ゴルフ70台の壁を突破!割合3%の思考とダブルボギー撲滅法

70台のゴルフ Column

ゴルフを愛する皆さん、こんにちは。19番ホール研究所の「the19th」です。

「70台のゴルフ」という響きには、私たちゴルファーを惹きつけてやまない、特別な魔力がありますよね。80台前半で回ることはあっても、コンスタントに「7」から始まるスコアカードを手にするとなると、そこには見えないけれど確実に存在する、分厚い壁を感じてしまうものです。

ふと気がつくと、平均スコアや難易度、そしてその壁を越えるための割合といった数字を気にして、スマートフォンの検索画面と睨めっこしていませんか?

実は、何を隠そう私自身も、スイング技術はある程度身についたはずなのに、なぜかスコアだけが伸び悩む「80台の停滞期」を長く過ごしました。良いショットは打てるのに、終わってみれば82、85……。「何が足りないんだろう?」と自問自答する日々でした。

この記事では、そんなもどかしい現状を打破し、エリートアマチュアの仲間入りを果たすために必要な「考え方」や、明日から実践できる「具体的な練習ドリル」、そしてスコアを作るための「精神的なマネジメント」について、膨大なデータを基に深く、そして熱く掘り下げていきます。

  • 70台で回れるゴルファーの割合と客観的な難易度
  • 技術よりも大切になるダブルボギーを撲滅するための思考法
  • パーオン率50%を目指すための具体的なスタッツ基準
  • プロも実践するパッティングとアプローチの練習ドリル
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70台のゴルフ達成に必要な思考法と割合

70台というスコアは、単に「調子が良くてラッキーだった日」に出るものではありません。それは、明確な思考と確率に基づいた、極めて理性的なマネジメントの結果として生まれる必然の数字です。
ここでは、まず客観的なデータで現在地を知り、70台を出すための「脳内アップデート」を行います。技術練習の前に、まずは頭の中をシングルプレーヤー仕様に書き換えていきましょう。

70台の難易度とゴルファー全体の割合

まず、私たちが目指している「70台」という場所が、ゴルフ界全体においてどれほど高い山なのか、客観的な数字で確認しておきましょう。
様々な統計データがありますが、アマチュアゴルファー全体の中で、恒常的に70台(平均スコア80未満)でプレーできる人は、実は全体のわずか1.5%から3.6%程度しかいないと言われています。

これは、学校のクラスに40人の生徒がいたら、1人いるかいないか、というレベルの希少性です。もしあなたが練習場で100人のゴルファーを見渡したとしても、その中に安定して70台で回る人は2〜3人しかいない計算になります。

「経験」こそが最大の武器になる

「自分には才能がないから無理かも……」と落ち込む必要はありません。データによれば、ゴルフ歴が10年を超えても、平均スコアが90を切れていない人が多数派であるという現実があります。しかし逆に言えば、ゴルフ歴21年以上のベテラン層になると、70台・80台の割合が約6割に達するというデータも存在します。

つまり、70台の壁を越える鍵は、爆発的な身体能力ではなく、経験による「コース対応力」や「自己分析力」の蓄積にあるのです。

【ポイント】
もしあなたが現在80台で回れているなら、すでに上位の層(トップ20%〜30%)に位置しています。そこから「70台の住人(トップ3%)」になるために必要なのは、スイングの大改造ではなく、残り数パーセントの隙間を埋めるための「質的な変化」です。

70台を出すマネジメントと戦略の基本

70台を出すために、「全てのホールでパーやバーディを狙う」必要はありません。むしろ、その「完璧主義」こそがスコアを崩す最大の原因です。70台のゴルフにおけるマネジメントの基本は、コースを「信号機」のように色分けして見ることです。

コースを3色でイメージする

ティーグラウンドに立った時、あるいはセカンドショット地点で、目の前の景色を以下の3つに分類してください。

  • 赤信号(Red Zone):絶対に打ってはいけない場所。OB、池、脱出困難な深いバンカー、急傾斜のラフなど。ここに入れたらダブルボギーが確定するエリアです。
  • 黄信号(Yellow Zone):リスクはあるが、状況次第で狙っても良い場所。あるいは、ミスしてもボギーで収まるエリア。
  • 青信号(Green Zone):安全地帯。フェアウェイの広いサイドや、花道など。

例えば、ピンがグリーンの右端(右サイドは池)に切ってある場面を想像してください。
80台で停滞する人は、ピン(赤信号の近く)をデッドに狙いにいき、少しスライスして池に入れてしまいます。一方で、70台プレーヤーは迷わずグリーンのセンター、あるいはピンの反対側の広い側(Fat Side / 青信号)を狙います。

たとえピンから15メートル離れても、グリーンに乗れば2パットのパー、悪くても3パットのボギーで上がれます。この徹底したリスク回避こそが、スコアを安定させる唯一の方法です。

「ドライバーを持たない」という勇気

時にはドライバーを持たず、3番ウッドやハイブリッド、アイアンでティーショットを打つ勇気も必要です。一発の飛びよりも、「次が確実に打てる場所」にボールを置くこと。この徹底したリスク管理ができるかどうかが、エリートアマチュアへの分かれ道です。

もし、狭いホールでのティーショットや、長いパー3での攻め方に不安があるなら、ドライバー以外の「頼れる武器」をバッグに入れておくことを強くおすすめします。以下の記事で紹介しているような、高弾道で止められるハイブリッドは、70台を目指す上での強力な相棒になるはずです。

PING G430ハイブリッド試打評価!飛距離と安定性が進化した名器

70台の考え方はダブルボギーの撲滅

これは私の経験上、最も効果があった、そして今でも実践しているマインドセットです。「79」というスコアを分解して考えてみましょう。
パー72のコースにおいて、「79」は7オーバーです。つまり、「18ホール中、7回ボギーを叩いても70台は出る」のです。

ボギーは「友」、ダボは「死」

18ホールの半分近く、約4割のホールでボギーを打っても目標は達成できます。そう考えると、少し気が楽になりませんか?
しかし、ここに「ダブルボギー」が混ざると話は劇的に難しくなります。1つのダボを取り返すには、2つのバーディが必要になります。アマチュアにとって、バーディを計算して取るのは至難の業です。

したがって、私たちの戦略はシンプルに「ボギーは友達、ダボは死」と割り切ることになります。

状況 80台の思考(ダボを打つ人) 70台の思考(ボギーで凌ぐ人)
林の中からの脱出 「わずかな隙間を通してグリーンを狙う!」
→ 木に当ててダボ・トリプル
「横のフェアウェイに出すだけ」
→ 3オン2パットのボギーでOK
バンカー越えのアプローチ 「ピンそばにふわっと落としたい」
→ ショートしてバンカーへ、またはホームラン
「ピン奥でもいいから確実に乗せる」
→ 2パットでボギー確保

【7つのボギー理論】
無理にパーを拾いにいってダボを打つくらいなら、安全にボギーで上がる。この「損切りの早さ」と冷静な判断の積み重ねが、結果として70台を引き寄せます。

平均スコア70台に求められるスタッツ

では、技術的にはどの程度の数字(スタッツ)を目指せば良いのでしょうか。70台前半(スクラッチレベル)と80台半ば(ハンデ10前後)を分ける最大の要因は、実はフェアウェイキープ率やドライバーの飛距離ではありません。
決定的な差は、「パーオン率(GIR:Green In Regulation)」にあります。

黄金律:パーオン率50%の法則

70台で回るための最も確実な計算式は「パーオン率50%」です。
18ホール中、半分の9ホールでパーオン(規定打数でグリーンに乗せること)ができれば、そこから2パットで確実に9個の「パー」を確保できます。

残りの9ホールをすべてボギーで凌いだとしても、スコアは「36(パー)+45(ボギー)=81」です。この状況なら、どこかで一つでも「寄せワン」でパーを拾ったり、まぐれでバーディが一つ来れば、それだけで容易に79以下になります。

飛距離は230ヤードあれば十分

「70台を出すには300ヤードのドライバーが必要だ」というのは大きな誤解です。データは、平均飛距離が230〜250ヤードあれば、70台を出すには十分であることを示しています。
日本の一般的なレギュラーティー(6000〜6500ヤード)なら、230ヤード飛べば、多くのパー4でセカンドショットは150ヤード以内になります。7番アイアン以下で打てるこの距離を、いかに高い確率でグリーンに乗せられるか。

もしアイアンの精度に課題を感じているなら、操作性の高い難しいアイアンを使うよりも、ミスヒットに強く、直進性の高い「やさしいツアーアイアン」を選ぶことも上達の近道です。道具に頼れる部分は徹底的に頼りましょう。

タイトリスト T200 (2023) 徹底評価レビュー|やさしく狙えるツアーアイアン

70台を阻むメンタルの壁を越える方法

「今日こそベスト更新かも!」と意識した瞬間に体が硬くなり、上がりの3ホールで崩れてしまった……。そんな苦い経験はありませんか?
これは意識が「目の前の1打」ではなく、「結果(スコア)」に向いてしまっている証拠です。70台を出すゴルファーは、このメンタルブロックを外すために独自のルーティンを持っています。

「シンクボックス」と「プレーボックス」の分離

プロや上級者が実践している思考法に、「シンクボックス(思考の場所)」と「プレーボックス(実行の場所)」を分離するというものがあります。

  • シンクボックス(Think Box):ボールの後方エリア。ここでは、風、ライ、距離、クラブ選択、リスク、弾道のイメージなど、あらゆる分析と思考を行います。迷いや決断は全てこのボックス内で完了させます。
  • プレーボックス(Play Box):ボールにアドレスするエリア。ここに入ったら、もう分析や技術的な思考は一切しません。ただ「ターゲット」と「リズム」だけに集中して実行します。

この境界線を明確に引くことで、アドレスに入ってからの「迷い」を排除し、スムーズな始動が可能になります。70台プレーヤーは、アドレスしてから考え込むことがありません。

アンカーを使って感情をリセットする

ミスショットをした後の怒りや動揺は、次のショットの判断力を鈍らせます。そこで、物理的な動作(アンカー)をきっかけに、思考を切り替える癖をつけましょう。
「クラブをバッグに戻す」「グローブのマジックテープをバリッと剥がす」。この動作をスイッチにして、「はい、今のミスは終わり!次はどうリカバリーするか?」と、強制的に思考を未来へ向けます。

70台のゴルフを実現する練習と技術

思考法が整ったところで、次は具体的な「技術」の磨き方です。70台を目指すために、練習場でただ漫然と球を打つのは今日で終わりにしましょう。
限られた時間の中で、スコアに直結する部分だけを効率的に強化するための、プロも実践するドリルを紹介します。

70台を目指す練習はパターが最優先

70台のゴルファーの平均パット数は30〜32パットが基準です。これを達成するために必要なのは、魔法のような読みではなく、「ロングパットの距離感」と、「ショートパットの絶対的な自信」です。

特に、70台と90台の大きな違いは「3パット率」にあります。90台のゴルファーが1ラウンドで何度も3パットをするのに対し、70台のプレーヤーは1回あるかないかです。
これを実現するには、10メートル以上の長い距離からでも、1打目でカップから半径1メートル以内(タップイン圏内)に寄せる技術が不可欠です。そして、その残った1メートルを「外す気がしない」と思えるメンタルが必要です。

パターの精度を高める時計ドリル

フィル・ミケルソンなどのトッププロも実践している、ショートパット強化の決定版ドリルが「時計ドリル(サークル・ドリル)」です。自宅のパターマットでも、練習グリーンの平らな場所でも実践できます。

【時計ドリルのやり方】

  1. カップから半径3フィート(約90cm・パター1本分)の距離に、時計の文字盤のように8〜10個のボールを円形に並べます。
  2. これを連続ですべてカップインさせます。
  3. もし1球でも外したら、最初からやり直しです。

このドリルの肝は、技術向上はもちろんですが、それ以上に「プレッシャーへの耐性」をつけることにあります。
残り2〜3球になった時、「外したらまた最初からだ…」という強烈なプレッシャーがかかります。これは、本番の最終ホールで「これを入れれば70台」という場面の緊張感と似ています。このドキドキした状態でストロークする経験こそが、本番での強さを養います。

70台のアプローチは落とし場所が鍵

アプローチで寄らない原因の多くは、漠然と「ピンを見て打っている」ことです。70台レベルのアプローチは、「どこに落とすか(キャリーさせるか)」を徹底的に管理しています。
どんなに良いショットでも、落とし場所が間違っていれば寄ることはありません。逆に、落とし場所さえ正しければ、多少当たりが悪くても結果的に寄ります。

ランディングゾーン練習法

練習場やアプローチ練習場では、ターゲット(ピン)を見るのではなく、グリーンのエッジから2ヤード、5ヤードといった特定の地点にタオルや目印を置いてください。
そして、そこにボールをキャリーさせることに集中します。

「この落とし場所(ランディングゾーン)に落として、あとは転がりで寄せる」という感覚を養ってください。落とし場所を固定して、クラブを変える(PWで転がす、SWで止めるなど)練習をすることで、実戦での「寄せの引き出し」が劇的に増えます。

100ヤード以内の精度と重要性

パーオンを逃しても70台を出せる人は、例外なく「リカバリー率」が高いです。特に100ヤード以内は、単に乗せるだけでなく、狙ったエリア(グリーンの4分割エリアなど)に運ぶ精度が求められます。

多くのゴルファーは、練習場でドライバーを振り回すことに時間を使いすぎです。70台を目指すなら、練習時間の半分は100ヤード以内のウェッジショットに充てるべきです。
具体的には、フルショットだけでなく、「30y、50y、75y」と25ヤード刻みで距離を打ち分ける練習を行ってください。時計の針のイメージ(9時-3時の振り幅など)で自分なりの距離感を作っておくと、コースでの迷いが消えます。

安定したスイングを作るお尻の動作

最後に、ショットの再現性を高めるための身体の使い方のコツをお伝えします。70台のスイングに不可欠なのは「前傾角度の維持(キープ)」です。
アマチュアのミスの多くは、ダウンスイングでお尻が前に出てしまい(アーリーエクステンション)、前傾が起き上がることで発生します。これでは手元が浮き、プッシュアウトやチーピンが止まりません。

「お尻の入れ替えドリル」で軸を作る

おすすめは「お尻の入れ替えドリル(Buttocks Replacement)」です。壁にお尻を付けた状態でシャドースイング(クラブを持たなくてもOK)をします。

  • バックスイング:右のお尻が壁に接し続ける(左のお尻は壁から離れる)。
  • ダウンスイング〜インパクト:左のお尻を壁に強く押し付けにいく(右のお尻が壁から離れる)。

この「右尻→左尻」の入れ替え動作を意識することで、骨盤が正しく回転し、前傾角度が保たれた力強いインパクトが手に入ります。ボールを打つ前に、この動きを確認するだけでも、ショットの安定感は劇的に変わります。

※無理な体勢での練習は腰を痛める原因になります。最初はクラブを持たずに、ゆっくりとした動作で骨盤の動きの感覚を掴んでください。

70台のゴルフへ向けたロードマップ

長くなりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。

70台のゴルフとは、決してスーパーショットの連発ではありません。それは、230ヤードを確実に運び、50%の確率でグリーンを捉え、1メートルを外さず、そして何より「ダブルボギーという自滅」を徹底的に避ける、極めて理性的で大人のゴルフです。

今回ご紹介した「7つのボギー理論」や「時計ドリル」は、特別な才能がなくても、今日からの取り組みで誰でも実践できるものです。
70台という「聖域」は、正しい手順とマインドセットを持てば、決して届かない場所ではありません。まずは次のラウンドで、スコアカードに数字を書く前に一呼吸置き、「今の選択はダボを避けるための最善手か?」と自分に問いかけてみてください。

あなたのゴルフライフが、70台という新たなステージでさらに輝くことを、心から応援しています。

the19th

40代、ゴルフ歴20年の「ギアオタク」サラリーマンです。ベストスコアは73( HC10)。「シングル」の称号まであと一歩のところで、長年足踏みしています。
「その1打は、ギアで縮まる」を信念に、これまで試打してきたクラブは数知れず。給料のほとんどは最新ギアに消えていきます。
このブログは、20年間こだわり続けた「ギア選び」の記録です。

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