスパ最強」なのか?

  1. 完成された圧倒的な性能
    「歴代最高傑作」との呼び声は伊達ではありません。飛距離、方向性、そして何より特筆すべき打感の良さ。これらのバランスが極めて高い次元で融合しており、性能面で最新モデルに大きく劣ることはありません。特にアマチュアを助ける寛容性においては、今でもトップクラスです。
  2. 価格が「底値圏」に達している
    新しいモデルが登場するにつれて中古価格は下落しますが、XXIO8はすでにその下落が落ち着き、価格が安定している「底値圏」に入っています。つまり、これ以上大きく値崩れする可能性が低く、非常に購入しやすい価格帯で安定しているのです。性能と価格のバランスが、今まさにピークに達している状態と言えます。
  3. 市場での流通量と状態の良さ
    大ヒットモデルだったため、中古市場でのタマ数が非常に豊富です。選択肢が多いということは、自分に合ったスペック(特にシャフト)や、状態の良い個体を見つけやすいという大きなメリットに繋がります。発売から年数が経ちすぎると程度の良いクラブは減っていきますが、XXIO8はまだその心配が少ないのも魅力です。

もちろん、絶対的な安さで言えばXXIO7に軍配が上がります。しかし、数千円の差で得られる打感の良さや、より状態の良いクラブが見つかる可能性を考慮すると、総合的な満足度、すなわちコストパフォーマンスではXXIO8がわずかに上回るというのが私の見解です。長く使える最高の相棒を、最も賢く手に入れる選択肢がここにあると思います。

あなたに合う歴代ゼクシオアイアン名器

長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました。最後に、この記事の総まとめとして、あなたのゴルフスタイルや悩みに合わせて、どの「名器」が最適なのかを最終提案させてください。これは、あなただけの最高のパートナーを見つけるための、私からの処方箋です。

あなたのための「名器」診断

とにかく安く、でも失敗はしたくない!ゴルフを始める・再開するあなたへ
→ 迷わず XXIO 7 (2012) を選んでください。
1万円台で手に入る可能性があるのに、その性能は本物です。ゴルフの楽しさを教えてくれる「魔法の杖」として、これ以上の選択肢はありません。このクラブでゴルフが好きになれば、それは最高の投資になります。
性能、打感、所有感…すべてにこだわりたい。長く使える最高の相棒が欲しいあなたへ
→ 最高の選択は XXIO 8 (2014) です。
歴代最高傑作と評される完成度は、あなたを裏切りません。心地よい打感、安定した弾道、構えやすい顔。すべてが揃ったこのアイアンは、ゴルフのレベルを問わず、長くあなたのエースとして活躍してくれるでしょう。
飛距離は欲しい、でもグリーンで止まるアイアン本来の機能も譲れないあなたへ
→ 最後のバランス型名器、XXIO 9 (2016) が最適です。
ロフト30度の最終世代として、飛びと操作性を見事に両立しています。「飛び系アイアンはちょっと…」と感じる、スコアメイクを重視する賢明なゴルファーにとって、これ以上ない選択です。
最近、飛距離が落ちてきた…。昔のようなゴルフを取り戻したいあなたへ
→ XXIO X (2017) 以降の「飛び系」モデルが力になります。
ストロングロフトがもたらす圧倒的な飛距離は、あなたの悩みを解決する強力な武器となります。特に11代目の「ウェイトプラス」や12代目の「リバウンドフレーム」は、スイングの安定にも貢献してくれます。

ゼクシオアイアンの歴史は、日本のゴルファー一人ひとりに真摯に寄り添い、その悩みを解決するために進化し続けた技術の結晶です。どの世代のクラブを手に取っても、その根底に流れる「やさしさ」という哲学は、きっとあなたのゴルフをより豊かで楽しいものにしてくれるはずです。

もちろん、最終的にはスペックだけでなく、ご自身のフィーリングが最も大切です。この記事を一つの羅針盤として、ぜひお近くのショップで実際にクラブを手に取り、できれば試打をしてみてください。その先に、あなただけの運命の「名器」との出会いが待っていると、私は信じています。 

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the19th

40代、ゴルフ歴20年の「ギアオタク」サラリーマンです。ベストスコアは73( HC10)。「シングル」の称号まであと一歩のところで、長年足踏みしています。
「その1打は、ギアで縮まる」を信念に、これまで試打してきたクラブは数知れず。給料のほとんどは最新ギアに消えていきます。
このブログは、20年間こだわり続けた「ギア選び」の記録です。

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