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ゴルフ場コース管理はきつい?年収や仕事内容のリアル

ゴルフ場コース管理はきつい?年収や仕事内容のリアル Column

こんにちは、「19番ホール研究所」のthe19thです。

ゴルフ場の美しい緑を守るコース管理の仕事。「大自然の中で働けるなんて最高!」と憧れる一方で、「ゴルフ場コース管理 きつい」という検索キーワードが目につくと、急に不安になりますよね。早朝からの仕事内容や、真夏や真冬の過酷な労働環境、そして気になる年収の実態など、インターネット上には断片的な情報しかなく、全体像が見えにくいのが現状ではないでしょうか。

また、農薬を日常的に扱うことへの漠然とした不安や、体力的にきつい仕事だから女性や未経験者には無理なんじゃないか、といった具体的な疑問もあるかもしれません。実際に働いている人は、なぜ「辞めたい」と感じることがあるのか、それとも噂以上に大きなやりがいを感じているのか。その将来性も含めて、本当のところを詳しく、そして正直に知りたいと思っているのではないでしょうか。

この記事では、そんなあなたの尽きない疑問や不安を一つひとつ丁寧に解消するために、「ゴルフ場コース管理」という仕事について、良い面も厳しい面も、両方から徹底的に掘り下げていきます。この記事を読み終える頃には、漠然としていたイメージが鮮明な知識へと変わり、あなたにとってこの仕事が本当に「きつい」だけなのか、それとも挑戦する価値のある魅力的なキャリアなのかを、自信を持って判断できるようになっているはずです。

  • 「きつい」と言われる仕事の具体的な1日
  • 給料や年収、キャリアアップの現実的な話
  • 農薬の安全性と身体へのリアルな影響
  • テクノロジーが変えるコース管理の将来性
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ゴルフ場コース管理がきついと言われる本当の理由

多くの人が「きつそう」というイメージを持つコース管理の仕事。その漠然としたイメージの裏には、やはり具体的な理由が存在します。ここでは、その「きつい」と言われる要因を「仕事内容」「労働環境」「健康面」「給与」、そして「精神的なプレッシャー」という5つの重要な視点から、一つずつ詳しく、そしてリアルに解剖していきましょう。表面的な情報だけでは見えてこない、現場の実態に迫ります。

仕事内容から見る1日の過酷なスケジュール

コース管理の仕事が「きつい」と言われる最大の要因、それは間違いなく「超」がつくほどの早朝勤務と、それに伴う特殊な生活リズムにあるかなと思います。お客様が清々しい朝の空気の中で第一打を放つ、その瞬間までにコースを完璧な状態に仕上げる。この至上命題をクリアするために、彼らの1日はまだ多くの人が夢の中にいる時間からスタートします。

多くのゴルフ場で、スタッフの出勤時間は季節にもよりますが、夏場であれば午前4時半から5時頃に設定されるのが一般的です。もしゴルフ場まで車で30分かかるとしたら、起床は午前3時台。これはもう、夜中に起きる感覚に近いですよね。この、一般的な社会人の生活サイクルとは真逆のタイムスケジュールに身体を慣らすまでが、まず最初の大きなハードルになります。

そして、出勤してからの時間はまさに戦場です。寝ぼけ眼でコーヒーをすする余裕なんてありません。出勤と同時に、その日の天気予報、湿度、風向き、そしてお客様の予約状況をチェックし、膨大な数の芝刈り機や重機のエンジンをかけ、念入りに点検します。その日の作業計画をチームで共有し、各自が持ち場へと散っていく。この間、頭は瞬時にトップギアに入れることを要求されます。

お客様のプレーが始まる午前7時頃までが、一日で最も忙しいゴールデンタイム。グリーンの芝をミリ単位で刈り込み、カップを切り直し、バンカーを美しく均す。全ての作業に精密さとスピードが求められ、「絶対に間に合わせなければならない」という強烈なタイムプレッシャーの中で動き続けます。

「中抜け」シフトのリアルな実態

日中、お客様がコースでプレーしている時間は、大きな音を出す作業が制限されるため、「中抜け」と呼ばれる長い休憩時間を挟む勤務形態も珍しくありません。例えば、午前9時に一度作業を終え、午後3時から再び作業を再開するといったスケジュールです。この数時間の自由時間を有効活用して、自宅に帰って仮眠を取ったり、役所で用事を済ませたりできるメリットは確かにあります。しかし、実際には職場から家が遠いと帰れず、休憩室で時間を潰すだけになりがち。結果として1日の拘束時間が12時間を超えることもあり、生活リズムが不規則になるというデメリットの方が大きく感じられるかもしれません。

さらに、コース管理の仕事は計画通りに進むことばかりではありません。突然の豪雨で排水溝が詰まったり、大切な芝刈り機がコースの真ん中で故障したり…。そうした予測不能なトラブルへの対応も、彼らの重要な仕事。休憩時間のはずが、緊急の修理作業に追われるなんてことも日常茶飯事です。短距離走のスピード感と、マラソンの持久力の両方が求められる、非常にタフな仕事内容だと言えるでしょう。

夏と冬で違う。体力的にきつい自然との戦い

空調の効いた快適なオフィスとは対極にあるのが、コース管理の仕事場です。そこは365日、自然環境がダイレクトに影響するフィールド。特に、日本の特徴である寒暖差の激しい四季は、コース管理スタッフの肉体をじわじわと、時には容赦なく蝕んでいきます。

灼熱の夏:熱中症との終わらない戦い

夏のコース管理を語る上で、「熱中症」との戦いは避けて通れません。単に気温が35℃を超える、という話ではないんです。芝生は太陽の光を吸収し、その熱を地面から放出します。さらに植物特有の蒸散作用で、湿度が異常に高くなる。つまり、作業者は頭上からの直射日光と、地面からの輻射熱、そしてサウナのような高湿度のトリプルパンチを常に浴び続けることになります。アスファルトで舗装されたカート道からの照り返しは、さらに過酷さを増します。

最近では空調服の着用が一般的になってきましたが、それでも汗は滝のように流れ落ち、常に脱水症状と隣り合わせです。広大なコースでは、冷たい飲み物が置いてあるクラブハウスまで戻るだけでも一苦労。適切なタイミングで水分と塩分を補給し、自らの体調を管理する高度な自己管理能力がなければ、本当に命に関わる危険な環境なのです。

極寒の冬:凍える指先と身体の芯まで冷える朝

一方、冬の厳しさもまた格別です。ゴルフ場の多くは山間部に位置するため、市街地よりも気温が数度低いことが珍しくありません。日の出前のまだ暗い時間帯、気温が氷点下になることもザラです。そんな中で、冷たい水を使ってカップ周りを整備したり、霜で真っ白になったグリーンを扱ったり、金属製の機械のハンドルを握ったりする作業は、手足の指先の感覚を麻痺させます。

防寒着を何枚も重ね着するため、体は動きにくくなり、作業効率も落ちがち。さらに、冬場は空気が乾燥して芝生が火災に弱くなるため、火の元の管理にも一層気を遣います。雨や雪が降れば、ぬかるんだ地面に足を取られながら排水設備の点検に走り回り、通常時の何倍もの体力を消耗します。自然の美しさを感じる余裕もなく、ただただその厳しさに耐える日々が続くことも少なくありません。

夏場の熱中症対策や冬場の防寒対策は、個人の努力だけでなく、会社側の安全配慮義務も非常に重要です。就職・転職を考える際は、会社がどのような安全対策(空調服の支給、休憩場所の確保、防寒具の支給など)を行っているか、事前に確認することをおすすめします。

農薬は危険?身体への負担と安全性の実態

「ゴルフ場の仕事」と聞いて、多くの人が漠然と抱く不安の一つが「農薬」の問題ではないでしょうか。「体に悪そう」「危険じゃないの?」というイメージは、残念ながら根強く残っているように感じます。確かに、広大で均一な芝生を病気や害虫、雑草から守り、あの美しい緑の絨毯を維持するためには、化学的な管理、つまり農薬の使用が不可欠な場面があるのは事実です。

実際の散布作業は、想像以上に身体的な負担が大きいものです。法律に基づき、作業者は防護マスク、ゴーグル、ゴム手袋、そして薬剤が浸透しない特殊な素材で作られた防護衣(カッパのようなもの)を完全に着用して作業に臨みます。これを高温多湿の夏場に行うことを想像してみてください。風の通らないサウナスーツを着て、重い薬剤タンクを背負いながら何時間も歩き回るようなもので、熱中症のリスクは極限まで高まります。この猛烈な暑さと息苦しさ、閉塞感は、経験した人でなければわからない「きつさ」でしょう。

しかし、その一方で「危険性」については、過去のイメージのままアップデートされていない部分も大きいかもしれません。現代の日本のゴルフ場における農薬管理は、驚くほど厳格な規制と監視のもとで行われています。

データが示す日本のゴルフ場の安全性

例えば、環境省はゴルフ場で使用される農薬が周辺の水環境に影響を与えないよう、厳しい指導指針を設けています。定期的にゴルフ場の排水口の水質調査が行われており、その結果も公表されています。近年の調査結果を見ると、指針値を超える農薬が検出されるケースはほとんどなく、日本のゴルフ場における農薬管理が、世界的に見ても非常に高いレベルで適正に行われていることがわかります。(出典:環境省『ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止』

さらに、近年ではIPM(Integrated Pest Management:総合的病害虫・雑草管理)という考え方が主流になりつつあります。これは、化学農薬だけに頼るのではなく、天敵となる生物を利用したり、病気に強い芝生の品種を導入したり、日々の観察によって被害が広がる前に対処したりと、様々な方法を組み合わせて環境への負荷を最小限に抑えようというアプローチです。これは環境にとっては非常に良いことですが、一方で、スタッフによるより頻繁なコースの巡回や、手作業での除草といった人的コストの増加につながるという、現場にとっては少し皮肉な側面も持っています。

結論として、定められたルールを守って正しく使用する限り、農薬による健康被害のリスクは極めて低いと言えます。しかし、日常的に化学物質を取り扱うことへの心理的な不安や、散布作業時の過酷な身体的負担が「きつい」と感じる大きな要因であることは、間違いのない事実です。

安い?リアルな年収と昇給キャリアパス

「あれだけ大変な仕事なのに、給料が見合っていないのでは?」という疑問は、この仕事を検討する上で最も気になるポイントの一つですよね。正直なところ、この業界の給与水準は、全産業の平均と比較して「高い」とは言えないのが現実かもしれません。

様々な求人情報サイトを分析してみると、未経験から正社員としてスタートした場合の給与は、月給でおおよそ19万円〜26万円、年収に換算するとボーナスを含めても250万円〜350万円あたりがボリュームゾーンのようです。もちろん、これは勤務する地域(都市部か地方か)や、ゴルフ場の経営規模、格(大衆向けのパブリックコースか、富裕層向けのメンバーシップコースか)によっても大きく変動します。

ここで提示している年収は、あくまで一般的な求人データから算出した目安です。実際の給与は、個人の経験やスキル、そして雇用契約の内容によって大きく異なります。必ず、個別の求人情報で詳細な条件を確認するようにしてください。

この金額を見て、「早朝から体力的にきつい仕事をして、この年収か…」と感じる方が多いのも無理はないかなと思います。特に若いうちは、同年代の友人と比べて収入が低いことにコンプレックスを感じる場面もあるかもしれません。

昇給とキャリアアップの現実

では、ずっとこの給与水準のままなのでしょうか?答えはNoですが、その道は決して平坦ではありません。年功序列で自動的に給料が上がっていくというよりは、個人のスキルと経験、そして資格がダイレクトに評価される実力主義の世界です。

最終的なキャリアの頂点とされるのが「グリーンキーパー(コースマネージャー)」という役職です。彼らはコース管理部門の最高責任者であり、予算管理からスタッフの育成、年間の作業計画の立案まで、コースに関する全権を担います。グリーンキーパーの地位に就けば、年収は500万円〜700万円、外資系や国内トップクラスの名門コースでは1000万円を超えることも夢ではありません。しかし、一つのゴルフ場にグリーンキーパーは一人だけ。そのポストに就くためには、植物学、土壌学、気象学、農薬学といった幅広い専門知識と、長年の経験に裏打ちされた判断力、そしてチームをまとめるマネジメント能力が求められます。まさに、狭き門と言えるでしょう。

そこに至るまでには、班長、副責任者といったステップを着実に踏んでいく必要があります。重機の操作や修理が得意、特定の病害虫対策に精通しているなど、何か「武器」となる専門性を身につけることが、昇給やキャリアアップへの近道となります。また、寮や社宅が完備されていたり、食事補助が出たり、従業員割引でゴルフがプレーできたりと、給与以外の福利厚生が充実しているゴルフ場も多いので、年収額面だけでは測れない部分も考慮に入れる必要がありますね。

辞めたいと感じる精神的プレッシャーとは

コース管理の仕事の「きつさ」は、肉体的なものだけではありません。むしろ、目に見えない精神的なプレッシャーこそが、この仕事を続ける上で最も大きな壁になるかもしれないのです。「辞めたい」と感じる瞬間は、そんな精神的な疲労がピークに達した時に訪れることが多いようです。

相手は予測不能な「生き物」

コース管理の仕事が、工場のライン作業と決定的に違うのは、管理対象が常に変化し続ける「生き物(芝生)」であるという点です。工業製品であれば、マニュアル通りに作業すれば常に一定の品質を保てます。しかし、芝生はそうはいきません。昨日は元気だったのに、今日は病気の兆候が見られる。天気予報を信じて肥料を撒いたら、その後に記録的な豪雨に見舞われて全て流されてしまった…。そんな予測不能な事態の連続です。

一度、病気や管理ミスで芝生を広範囲に枯らしてしまうと、元の状態に戻すには数ヶ月、場合によっては数年の歳月と莫大なコストがかかります。この「失敗が許されない」「取り返しがつかない」というプレッシャーは、日々の業務に重くのしかかります。特に、重要な意思決定を任される立場になるほど、その重圧は増していきます。自然という、人間のコントロールが及ばない巨大な力を相手にしている無力感を味わうことも少なくありません。

ゴルファーからの無言の評価

コース管理スタッフは、お客様であるゴルファーと直接会話する機会は少ないかもしれません。しかし、彼らは常にゴルファーからの厳しい評価に晒されています。グリーンのボールの転がり具合、フェアウェイの芝の密度、バンカーの砂の質…。それら全てが、プレーの質を左右し、ゴルフ場の評価に直結します。

「今日のグリーンは重いな」「ラフが伸びすぎだ」といったプレーヤーの何気ない一言が、コース管理スタッフの耳に入ってくることもあります。それは、自分たちの仕事に対するダイレクトな評価の刃です。常に100点満点を求められ、わずかな不備がクレームにつながるというサービス業としての側面は、大きな精神的ストレスとなります。特に、高額なプレー料金を設定している名門コースや、競技会が頻繁に開催されるコースでは、そのプレッシャーは想像を絶するものがあるでしょう。

また、プレーの邪魔にならないよう、常にカートやボールの行方に気を配り、作業を中断して身を隠すといった「黒子」としての振る舞いも求められます。効率よく作業を進めたい気持ちと、お客様の快適なプレーを優先しなければならないというジレンマも、日々のストレスの蓄積につながっていくのです。

「ゴルフ場コース管理はきつい」だけではない未来

ここまで、「きつい」と言われる理由を様々な角度から見てきましたが、物語には必ず光と影があります。もしこの仕事が本当に「きつい」だけで、何の魅力もないものだとしたら、今頃誰も働いていないはずです。ここからは視点を変えて、その厳しい環境の中にある確かなやりがい、変わりつつある労働環境、そして未来への大きな可能性という「光」の部分に焦点を当てていきましょう。

きつさ以上のやりがいと仕事のメリット

コース管理の仕事を選ぶ人たちが口を揃えて語る魅力、それはやはり「大自然そのものがオフィスである」という、他では決して味わえない贅沢な環境でしょう。コンクリートジャングルの中で、パソコンの画面と睨めっこする毎日とは全く違う世界がそこにはあります。

多くの人がまだ寝静まっている黎明の刻、静寂に包まれたコースに一番乗りし、夜露に濡れた芝生の匂いと澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込む。鳥のさえずりだけが響き渡る中、ゆっくりと昇る朝日を浴びながら仕事に取り掛かる。この神秘的とも言える瞬間を毎日体験できるのは、この仕事に就いた者だけの特権です。春には満開の桜、夏には深い緑、秋には燃えるような紅葉、冬には凛とした空気と、日本の美しい四季の移ろいを、誰よりも早く、そして全身で感じることができます。この自然との一体感は、日々の肉体的な疲労を癒し、精神的なストレスを和らげてくれる大きな力になるはずです。

そして、もう一つの計り知れないやりがいは、「自分の仕事の成果が、美しさという形でダイレクトに現れる」ことです。手間と愛情を込めて育て上げたグリーンが、ビロードのような完璧な状態に仕上がった時の感動。難しい病害を乗り越えて、再び生き生きとした緑を取り戻した時の安堵感。それは、まるで我が子の成長を見守るような喜びに似ているかもしれません。

さらに、その自分が手掛けた舞台の上で、お客様が心からゴルフを楽しんでいる姿を見た時、「この瞬間のために頑張ってきたんだ」と、全ての苦労が報われると言います。特に、テレビ中継されるようなプロのトーナメントが開催されるコースのスタッフにとっては、自分たちが維持管理するコースが最高のコンディションであるとプロに評価されることは、この上ない名誉であり、大きな誇りとなります。自分の仕事が、誰かの最高の思い出や感動の一瞬を創り出している。この実感こそが、きつさを乗り越える最大のモチベーションになるのです。

未経験や女性も活躍できる?求人の実態

「コース管理の仕事は、体力のある男性じゃないと務まらないのでは?」そんな風に考えて、挑戦をためらっている方もいるかもしれません。確かに、一昔前まではそのイメージが強かったのは事実です。しかし、時代は大きく変わり、今やコース管理の現場は、未経験者や女性にも大きく門戸が開かれています。

この背景には、ゴルフ業界全体が抱える慢性的な人手不足、特に若年層の採用難という深刻な課題があります。かつてコース管理を支えてきた団塊世代のベテランスタッフが次々と定年退職していく中で、新しい担い手の確保が急務となっているのです。そのため、多くのゴルフ場では「学歴不問」「経験不問」を掲げ、ポテンシャルのある人材を一から育てていこうという方針にシフトしています。

女性が輝けるフィールドへ

近年、女性スタッフの活躍が特に目立っています。芝刈り機などの機械も、技術の進歩によって小型化・軽量化が進み、女性でも扱いやすいモデルが増えてきました。また、コース管理の仕事は、力仕事だけではありません。植物のわずかな色の変化や病気の兆候にいち早く気づく観察力、カップ周りの芝を繊細にカットしたり、季節の花を植えたりするきめ細やかさなど、女性ならではの感性や丁寧さが活かせる場面が非常に多いのです。実際に、管理部門の責任者である女性グリーンキーパーも全国で誕生しており、彼女たちは業界の新しいロールモデルとなっています。

また、求人情報を見ると「ミドル・シニア活躍中」という言葉もよく目にします。これは、全く異なる業種でキャリアを積んできた方が、セカンドキャリアとしてこの道を選ぶケースが増えていることを示しています。人生経験の豊富さや、前職で培ったコミュニケーション能力は、チームで仕事を進める上で大きな武器になります。

もちろん、入社後のサポート体制も重要です。多くのゴルフ場では、ベテランスタッフがマンツーマンで指導するOJT(On-the-Job Training)制度を導入しており、機械の安全な使い方から芝生管理の基礎知識まで、実践的に学ぶことができます。会社によっては、資格取得のための費用を補助してくれる制度もあり、未経験からでも着実にスキルアップしていける環境が整いつつあります。「自然が好き」「植物を育てることが好き」という純粋な気持ちさえあれば、性別や年齢、これまでの経歴に関わらず、誰もが主役になれる可能性を秘めた職場だと言えるでしょう。

ロボット導入で変わる仕事の将来性

コース管理の「きつい・汚い・危険」という、いわゆる3Kのイメージを根本から覆す可能性を秘めているのが、日進月歩で進化するテクノロジー、すなわちDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入です。ゴルフ場という伝統的な業界にも、今、大きな変革の波が訪れています。

その代表格が、GPSとセンサーを搭載した「自動芝刈りロボット(ロボットモア)」です。これまでは、人間が乗用モアに何時間も乗って行っていた、広大なフェアウェイやラフの刈り込み作業。これを、お客様がいない夜間のうちに、ロボットが静かに、そして正確に自動で完了してくれるのです。これにより、スタッフは夏の炎天下や冬の寒空の下での長時間にわたる単調な運転作業から解放されます。その結果、創出された時間を、より高度な判断が求められるグリーンの状態チェックや、病害の早期発見、部分的な補修といった、人間にしかできない付加価値の高い仕事に振り分けることが可能になります。

空からの変革も進んでいます。特殊なカメラを搭載したドローンをコース上空に飛ばすことで、芝生の生育状況や水分量を色分けされたマップとして可視化することができます。これまではグリーンキーパーの長年の「経験と勘」に頼っていた水撒きや施肥のタイミング・量を、客観的なデータに基づいてピンポイントで最適化できるのです。これは、作業の効率化はもちろん、水資源や肥料の無駄遣いをなくし、環境負荷を低減するというSDGsの観点からも非常に重要な取り組みです。

求められる人材像の変化

こうしたテクノロジーの進化は、コース管理スタッフに求められるスキルセットを大きく変えていきます。これまでの「体力」や「機械操作の熟練度」に加えて、これからは「ロボットを管理・メンテナンスする能力」「ドローンが収集したデータを分析し、作業計画に活かす能力」といった、ITリテラシーが新たな価値として評価されるようになります。これは、体力に自信がないけれどITに強い若者や、新しい技術を学ぶ意欲のある人にとっては、大きなチャンスと言えるでしょう。「きつい肉体労働」の現場から、「スマートな知識集約型マネジメント」の現場へ。コース管理は今、大きな転換期を迎え、知的でクリエイティブな仕事へと進化しつつあるのです。

キャリアアップに有利な資格はある?

コース管理の仕事は、学歴や特別な資格がなくても「やる気」さえあればスタートできるのが魅力の一つです。しかし、この世界でプロフェッショナルとして認められ、キャリアアップを果たし、待遇を向上させていくためには、自身の知識と技術を客観的に証明してくれる「資格」が非常に強力な武器となります。

まず、この業界で最も権威のある資格として知られているのが「芝草管理技術者」です。これは、芝生に関する生態や土壌、肥料、病害虫、農薬など、幅広い専門知識を問われる民間資格で、3級、2級、1級とステップアップしていきます。特に1級は合格率が低く難関ですが、これを取得していることは、グリーンキーパーを目指す上でのパスポートのような存在と言っても過言ではありません。資格手当が支給されるゴルフ場も多く、知識の証明と収入アップの両面でメリットがあります。

次に、国家資格である「造園施工管理技士(1級・2級)」もキャリアに大きく貢献します。この資格は、コースの改修や改造といった大規模な工事の際に、施工計画を作成したり、現場の工程・品質・安全を管理したりするために必要となります。コースの維持管理だけでなく、コースを「創る」側にも関われるようになるため、仕事の幅が大きく広がります。

現場で直接役立つ実践的な資格

上記の専門的な資格以外にも、日々の業務で直接役立ち、持っていると重宝される資格がいくつかあります。

資格名 役立つ場面
大型特殊自動車免許 トラクターなど、公道を走行する必要がある大型作業車を運転する際に必須。
車両系建設機械運転者 バンカーの砂を入れ替えたり、コースを改修したりする際のパワーショベル操作に必要。
危険物取扱者(乙種4類) 芝刈り機などが使用するガソリンや軽油といった燃料を管理するために必要。
農薬管理指導士 農薬の安全な取り扱いを指導・管理する専門家。職場の安全衛生レベル向上に貢献。

これらの資格は、一朝一夕で取得できるものではありません。日々の業務と並行して勉強時間を確保する必要がありますが、その努力は必ず将来の自分への投資となります。多くのゴルフ場では、資格取得のための受験費用を補助したり、合格者には報奨金を支給したりする支援制度を設けています。こうした制度を積極的に活用し、計画的にスキルアップを図っていくことが、この業界で成功するための鍵と言えるでしょう。

年収や求人に関するよくある質問

ここまで記事を読んでいただき、コース管理の仕事について、かなり理解が深まってきたかと思います。最後に、それでもまだ残るであろう細かな疑問について、Q&A形式でまとめてお答えします。

Q
どのくらいの体力が必要ですか?
A

正直に言うと、ある程度の体力は必要です。特に夏場の作業や、肥料袋(20kg程度)を運んだり、故障した手押し式の機械を押して移動させたりする場面では、基礎体力が求められます。しかし、常に全力疾走しているわけではありません。大切なのは、1日を通して持続可能なペースで働くための自己管理能力です。テクノロジーの導入で、昔ほどの筋力勝負ではなくなってきているのも事実です。

Q
人間関係はどんな感じですか?
A

コース管理は少人数のチームで動くことが多い職場です。そのため、一度良い関係が築ければ、家族のような強い絆が生まれることもあります。一方で、もし相性の悪い人がいると、毎日顔を合わせるのが少し気まずく感じるかもしれません。チームワークを何よりも重視する仕事なので、コミュニケーション能力や協調性はとても大切になります。

Q
休日はきちんと取れますか?
A

ゴルフ場は土日祝が最も忙しいため、休日は平日になるシフト制が基本です。年間休日数はゴルフ場によって様々ですが、平均すると100日前後のところが多いようです。ただし、台風の接近やトーナメントの開催前など、特別な対応が必要な場合は休日出勤をお願いされることもあります。有給休暇の消化率なども、就職先を選ぶ上での一つのチェックポイントになるかもしれません。

Q
ゴルフの知識や経験は必要ですか?
A

結論から言うと、必須ではありません。ゴルフを一度もプレーしたことがない状態で入社する人もたくさんいます。しかし、ゴルファーがどのような視点でコースを見ているのか、どういう状態を「良いコンディション」と感じるのかを理解するためには、自分自身がプレーしてみるのが一番の近道です。多くのゴルフ場では従業員割引制度があるので、入社してからゴルフを始めるスタッフも多いですよ。

結論:ゴルフ場コース管理はきついのか

さて、長い時間をかけて「ゴルフ場コース管理」という仕事の深部を旅してきました。様々な角度から光を当ててきましたが、最終的な問い、「この仕事は本当にきついのか?」に対する私の答えは、こうです。

はい、間違いなく「きつい」仕事です。しかし、それは物語の半分でしかありません。

早朝勤務による生活リズムの調整、真夏の灼熱地獄や真冬の極寒との戦い、そして生き物を相手にするがゆえの予測不能なプレッシャー。これらは、この仕事から決して切り離すことのできない、紛れもない事実です。もしあなたが「楽して稼ぎたい」「快適な環境で働きたい」と考えるのであれば、この仕事は正直、おすすめできません。

しかし、この記事で見てきたように、その厳しい現実の裏側には、それを補って余りあるほどの、計り知れない魅力と深いやりがいが存在します。都会の喧騒とは無縁の、広大な自然の中で朝日を浴びる特権。自らの手で美を創造し、それが人々の感動や喜びに直接つながるという実感。そして、最新のテクノロジーを駆使して、伝統的な職人技と科学的な知見を融合させていく未来へのワクワク感。これらは、他の多くの仕事では決して味わうことのできない、この仕事ならではの報酬です。

結局のところ、この仕事があなたにとって「耐え難いきつさ」になるのか、それとも「乗り越える価値のある挑戦」になるのかは、あなたが仕事に何を求めるのか、という価値観そのものにかかっているのだと思います。

自然を愛し、植物を育てることに喜びを感じ、地道な努力の先に大きな達成感を見出したい。もしあなたがそう考える人であるならば、ゴルフ場コース管理という仕事は、あなたの人生を豊かに彩る天職になる可能性を秘めています。

この記事が、あなたが情報に惑わされることなく、自分自身の心と向き合い、未来への一歩を踏み出すための、確かな羅針盤となることを心から願っています。

the19th

40代、ゴルフ歴20年の「ギアオタク」サラリーマンです。ベストスコアは73( HC10)。「シングル」の称号まであと一歩のところで、長年足踏みしています。
「その1打は、ギアで縮まる」を信念に、これまで試打してきたクラブは数知れず。給料のほとんどは最新ギアに消えていきます。
このブログは、20年間こだわり続けた「ギア選び」の記録です。

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