「ゼクシオ14+って、普通のゼクシオ14と何が違うんだろう」「ヘッドスピード40m/s前後でも14+を選んでいいのか」「PINGやテーラーメイドと比べても本当に買う価値があるのか」。ここが気になっているあなた、多いと思います。
こんにちは。「19番ホール研究所」のthe19thです。私自身、ドライバーのヘッドスピードは普段40m/s前後。まさにゼクシオ14とゼクシオ14+の境界付近にいるゴルファーなので、この2本の立ち位置はかなり気になるところなんですよね。
ゼクシオ14+ ドライバーは、2025年11月22日に発売されたゼクシオ14シリーズの「しっかり振り抜きたい人向け」モデルです。従来のゼクシオ エックスが担っていた立ち位置を受け継ぎながら、シリーズ名を「14+」へ変更。世界初採用とされる新素材「VR-チタン」、新構造「ULTiFLEX」、New ActivWing、さらにゼクシオ14シリーズでは大きなトピックとなるQTSまで搭載されました。
ただし、発売前の情報だけを見て「14+は上級者用」「40m/s以下では使えない」「普通のゼクシオよりとにかく低スピン」と決めつけるのはちょっと早いです。公式スペックと発売後の情報を整理すると、実際のキャラクターはもう少し幅があります。
この記事では、ゼクシオ14+ ドライバーのスペックや新技術だけでなく、ゼクシオ14との違い、適正ヘッドスピード、シャフト選び、QTSの互換性、公開されている試打評価、PING G440 K/MAXやテーラーメイドQi4Dとの違いまで整理します。読み終わるころには、「14+を試すべきか、それとも別モデルにした方がいいのか」がかなり判断しやすくなるはずです。
ゼクシオ14+は2025年11月22日発売、税込101,200円。VR-チタンとULTiFLEXによる初速性能に加え、QTSとSPEEDER NX DST for XXIOを採用した強弾道タイプです。Sの適応HSは40〜48m/sですが、SRは37〜45m/s、Rは33〜42m/sなので、40m/s未満だから即対象外というクラブではありません。ゼクシオ14との違いとライバル比較まで含めて判断することが大切です。
ゼクシオ14+の結論|買うべき人は?
まず最初に、私なりの結論からいきます。
ゼクシオ14+ ドライバーは、「普通のゼクシオでは少し軽く感じる。でも300g台後半のハードなアスリートモデルまでは必要ない」というゴルファーにかなり面白いポジションのクラブです。
特に、ヘッドスピード40m/s前後から半ばで、左への引っかけを警戒しながらしっかり振りたい人。ゼクシオらしいミスへの強さや初速性能は欲しいけれど、球がつかまりすぎるクラブは苦手という人。このあたりが14+の中心ターゲットかなと思います。
一方で、「楽に高い球を打ちたい」「右へのミスが多い」「今使っている300g前後のドライバーが重く感じる」という場合は、14+だけに絞る必要はありません。通常のゼクシオ14や、さらに軽い他社モデルまで比較した方が失敗しにくいです。
| チェック項目 | ゼクシオ14+が向きやすい | 他モデルも比較したい |
|---|---|---|
| 弾道 | 強めの中高弾道を打ちたい | とにかく高く上げたい |
| つかまり | 適度なつかまりが欲しい | 強いドローバイアスが欲しい |
| ミス傾向 | 左へのミスを抑えたい | 右へのスライスが多い |
| 振り感 | しっかり振り抜きたい | もっと軽く楽に振りたい |
| 調整機能 | QTSで弾道を微調整したい | 調整機能は不要 |

私のようにHS40m/s前後だと「14か14+か」を数字だけで決めるのは難しいゾーンです。こういう境界層ほど、ヘッドだけでなくR・SR・Sまで打ち比べた方が答えが出やすいですよ。
ゼクシオ14+の発売日・価格・基本スペック

まずはゼクシオ14+ ドライバーの確定している基本情報を整理します。発売前の記事では「予定」「速報」という表現も多かったのですが、現在はすでに発売済みです。
発売日は2025年11月22日
ゼクシオ14とゼクシオ14+ ドライバーは、2025年11月22日に国内発売されました。メーカー希望小売価格は両モデルとも101,200円(税込)です。
ここは意外と大切なところで、14+が「上位版だから高い」という価格設定にはなっていません。14と14+は性能の上下関係というより、求める弾道や振り心地が異なる兄弟モデルと考えた方が分かりやすいです。
ダンロップの公式発表でも、ゼクシオ14は「高く、心地よく、大きく飛ばす」、14+は「強く振り抜いて大きく飛ばす」という役割分けになっています。つまり、価格で上位・下位を選ぶのではなく、自分の打ち方で選ぶシリーズなんですよ。
発売情報や仕様の根拠は、住友ゴム工業の公式ニュースリリースでも確認できます。価格や特注対応などは変更される可能性がありますので、購入時はダンロップ公式製品ページもあわせて確認してください。
2025年12月6日に発売されたレディスモデルは「ゼクシオ14 レディス」、2026年1月に追加された左用も「ゼクシオ14」です。2026年9月時点で国内公式ラインアップを確認する限り、これらを「ゼクシオ14+のレディス・左用」として扱うのは適切ではありません。左利きの方は特に購入前に最新ラインアップを確認してください。
ゼクシオ14+の主要スペック
14+のドライバーとしての性格をつかむには、派手な技術名より先に基本スペックを見るのが早いです。
| 項目 | ゼクシオ14+ |
|---|---|
| ロフト角 | 9度 / 10.5度 |
| ヘッド体積 | 460cc |
| ライ角 | 59度 |
| クラブ長 | 45.75インチ(60度法) |
| バランス | D3 |
| クラブ重量 | Rで参考値300g |
| 標準シャフト | SPEEDER NX DST for XXIO |
| メーカー希望小売価格 | 101,200円(税込) |
ここで注目してほしいのはRフレックスでも参考値300gという点です。「ゼクシオだから相当軽いだろう」と想像すると、14+では少し印象が変わるかもしれません。
14+は、一般的なゼクシオの軽快さをそのまま極端に追求したクラブではありません。むしろ、重量をある程度持たせて、振ったときの安定感と強い弾道を狙ったモデルです。ここが普通のゼクシオ14と最初に理解しておきたい違いです。
試打して候補に残ったら、価格だけでなく「希望ロフトとフレックスが在庫にあるか」まで確認しておくと安心です。9度と10.5度、R・SR・Sでは性格がかなり変わるので、安さだけでスペックを妥協しない方がいいですよ。
VR-チタンとULTiFLEXの進化
ゼクシオ14シリーズ最大の技術的トピックが、新しいフェース素材「VR-チタン」と新構造「ULTiFLEX」です。この部分は単なる広告ワードではなく、メーカーが前作から飛距離を伸ばした根拠として前面に出している技術です。
世界初採用のVR-チタン
ゼクシオ14/14+では、ドライバーフェースに「VR-チタン(Super-TIX 52AFS)」を採用しています。住友ゴム工業は、ドライバーのフェース素材として世界初採用と発表しています。
VR-チタンはSi(シリコン)を配合することで、強さと粘り強さを両立させた素材。メーカーによると従来フェース比で強度が42%向上し、その分フェースをさらに薄く設計できるようになりました。
ここで重要なのは、「硬い素材だからボールが勝手に飛ぶ」という単純な話ではないことです。強度に余裕ができれば、耐久性を確保しながらフェースの厚みを攻められます。その結果、インパクトで使えるたわみを増やして初速を高めやすくなる。この設計自由度の拡大がVR-チタンの大きな意味かなと思います。
ULTiFLEXでボディまでたわませる
新素材だけでは終わりません。フェースからボディにかけて大きなたわみを生み出すために採用されたのがULTiFLEX(アルチフレックス)です。
考え方としては、フェース単体を薄くして反発させるだけではなく、フェース周辺やボディ側まで含めて効率よく変形させ、インパクトのエネルギーをボールへ伝える設計です。
メーカー計測では、前作と比べて高初速領域がフェース中央部で183%、周辺部で151%へ拡大したとされています。
この数値を見て「183%も飛距離が伸びる」と受け取ってはいけません。拡大しているのはあくまで高初速を得られるフェース上の領域です。飛距離そのものが1.83倍になるわけではありません。
アマチュア目線で期待したいのは、むしろここ。毎回フェース中央に当てられなくても、少し上下左右へ打点がズレたときのボール初速低下を抑えやすくなることです。18ホールで考えると、「今日一番飛んだ1球」より「芯を外した数球がどこまで残るか」の方がスコアには効いてきますからね。

ドライバーは最大飛距離だけで見ると選択を誤りやすいです。私は平均飛距離と左右の散らばり、さらに少し打点を外したときの落ち幅を重視したいですね。
公式テストでは前作比3ヤードアップ
メーカーのロボット・社内計測条件では、ゼクシオ14+は従来モデルである2023年発売のゼクシオ エックスに対し、約3.0ヤードの飛距離アップが確認されています。
このときの想定ヘッドスピードは42m/s、ロフト10.5度、Sシャフトです。つまり「誰が打っても必ず3ヤード伸びる」という意味ではありません。現在のドライバーとの相性、打ち出し角、スピン量、ミート率によって結果は当然変わります。
それでも、前作と同じ条件で何球も打った平均値としてプラスが出ている点は、新素材や構造変更が単なる見た目だけのモデルチェンジではないことを示す一つの材料にはなります。
New ActivWingで打点を安定
もう一つ、ゼクシオ独自色がかなり強い技術が「ActivWing」です。ゼクシオ12世代から採用されてきた空力技術ですが、14では「New ActivWing」へ進化しています。
クラウンとソールの両方で空力制御
従来はクラウン側の突起が特徴的でしたが、New ActivWingではクラウン側に加え、ソールにも大きな段差が設けられました。
役割は、ダウンスイング前半で遠心力によって起こるヘッドのブレを空力で抑えることです。メーカーは、これによって芯を捉えやすい安定したインパクトをサポートすると説明しています。
少し難しく聞こえますが、ゴルファー側が特別な操作をする機能ではありません。スイング中にヘッドへ当たる空気を利用して、ヘッド姿勢の安定を助ける設計です。
ここも「ActivWingが勝手にフェースをスクエアへ戻してくれる」とまで考えるのは行き過ぎです。スイングそのものを補正する装置ではありません。あくまでヘッド挙動のばらつきを抑えるための一要素として考えるのが自然でしょう。
14+の顔と打音はかなり精悍
ゼクシオ14+を構えたときに、従来のゼクシオとの違いを最も分かりやすく感じる部分が見た目です。
マットクラウンとオープンな顔
14+はプロ・上級者にも好まれやすいマットクラウンを採用。公式の開発ストーリーでも、ややオープンなフェース、ヒール側のふくらみを抑えた形状、ハイバックなシルエットによって、強く振り抜きやすい顔を意識したことが説明されています。
ここは従来ゼクシオのイメージを持っている人ほど「おっ」となる部分かもしれません。
普通のゼクシオには「球をつかまえて高く上げてくれそう」という安心感があります。一方の14+は、ターゲットに対して構えやすく、左を警戒せず振っていけそうな印象を狙っています。
ドライバーの「顔」はスペック表に出ませんが、私はかなり重要だと思っています。アドレスした瞬間にフェースが左を向いて見えるクラブを嫌う人もいれば、逆に少しつかまりそうに見えないと不安になる人もいます。
この部分は数値では決められません。購入前には、カタログ写真だけでなく実物を地面に置き、自分のボール位置で構えてみてください。
打音も14とは方向性が違う
打音についても14と14+は同じではありません。ダンロップは14を「高く、伸びのある爽快な打球音」、14+を「強く振り抜きやすい、締まった心地よい打球音」と説明しています。
つまり、昔ながらのゼクシオらしい高く響く音が大好きな人なら14の方が好みに近い可能性があります。14+は残響をやや抑えた方向です。
打音は飛距離を直接決めるスペックではありませんが、18ホール使うクラブとしては侮れません。好きな音だと気持ちよく振れますし、違和感のある音だと良いショットでも気持ちよく感じられないんですよね。できれば屋内だけでなく、可能なら屋外でも一度聞いておきたい部分です。
QTS搭載とスリーブ互換性を確認
今回の記事で特に正確に押さえておきたいのがQTSです。
ゼクシオ14シリーズでは、14・14+の両方にQTS(Quick Tune System)が採用されました。いわゆる「カチャカチャ」と呼ばれる弾道調整機構ですね。
QTSは約2g軽量化
ゼクシオのようなクラブで調整機構を入れるときに課題になるのが重量です。スリーブやホーゼル周辺に重量が増えると、せっかく作り込んだ重心設計に影響します。
そこでゼクシオ14シリーズではQTS構造そのものを見直し、従来構造から約2gの軽量化を実現しています。わずか2gに見えますが、ドライバーヘッドの重心設計では小さくない数字です。
QTSでは12ポジションから設定を選び、ロフト角やライ角などを変化させられます。球が低い、つかまり過ぎる、右へ抜けるといった傾向を見ながら、自分に合うポジションを探せるのは大きなメリットです。
ただし「ロフトだけを完全に独立して変える機構」と思わない方がいいです。スリーブ位置を変えると、アドレス時の見え方やライ角なども含めて弾道へ影響します。1段階ずつ変えて、同じ球で数球ずつ比較する方が違いを把握しやすいですよ。
従来QTSスリーブと互換性あり
ここは非常に重要です。
ゼクシオ14シリーズのQTSは、ダンロップの公式案内で従来QTSスリーブとの互換性があることが明記されています。
つまり、「ゼクシオ14+だけの完全専用スリーブなので、過去のQTSシャフトは全部使えない」という理解は正しくありません。
一方で、何でも無条件に同じ表示どおり使えるという意味でもありません。公式は、従来QTSスリーブを装着した場合にフェース角・ライ角・ロフト角が図示どおりにならない場合があることや、古いスリクソン系には異なる仕様があることも注意喚起しています。
「ダンロップQTS付き」と書かれた中古シャフトなら何でも同じ、とは考えない方が安全です。年代とモデルを確認し、ゼクシオ14+へ装着したときの設定変化まで確認してください。中古ショップや工房で購入する場合も、14+で使用予定だと伝えておくと安心です。
トルクレンチは別売り
もう一点、地味ですが購入後に「あれ?」となりやすいところ。ゼクシオ14+はトルクレンチが別売りです。
カチャカチャ搭載モデルでは「レンチも箱に入っているだろう」と思い込みやすいのですが、14+では別途用意が必要です。手元に対応するダンロップ純正レンチがない場合は、本体購入時に一緒に確認しておきましょう。
QTSの最新の互換情報や使用方法は、ダンロップ公式のQTS案内を確認してください。
SPEEDER NX DSTのスペック
14+のキャラクターを決めるもう一つの重要パーツが、標準シャフトのSPEEDER NX DST for XXIOです。
藤倉コンポジットとゼクシオブランドとして初めて共同開発したカーボンシャフトで、単に有名な「Speeder」の名前を付けただけではありません。ゼクシオ14+のヘッドとターゲットに合わせた専用品です。
46g・中調子・トルク5.9
| フレックス | 重量 | トルク | 調子 | 適応HS目安 |
|---|---|---|---|---|
| S | 46g | 5.9 | 中 | 40〜48m/s |
| SR | 44g | 5.9 | 中 | 37〜45m/s |
| R | 42g | 5.9 | 中 | 33〜42m/s |
ダンロップは、このシャフトを「ヘッドスピードを上げてもヘッドが暴れずに振り切れる」と説明しています。通常のゼクシオ14に装着されるMP1400より重量があり、しっかり振る人へ寄せた設計です。
MP1400との違いを比較
| 項目 | SPEEDER NX DST for XXIO | MP1400 |
|---|---|---|
| 搭載モデル | ゼクシオ14+ | ゼクシオ14 |
| S重量 | 46g | 41g |
| Sトルク | 5.9 | 6.8 |
| 調子 | 中 | 先中 |
| 狙い | 暴れを抑えて強く振る | しなやかに走ってつかまえる |
重量差はSで5g。トルクも14+の方が小さく、調子もMP1400の先中調子に対して中調子です。
ただ、「トルク5.9だからハード」という見方だけでは足りません。トルクはシャフトのねじれやすさを表す指標の一つですが、実際の振り心地は重量、剛性分布、長さ、ヘッド重量などの組み合わせで決まります。
特にHS40m/s前後の人は、SにこだわらずSRとRまで試してほしいですね。公式の適応範囲を見ると、HS40m/sはS・SR・Rすべての範囲に入っています。

「ヘッドスピード40だからS」という選び方はかなり雑です。同じ40m/sでも、切り返しが強い人とゆったり振る人では合う硬さが変わります。私はこのゾーンほどフレックスを固定観念で決めない方がいいと思います。
適正ヘッドスピードを正しく見る
ゼクシオ14+を検索すると「ヘッドスピード40m/s以上向け」という説明をよく見かけます。
これは半分正しく、半分注意が必要です。
40〜48m/sという数字はSフレックスの目安です。モデル全体として「40m/s未満禁止」という意味ではありません。
SRなら37〜45m/s、Rなら33〜42m/sがメーカーの目安です。したがってHS38〜39m/sでも、スイングテンポや打点、弾道によっては14+のRやSRが合う可能性は普通にあります。
HS40前後は14と14+の境界
では、ヘッドスピード40m/s前後なら14と14+のどちらがいいのか。
ここはヘッドスピードだけで答えを出さない方がいいです。
同じ40m/sでも、スライス気味で球が低い人なら14の高打ち出しとつかまりが助けになるでしょう。逆に左へのミスが多く、普通のゼクシオではつかまりすぎる人なら14+の方が構えやすく、思い切って振れる可能性があります。
公開されている第三者試打でも、HS41〜42m/s付近では14と14+の性能が重なる部分が見られます。つまり、このゾーンは「ヘッドスピードだけで自動的に14+」ではありません。
ゼクシオ14と14+の細かな違いについては、サイト内のXXIO 14 vs XXIO 14+ ドライバー比較検証でも詳しく整理しています。2本で迷っている場合は、こちらも合わせて確認してみてください。
ゼクシオ14+の試打評価を検証

スペックが分かったところで、次は実際の弾道傾向です。
ここではメーカーの説明だけをそのまま受け取るのではなく、発売後に公開されている試打情報と照らし合わせながら、ゼクシオ14+がどんな球を打ちやすいのかを整理します。
強弾道だが極端なLSではない
ゼクシオ14+について「低スピンドライバー」と表現されることがあります。確かに通常のゼクシオ14と比較すれば、14+は打ち出しやスピンを抑えた強い弾道を狙う方向です。
ただし、PING G440 LSTやQi4D LSのように、メーカー自身が明確に「低スピン」を前面に出しているLSカテゴリーと同じように考えるのは少し違います。
ダンロップが14+について使っている表現は、「適度なつかまりとスピン量により、強弾道で飛ばす」です。
この「適度」というところが大事ですね。
実際の試打でも、ロフトやシャフトとの組み合わせによってはスピン量がしっかり入るケースがあります。したがって「14+を買えば必ず2000rpm前後の低スピンになる」といった決めつけはできません。
逆に言えば、LSヘッドほどシビアではない強弾道系を探している人には、この中間的な性格が魅力になる可能性があります。
球のつかまりは「適度」
通常のゼクシオ14は、高く上げてつかまえる方向。14+は、そこからつかまりを少しニュートラル側へ寄せています。
だからといって、右へ逃げるハードなツアーヘッドというわけでもありません。
左を怖がらず振りたい人にとってはちょうどよく、逆にスライサーが「クラブに全部つかまえてほしい」と考えるなら、ゼクシオ14の方が素直かもしれません。
ミスヒットへの強さにも注目
14+を評価するときに、一発のボール初速だけを見るのはもったいないです。
ULTiFLEXによる高初速領域の拡大、New ActivWing、バルジ&ロール設計、レーザーミーリングなど、今回のモデルは打点や方向性のばらつきを抑える技術もかなり入っています。
このため、「上級者向けだからミスに厳しい」という単純な14+ではありません。普通のゼクシオよりしっかり振れる味付けではあるものの、ゼクシオブランドらしいやさしさも残したモデルと見るのが近いでしょう。
口コミは数字とセットで判断
発売後は「構えやすい」「左を気にせず振れる」「思ったよりやさしい」といった評価がある一方、打音や振り感については好みが分かれます。
ここで注意したいのは、口コミの「飛んだ」「飛ばなかった」をそのまま自分に当てはめないことです。
ドライバーはロフト、シャフト、ボール、打点、ヘッドスピード、アタックアングルだけでも結果がかなり変わります。ある人にとって低スピンだったクラブが、別の人には3000rpm以上入ることもあります。
口コミは「構えた見え方」「音」「振り感」「つかまり傾向」といった共通しやすい要素を参考にし、飛距離の数字は自分の試打データで確認する。これが一番失敗しにくい見方かなと思います。
ゼクシオ14との違いを比較
「14+が良さそう」と思っても、購入前に一度は普通のゼクシオ14と打ち比べてほしいです。
| 比較項目 | ゼクシオ14 | ゼクシオ14+ |
|---|---|---|
| 基本コンセプト | 高く、心地よく、大きく飛ばす | 強く振り抜いて大きく飛ばす |
| 打ち出し | 高め | 相対的に抑えめ |
| つかまり | 強め | 適度 |
| スピン | 入りやすい | 相対的に少なめ |
| 標準シャフト | MP1400 | SPEEDER NX DST for XXIO |
| シャフト傾向 | 軽快につかまえる | 暴れを抑えて振り切る |
| 打音 | 高く伸びのある音 | 締まった音 |
| QTS | 搭載 | 搭載 |
| 価格 | 101,200円 | 101,200円 |
14を選びやすい人
- ドライバーで球が上がりにくい
- 右へのスライスが多い
- できるだけ軽快に振りたい
- ゼクシオらしい高めの打音が好き
- クラブに球をつかまえてほしい
14+を選びやすい人
- 左への引っかけを警戒している
- 普通のゼクシオだと軽く感じる
- 強い弾道で前へ飛ばしたい
- マットなクラウンと締まった打音が好み
- ある程度自分で振っていきたい
大切なのは「14+の方が上級」「14は初心者向け」という序列にしないことです。ヘッドスピードが速くても14の高弾道とつかまりが合う人はいますし、HS40m/s未満でも14+のRやSRがうまくハマる人はいます。
PING G440 K・MAXと比較
次に、2026年時点で実際に競合候補になりやすいPING G440シリーズと比べてみます。
ここは以前の記事で「次期モデル」とされていた情報を更新しておきます。G440 MAXはすでに現行モデルとして販売され、さらにG440 Kが2026年2月5日に発売されています。
G440 KはPING史上最高MOI
G440 Kの最大の特徴は、PINGが「PING史上最高MOI」とうたう慣性モーメントです。前世代のG430 MAX 10Kからさらに進化し、打点が上下左右にズレてもヘッドのブレと飛距離ロスを抑える方向を追求しています。
G440 Kは460cc、ALTA J CB BLUEのSR・46インチ仕様で総重量約301g。価格は118,800円(税込)です。G440 MAXも同じ基準仕様で約301g、価格107,800円(税込)となっています。
ここで分かるのは、ゼクシオ14+とG440 K/MAXの差を「軽いゼクシオ対重いPING」だけで説明するのは難しいことです。14+もRで参考値300gなので、総重量はかなり近いゾーンにあります。
むしろ比較したいのは、ヘッドの設計思想と振り感です。
| 項目 | ゼクシオ14+ | G440 K | G440 MAX |
|---|---|---|---|
| ヘッド体積 | 460cc | 460cc | 460cc |
| 代表的重量 | R:約300g | SR:約301g | SR:約301g |
| 長さ | 45.75インチ | 46インチ | 46インチ |
| 性格 | 適度につかまる強弾道 | 最高MOI・ミスへの強さ重視 | 高MOIと飛距離のバランス |
| 価格 | 101,200円 | 118,800円 | 107,800円 |
打点がかなり散り、とにかくヘッドのブレにくさを優先したいならG440 Kは非常に強い候補です。一方、ゼクシオ14+はNew ActivWingや高初速領域の拡大に加え、ゼクシオらしい適度なつかまりも残しています。
私の現在のエースもG440 Kなので、PINGの「とにかく打点ブレに強い」という方向性には魅力を感じています。ただ、すべての人が最大MOIを最優先する必要はありません。アドレスした顔、シャフトの振り感、つかまり方まで含めて14+の方が自然に振れる人もいるはずです。
G440 KについてはPING G440 Kドライバーの試打レビューで詳しくまとめています。14+と迷っている場合は、スペックだけでなくPING側の性格も確認して比較してみてください。
テーラーメイドQi4Dと比較
テーラーメイドのQi4Dも、現在は「次期モデル」ではありません。2026年モデルとして正式に登場し、Qi4D、Qi4D MAX、Qi4D LS、Qi4D MAX LITEという4タイプが展開されています。
Qi4Dは第5世代カーボンフェース
Qi4Dシリーズの中心技術は、進化した第5世代60層カーボンフェースです。フェースロールも見直され、インパクト位置によるバックスピン量のばらつきを抑える方向へ進化しています。
さらにTAS(Trajectory Adjustment System)ウェイトを使った重心調整、ロフトスリーブも搭載。モデルによってはウェイト位置を変えながら、打ち出し・スピン・ドロー・フェード方向までかなり細かく作り込めます。
つまり、14+のQTSが主にスリーブを使って弾道を調整するのに対し、Qi4Dはモデルによってスリーブ+可変ウェイトという、より細かな調整余地を持っています。
重量を見ると意外な違いがある
| モデル | 純正仕様の参考重量 | 主な方向性 |
|---|---|---|
| ゼクシオ14+ | R:約300g | 適度なつかまり・強弾道 |
| Qi4D | 308g | スピードと弾道調整 |
| Qi4D MAX | 304g | 高MOI・つかまり |
| Qi4D LS | 310g | 低スピン |
| Qi4D MAX LITE | 275g | 軽量・高弾道・ドローバイアス |
この表を見ると、「軽いドライバーが欲しい=ゼクシオ14+」とは限らないことがよく分かります。
Qi4Dの標準モデルやLSと比べれば14+は軽めですが、MAX LITEは275g。純粋な軽さだけならMAX LITEの方が明確に軽量です。
一方でMAX LITEはドローバイアスが強く、14+とは球のつかまり方が違います。軽さだけでなく「左を消したいのか、右を消したいのか」まで考えないと、比較を間違えやすいところです。
Qi4DシリーズについてはテーラーメイドQi4Dドライバー全4機種の比較記事で詳しく解説しています。
14+・PING・Qi4Dはどう選ぶ?
ここまで比較すると、「結局どれが一番いいんだ」となりますよね。
でも、この3ブランドは方向性が少しずつ違うので、優劣より自分が何を直したいのかで選んだ方が分かりやすいです。
ゼクシオ14+は「適度なつかまりと強弾道を、しっかり振れる純正シャフトで狙いたい人」。G440 Kは「打点がズレても曲がりや飛距離ロスをできるだけ抑えたい人」。Qi4Dは「ウェイトやスリーブまで使って弾道を細かく作り込みたい人」。Qi4D MAX LITEは「とにかく軽く振れて、つかまりと高さも欲しい人」が比較しやすいです。
また、「飛ぶクラブ」という言葉にも注意したいです。
今使っているクラブでスピンが4000rpm近く入っている人なら、スピンを適正化しただけで大幅に伸びることがあります。逆に現在すでに打ち出しとスピンが最適なら、新モデルへ替えても劇的な差が出ないこともあります。
ですから、新しいドライバーを試すときは「何ヤード飛んだか」だけでなく、ボール初速、打ち出し角、バックスピン、左右の曲がり、キャリー、トータルをセットで見てください。
9度と10.5度はどう選ぶ?
ゼクシオ14+のロフトは9度と10.5度。ここも迷うところですよね。
迷ったら10.5度から試す
特にHS40m/s前後なら、私はまず10.5度から試すのが無難だと思います。
理由は、14+自体が通常の14より強い弾道へ寄せられているからです。最初から9度へ行って打ち出しもスピンも不足すると、ボール初速が出ていてもキャリーを失う可能性があります。
一方、もともと打ち出しが高く、スピン量も多い人。アッパーブローが強く、10.5度では吹け上がってしまう人なら9度が候補になります。
QTSがあるので、最初から表示ロフトだけで完全に決めつける必要もありません。まず基準ポジションでデータを取り、それから設定を1段階ずつ動かして比較した方が合理的です。
購入前に失敗しやすい5ポイント
HSだけでフレックスを決める
一番ありがちなのが、「HS42だからS」「40未満だからR」と数字だけで決めることです。
適応ヘッドスピードは便利な目安ですが、スイングテンポ、切り返しの強さ、リリースのタイミングでも合うシャフトは変わります。可能なら同じヘッドでR・SR・Sを打ち比べてください。
低スピンだと思い込み9度を選ぶ
14+は14より強弾道ですが、誰が打っても極端な低スピンになるわけではありません。
「低スピンモデルなら9度だろう」と先入観で選ぶのではなく、自分の実測値で決めましょう。キャリーが不足するなら、見栄を張らずロフトを増やした方が飛びます。
14+の方が上位と思い込む
14+の「+」は、14より偉いという意味ではありません。
実際、価格も同じです。高弾道・つかまり重視なら14、強く振り抜くなら14+。自分に合う方を選ぶだけです。
中古QTSシャフトを無確認で買う
従来QTSとの互換性があるのは大きなメリットですが、年代や設定表示まで全部同一という意味ではありません。
手持ちシャフトを流用する場合や中古で購入する場合は、対象モデルとスリーブ仕様を必ず確認してください。
一番飛んだ1球だけで決める
これは新作ドライバー試打で本当にやりがちな失敗です。
1球だけ250ヤード飛んだクラブと、10球中8球が240〜245ヤードの範囲に収まるクラブ。コースでスコアを作りやすいのは、後者かもしれません。
平均キャリー、左右の幅、最低飛距離まで見て選んでください。ドライバーは「最高値を買う」のではなく、18ホールで再現できる性能を買うものだと私は思っています。
ゼクシオ14+のメリットと注意点
メリットは強弾道と扱いやすさ
- VR-チタンとULTiFLEXによる高初速領域の拡大
- ゼクシオ14より適度なつかまりで左を警戒しやすい
- SPEEDER NX DSTでしっかり振れる
- マットクラウンでターゲットへ構えやすい
- QTSで弾道を調整できる
- 従来QTSシャフトを活用できる可能性がある
特に魅力なのは、「ハードすぎない強弾道モデル」という立ち位置でしょう。
LS系では球が上がらない。でも、一般的なアベレージモデルでは左が怖い。この間にいる人には、かなり試す価値があります。
注意点は万能ではないこと
- 税込101,200円と安いクラブではない
- 普通のゼクシオよりつかまりは控えめ
- 「ゼクシオ=超軽量」と思うと300g前後は重く感じる可能性がある
- 打音は従来の高いゼクシオ音とは方向性が違う
- トルクレンチは別売り
- 左用を探している人は国内ラインアップを要確認
そして何より、14+という名前だけで「飛ぶ方」と決めつけないことです。自分にとって打ち出しやスピンが不足するなら14の方が飛ぶこともあります。
結論|ゼクシオ14+は買いか?
ここまで見てきた結論として、ゼクシオ14+ ドライバーはかなり完成度の高い「強く振れるゼクシオ」だと思います。
VR-チタンとULTiFLEXで初速性能を高め、New ActivWingでインパクト安定性を狙い、さらにQTSとSPEEDER NX DST for XXIOを組み合わせる。単に通常モデルを少し重くしただけではありません。
そして従来のゼクシオ エックスから「14+」へ名称が変わったことで、ゼクシオ14との違いも以前より分かりやすくなりました。
ヘッドスピードはおおむね40m/s前後〜半ば。普通のゼクシオでは少し軽く、つかまりすぎる。左へのミスを抑えながら強い球を打ちたい。LS系ほどシビアなクラブは避けたい。QTSで弾道を自分に合わせたい。こうした条件が重なる人なら、ゼクシオ14+は試打候補のかなり上位に入れていいと思います。
逆に、ヘッドスピードが遅いからダメというより、「球を高く上げたい」「もっとクラブにつかまえてほしい」「300g前後でも重い」という人は、14+だけにこだわらず通常のゼクシオ14や軽量モデルまで比較しましょう。
私なら、14+を試打するときは10.5度を基準に、HS40m/s前後ならR・SR・Sを全部打ちます。そのうえで一番飛んだ1球ではなく、平均キャリー、スピン量、左右幅を比較します。
そこで14+の方が左を怖がらず振れて、なおかつキャリーが落ちなければ、かなり有力。反対に球が低くなってキャリーを失うなら、普通の14へ戻します。このくらいシンプルな判断でいいと思います。
試打で「これだ」と思えたら、最後に希望スペックの実売価格と在庫を比較。同じゼクシオ14+でも9度・10.5度、R・SR・Sで結果は変わるので、価格だけを理由に試打と違うスペックを選ばないようにしてください。
ゼクシオ14+のよくある質問
最後に、ゼクシオ14+ ドライバーを検討するときに迷いやすいポイントをQ&Aで整理します。
ゼクシオ14+は試打で答えを出そう
ゼクシオ14+は、昔ながらの「軽くて、つかまって、高い音がするゼクシオ」というイメージだけで判断すると、かなり意外なドライバーだと思います。
マットなクラウン、適度なつかまり、300g前後の重量感、SPEEDER NX DST for XXIO、QTS。そしてVR-チタンとULTiFLEXによる新しい初速設計。明らかに「しっかり振りたいゴルファー」へ踏み込んでいます。
それでいて、完全なツアー向けLSモデルほど尖らせず、ゼクシオらしいやさしさを残している。ここが14+の一番面白いところかなと思います。
特にHS40m/s前後のあなたなら、「自分には普通の14」「自分はそこそこ振れるから14+」と最初から決めないでください。むしろそのゾーンこそ両方試す価値があります。
10.5度を基準に14と14+を打ち、14+ではR・SR・Sも比較する。そしてボール初速だけではなく、打ち出し角、バックスピン量、キャリー、左右幅を見る。そのデータの中で、無理なく振った球が一番そろう一本を選ぶ。
結局、ドライバー選びで一番強いのはカタログスペックでも口コミでもなく、あなた自身がいつものスイングをしたときに再現できる弾道です。
ゼクシオ14+がそこにハマれば、単に「新しいゼクシオ」ではなく、長く使えるかなり頼もしいドライバーになるはずです。気になっているなら、まずはゼクシオ14と同時に試打して、自分の数字で答えを出してみてください。

